日毎に敵と懶惰に戦う

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野島公園『旧伊藤博文金沢別邸』の居心地が良くて…

京急金沢文庫で降りると、都心から近い住宅街になってはいるものの、どこかに漁港の雰囲気が残っている。本日はこちらの神社の祭礼が多く行われているらしく、神社の前に神輿が並び、町内会のテントには子供がつくだ煮のようになっている。土地の結束の強さのようなものも、漁港以来の伝統か。古くは鎌倉時代から栄えた土地なわけですものね。徒歩15分、野島公園のある島に渡ると、船宿が沢山見えてくる

船宿が並ぶあたりを、海岸沿いに歩いて行くと野島公園リア充な感じの若者たちがバーベキューの準備をしながら盛り上がっているのを横目にみつつ、わたくしの目的地はこちら

伊藤博文の、金沢別邸
旧伊藤博文金沢別邸公式サイト | 横浜市緑の協会
湘南の方の別荘というと、大磯の吉田茂や葉山などを思い浮かべますが、それ以前、明治期は富岡、金沢近傍が別荘地として栄えていたのですね。この伊藤博文の別邸も、明治31年、1898年に建てられたもの。平成18年に横浜市の指定有形文化財に指定され、解体工事が行われた後、平成21年10月から無料で公開されている。

中に入るとかなり綺麗に改装されていますが、当時の面影はきちんと留めている。そして、なにより、海をすぐに臨む立地が素晴らしいのですね


訪れる人はあまり多くなく、縁側に座って、海のほうを眺めていると、幸せな気分になってくる


夏の日差しが照りつける外と、日陰で風が通る屋内のコントラスト

海の、波と風の音が静かに聞こえて、風は涼やかで、座っていると、うとうとと眠たくなってくる。ああ、居心地が良くて、素晴らしい…。第2土曜日、日曜日はお茶が供されていて、500円でお菓子とお茶をいただきました


日が暮れるまで、ここでのんびり、昼寝していたいなあ…贅沢だなあ…。時々、人は訪れてくるのだけれど、大抵はさっと帰ってしまうので、また訪れる静寂。幾ら払っても、なかなか、こういう贅沢は出来るものではございません



そんなわけで、この旧伊藤博文金沢別邸、大変にオススメです。このような公開されている旧邸には穴場が多いよね。代官山のこちらも、是非
代官山の大旦那『旧朝倉家住宅』は嫉妬するほど広い - 日毎に敵と懶惰に戦う
時々静寂を破るのは、野島公園のスピーカーから流れるアナウンス。海岸沿い、指定した場所以外でのバーベキューは禁止です、重ねて申し上げます、海岸沿いでのバーベキューは禁止です。帰りしなに、さきほどの若者たちを見てみれば、アナウンスガン無視で、音楽を大音量で流しながらバーベキューの真っ最中でございました