日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

平日に都内お散歩、代官山の蔦屋書店へ

今日まで休み。平日に休みはあんまり無いから、平日で無いと行けない場所へ…と思ったわけですが。いざとなると忘れちゃうもんだね。昨日行った『故宮博物院200選』の記事を書いて、昼すぎにお出掛け。東京で乗り換えて竹橋、お昼ご飯は唐揚げ麦とろ定食を食べる。あの、なんちゅうんでしょ、新聞社で働いている女子はいいですよね…。何言ってるんだ私は
東京国立近代美術館の常設をゆっくり眺めてから、平日しか行けない場所、国立公文書館へ。『明治期万国博覧会における日本建築・日本庭園』という展示を見る。貴重な公文書をいろいろ見られて面白かった。歩いてイギリス大使館方面に抜けまして

一番町。このへん、今でも魚屋があるんだな。店先に刺身のサクが並んでて、おばあちゃんがこの時間に『今日は何か焼き魚ありますか』なんて買い物に来ている。くらしのありようのようなものが、イマイチ想像つかぬ。しかし、レトロなマンションで一人暮らししているお年寄りとか多いのだろうな。やがて世代交代で、そのような風景も無くなって、また再開発がおこなわれるのだろう。一番町〜三番町のビル、特にマンションには、ほぼ名前に『一番町』『三番町』が入っている。そして『番町』を名乗るところは三番町に散見される。やはり最強のブランド地名か。マンションへの地名の使われ方で地名のブランド度を図ると面白いかも。まあ、六麓荘とかマンション有り得ない地名もあるけど。
半蔵門から永田町乗り換え、新宿三丁目へ。ちょっと宛てが外れて、新宿駅からJRに乗車、渋谷。セルリアンタワー東急ホテルのロビーで一休み。7年くらい前に一回泊まったよね…。フォルダ漁ると、写真が出てきたりしますが




最近はそういうことあまりしませんね。路地を抜けて猿楽町方面、バカに大きな集合住宅ラトゥール代官山の脇を抜けて


新しく出来た代官山蔦屋書店に行ったわけですが、まず度肝を抜かれるのがその駐車場

代官山のどまんなか、平地にゆったりした駐車場、120台分って、なにを考えているんでしょうか…。蔦屋書店を中心とした今回の開発、当然土地の持ち主は朝倉不動産なんですよね。ほんと、余裕のあるお金持ちだわあ…。以前にちょっと書いたことがありますが

隈 ヒルサイドテラスは、いわば究極の旦那芸なんですよね。街自身が朝倉家という旦那の持ち物で、しかも、その旦那は見識と教養と土地とお金の持ち主でもある、という。
清野 朝倉家はどんな具合に土地を持っていたのですか。
隈 朝倉家は明治初期からここで米穀店を営んでいた旧家で、ヒルサイドテラスが建つ代官山の高台一帯を所有していたんです。ヒルサイドテラス沿いの旧山手通りも、もとをたどれば朝倉家の私道でした。現在、朝倉家は朝倉不動産という会社を作って、ヒルサイドテラスを管理していますが、その私道はおじいさんが昭和五、六年頃に作ったと聞いています。
清野 ということは、現在の旧山手通りは、昭和初期当時の私道から、だいぶ拡張されたのでしょうね。
隈 そこが朝倉さんの驚くべきところでね。道幅は当時のままだそうです。まだ車もあまり走っていない頃だったから、当時の私道としては馬鹿馬鹿しいほど広く感じられたことでしょう。逆にいえば、朝倉家はルーツからして都市計画的センスの持ち主だった、ということです。
清野 土地と見識と教養とお金が揃う、などという理想的な条件は、広い東京にあってもむしろ特殊中の特殊ですよね。だったら、どんなに代官山の街作りが良くても、日本のどこの場所にも応用できないのではないですか。
隈 その通りです。だから優秀な学生は、都市再開発のソリューションに、代官山モデルはまず持ってこないです。

隈 まあ、その奇跡が代官山では万分の一かの確率で現れた。だから代官山モデルは他の場所では応用できない。東急沿線のターミナル駅の一つ手前の土地に、朝倉家という大地主がいて、そこに槇文彦という建築家がつながって、という三つの奇跡が重なったからこそ実現した都市計画なんです。
清野 そうおっしゃられると、ミもフタもないのですが。

代官山の大旦那『旧朝倉家住宅』は嫉妬するほど広い - 日毎に敵と懶惰に戦う

そういうわけでありまして。その余裕のある朝倉さんの土地の上に、ツタヤの創業者はこういうことがしたかったのか、という、大人の余裕たっぷりな企画が具現化されている。

本屋の品揃え、陳列の面白さなども、まことにもって全力投球、容赦がない。二階には広々としたラウンジがあり、雑誌のバックナンバーを多数揃え、寛げるソファやカウンターで食事お酒喫茶が楽しめる。メニューは、蔵書検索や店舗情報も見られるiPadという。座って、のんびりコーヒーをいただいておりました


それにしてもこれ、商売成り立つんだろうか。採算度外視でも続けるのか、あるいは算盤は立っているのか、とにかく、商業的にも成り立って続いて欲しいですね…。そういう場所なのでありました。また来よう

イータリーに寄ってちょっとお買い物して、東横線で帰宅。砂の器のDVDを久しぶりに見ながら、夕飯にしたのでありました