日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

写美『見えない世界のみつめ方』対談、『ザ・ベスト・オブ・山種コレクション』ギャラリートークなど

時間を気にせず寝ていたら久しぶりに10時過ぎまで。こんなに寝たのは久しぶりだ…。朝のうちに体重計に乗ったら恐ろしい数字になっており、これは痩せないと…
昼すぎに出て有楽町まで、日比谷線に乗り換えて広尾。商店街の奥のほうにある、もくもくという店で『もくもく丼』を食べる。炭焼きの香りがして美味しゅうございました。『1223現代絵画』に行き、平久弥『都市の記憶』
1223現代絵画
平久弥はアートフェア東京で見たことのある、エスカレーターの絵の人!と認識しており、今回もエスカレーターが満載。それ以外にも、地下鉄駅構内、美術館の階段なども精密に描いたその絵画は、普段足早に通り過ぎながら、記憶の奥底にしっかり留まっている風景が蘇るのだった。と言いつつ、エスカレーター鑑賞家とかその他好事家にとっては、『普段足早に通り過ぎ』ではなく、普段からじっくり見ているよ!ではあるわけですが。
Hisaya Taira's Cityscape Studio
さらにそのまま歩いて、「NADiff a/p/a/r/t」へ。都築響一 「暗夜小路 上野〜浅草アンダーグラウンド・クルーズ」、地下に降りて行くと、いきなりオリエント工業ラブドールが出迎えてくれまして、はい、触らせていただきました(笑)上野浅草界隈のディープゾーンを探訪した写真には、“「男の娘」パラダイス”、“極道ジャージ”、“三社祭というメガ・フェス”、“三社祭は褌の野外フェス”などと、キャッチャーなキーワードが満載、まさにあなたの知らない世界。都築響一の仕事は多彩過ぎる。
坂を登り、写真美術館へ。開催中の展覧会、見えない世界のみつめ方の関連企画
東京都写真美術館
小阪淳(出品作家)× 飯田和敏 (ゲームクリエーター) の特別対談。日本科学未来館繋がり…という感じかしらん。飯田さんが手がけた、日本科学未来館の新しい常設展示『アナグラのうた』ヤバい楽しい感じ…。空間情報科学、シアワセ、歌の歌詞が “情報 共有 パワー パワー” JAシーザーかいな…という。ほとんど、歌と踊りのトランス状態。
常設展示『アナグラのうた 〜消えた博士と残された装置〜』 - YouTube
アナグラのうた
「空間情報科学で情報をうまく共有すると、よりより社会になる」という企画なのに、イド、ナガメ、イキトイキ、ワカラヌ、シアワセという装置が醸し出す雰囲気のディストピア感が半端なく、企画者もそれに自覚的で。安心安全と言えない、不安だから頑張れ、みたいな展示なのだと。
話題は多岐に及んだけれど、空間情報科学の、いやさ情報共有の、いやさ、科学そのものの、無邪気さと可能性と危うさ、多様性と画一性のウラオモテ、コンニチの世の中における“タメ”の困難さなどについて、いろいろ示唆に富んだ対談だった。あと、サイエンスライターとか、サイエンス趣味者みたいなものの、業の深さも感じましたですね…。展示含めて、 id:Imamura さんには大変オススメです。
さて、少し時間が押してしまったので、急いで山種美術館へ。坂を下りてまた登る。本日は弐代目・青い日記帳のtakさん企画で、山種美術館の山崎館長のギャラリートークと特別観賞会が閉館後に楽しめると言う、素晴らしい機会に恵まれましたですよ
山種美術館「ザ・ベスト・オブ・山種コレクション展」山粼館長ギャラリートーク | 弐代目・青い日記帳
日本画技法、絵の具の話、画家との交友、重層的なお話を伺ってじっくり眺める名品の数々、とても充実して楽しい時間だった。速水御舟『炎舞』はもちろん素晴らしいのだけれど、それ以外にも新たな出会いや発見が沢山ありました。さすが『ザ・ベスト・オブ・山種コレクション』というだけあって、名品ばかり。山崎館長のお話は、こちらが一番わかりやすくまとまっていました
「ザ・ベスト・オブ・山種コレクション展」山崎館長トーク@山種美術 - mit MUSEUM
自分、はじめて山種美術館を訪れたのが千鳥ヶ淵にあった時で、その時はあまり良い印象が無かったのですが…
初めての美術館 - 日毎に敵と懶惰に戦う
恵比寿に移ってから、行くたびに好きになるね。炎舞の展示されている部屋の空間・照明をはじめ、しっかり日本画を見せる空間であることも大きいのだろうな、と。もちろん、作品そのものの力があることは言うまでも無いことなのですが。
twitterのIDを知るばかりであった人とも大勢お会いできて、楽しい時間。終了後、さてまた移動、日ノ出町へ。横浜から芦屋に戻る方の送別会で酒房ぴーへ。4時からはじまっていた送別会は到着後も延々続き、これまた、大変楽しい会だったのでした。