日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

東京都現代美術館『名和晃平-シンセンス』『MOTコレクション、石田尚志』

激しい雨の音を聞きながら寝起きを繰り返すうちに9時過ぎ。むっくり起きて日記の更新などをしていると、玄関のチャイムが。はーい、宅急便です、昨日頼んでもう来たよ!

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前々から欲しいなあ…と思いつつ、値段に躊躇していたのだが、ウテナの声優をした川上とも子さんの訃報に触れ、びっくりしてポチってしまったのだった。悔いの無いお買い物。見始めると大変、出掛けられなくなるのでやめておいて、引き続き日記の更新など。雨は強く、横浜市内の川で警戒水位を越えたという知らせも入ってくるが、次第に空は明るくなり、昼前にはやんだ。
13時過ぎ、家を出て、桜木町駅前の松屋でぶためし。嫌いじゃないし良く食べるんだけど、吉野屋や松屋で食事した後、外に出ると、時々、生ゴミのような香りがして、やっぱり止めておいたほうが良いのだろうか…。桜木町から京浜東北線に乗り、寝てしまったらもう東京駅、半蔵門線に乗り換えて清澄白河。以前、清澄庭園を訪れた時に
Chim↑Pomのアレと、五百羅漢図と - 日毎に敵と懶惰に戦う
その中にある、水に浮かぶ『涼亭』で宴会する様子がとても気持ちよさそうで、しかも5500円で3時間半借りられる、夜も借りられる!と知りまして。直後に、10月のお月見が出来そうな時期に予約をしておりましてね。お金の支払いは直接現金でするしか無いそうなので、清澄白河に来たついでに支払いに行く。
10月の支払いを今からしてもいいんですか?キャンセルも返金もできませんよ?と言われたけれど、先延ばしにすると忘れてしまいそうだし、いいんです、とお支払い。使用上の注意などを簡単に受ける。原状復帰してください、歌舞音曲は禁止です、コンセントがありません、コンロはあるがお湯を沸かすだけで煮炊きは駄目です。借りるのが17時〜20時30分なのだけれど、この時間は庭園の散策はできません。門が閉まっているので通用口から出入りしてください…などなど。はい、了解です。予約の表をちらっと見たが、10月でも、すでに、ほぼ予約で埋まっているようだった。むふふ、お酒を持ち込んでお月見宴会、今から楽しみであるなあ。
深川江戸資料館の前を通って、東京都現代美術館まで。本日からスタートの展覧会を見に行く
KOHEI NAWA - SYNTHESIS
名和晃平‐シンセンス』、企画展示スペースの地下を使った個展。名和さんと言えば、まずはガラス玉に覆われた鹿の剥製が、シンボル的に強いビジュアルイメージを持っている。今回の展覧会は、もちろん一部屋はそれに充てられている。それ以外にも、部屋ごとに様々なシリーズが。
部屋にはキャプションがまったく無い。最初は解説もくれない。それぞれに強いインパクトのある作品群が並ぶ部屋を、順を追って、巡礼していく。部屋ごとに内装と照明に細心の注意が払われ、部屋から部屋に移動するごとに、強い印象と驚きを受ける。特に、巨大なPOLYGONの彫像が置かれた部屋に入っていく瞬間の、その青い照明に照らされた巨大さに圧倒される感覚が物凄い。
2年前に、メゾンエルメスの個展で見た作品も結構ある。
仕事の後にギャラリー巡り日記 - 日毎に敵と懶惰に戦う
だけれども、ほとんどが新作ばかりの展覧会。それぞれの部屋を巡っていく時に、それぞれの作品群が作りだす相乗効果が凄い。それぞれで強いインパクトを持つ名和晃平なオブジェたちを次々見て行くと、次第に、距離感、スケール感、ボリューム感、色彩感…様々な感覚が失われ、不思議な刺激と共に再構築されてゆく。まさに巡礼、地獄めぐり…いや地獄では無いのだが、胎内めぐり的なカタルシスを感じる。この展覧会に向けて周到に準備された凄み、まさに個展の醍醐味!というものを感じるのだ。
1週廻ると、大きな解説ペーパーが用意されていて、今度はそれを見ながらまた一回り。さらに一回り。何度もぐるぐると廻りたくなる展覧会。いや、これは凄いです。是非、訪れたほうが良い展覧会だと思います。
次に、MOTコレクション、常設展を見る
当館の収蔵作品について | 東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
今回のタイトルは、2階が『サイレント・ナレーター それぞれのものがたり』そして、1階が『特集展示 石田尚志』。東京都現代美術館の常設展は、もはや常設展ではありませんね。それだけで立派なテーマを持った展覧会である。今回はなんと言っても石田尚志。壁などに描いたドローイングをコマドリしたアニメーションが、まるで想像を絶する動きをするアニメーションが、前々から大好きでして。国立新美術館の去年の『アーティストファイル』、写真美術館で見た『躍動するイメージ』、横須賀美術館のオープニング、横浜美術館の滞在制作…それぞれに強い印象が残っておる。
その、見たことのある作品たち。特に『部屋/形態』『海の壁』は、何度見ても本当にすごい。『部屋/形態』の緻密さ、『海の壁』の構成。作品の制作中の映像も上映されており、まるっきり、気が遠くなりそうな作業。そして、今回見ることが出来る、最初期の作品『絵巻』『絵巻その2』は、荒削りであり筆致が鮮明な分、行っていることの凄みがダイレクトで感じられる。近年、沖縄で行っている、砂浜に水で画を描く様子は、青い海と照りつける太陽がとても印象的だ。波のように増殖する線は、そうか、沖縄の海だったのか。
画家を志していた石田尚志がかつて描いた絵画も何点か展示されており、石田尚志の仕事が俯瞰できる、素晴らしい企画展示だった。2階の『サイレント・ナレーター』も、小泉明郎の映像今回、あまり時間が無くてさっと見るだけにしてしまったし、泉太郎の馬鹿馬鹿しさの極みの作品も凄いし、大竹伸朗のゴミ男がまた見られたし、最後の部屋の荒木珠奈の、メキシコの夜景から発想された作品が、実に幻想的で美しくてなあ…。これは、常設展はまた来たいと思う。山川冬樹の『The Voice-over』の展示は終わってしまったけれど、東京都現代美術館の常設展が素晴らしいことに変わりはない
その後は。美術館を出て、地下鉄を乗り継いで銀座まで。このお店で
パリのワイン食堂

食べログ パリのワイン食堂

楽しく美味しいものをいただいたのでありました