日毎に敵と懶惰に戦う

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牧野伊三夫展、写美で田村彰英、『情報』の教科書を読む会

本日もお休み。10時ごろに出て、横浜で乗り換えて学芸大学へ。クラスカで開催中の牧野伊三夫展 「画家と出版」
http://www.claska.com/news/2012/07/post_612.html

クラスカの大熊健郎さんと牧野伊三夫さんの縁から実現したこの展覧会、絵、版画から、広告、出版、雑誌連載、酒、銭湯…関わっている仕事を総覧できる充実した展示内容で、資料点数が非常に多く、大満足。絵や版画、グッズの販売もありました。牧野さんの絵の線の柔らかさ、文章の洒脱さは本当に好きだなあ。
牧野伊三夫さんと言えば、暮らしの手帖や『雲のうえ』、『今宵も酒場部』だったんだけど、四月と十月とか、サントリー関係の仕事とか、モスバーガーのポスターとか、飛騨のフリーペーパーとか、風呂会とか、魅力的な仕事が多過ぎでした。鎌倉のヒグラシ文庫のフクロウ、あの原画もあったな。折尾駅構内の床屋を描いた絵や、八幡製鉄所の版画、欲しくなった…。
牧野さんと仕事でかかわった人たちの寄稿、それに対する牧野さんのお返しの文章、そういうとことから、牧野さんの人柄が浮かびあがってくる。そして、人のつながりから楽しいこと、仕事が発展していき、そこからまた人のつながりができてくる。そんな、はたから見ていてうらやましくなるような醍醐味を味わえるような展覧会。1号だけ入手し損ねた『雲のうえ』も全部そろっていて、閲覧することができて満足。
『雲のうえ』についてはこちらを
北九州市情報誌『雲のうえ』が本当に素晴らしい - 日毎に敵と懶惰に戦う
牧野さんとか、そのつながり、あたりについてはこちらもお読みください
『野武士のグルメ』、そして今宵も酒場で - 日毎に敵と懶惰に戦う
幸せな気分になって、目の前からバスに乗って目黒駅へ。歩いて恵比寿方面。
東京都写真美術館田村彰英 夢の光』を見る。なるほど、70年代に出てきた時は衝撃的だったろうな、というのがよくわかる。文脈をいくらでも持ちそうな素材が突き放したような画で撮られていて、それが独自の詩情すら感じられる。基地の写真《BASE》を世に出した時は、政治性などが一切排除された作品に、賛否毀誉褒貶いろいろあったらしい。その時に反応を想像しつつ見る。
宅地造成地を定点観測した『家』『道』、情感を排した、どこか遠い国のような日常のモノクロ作品『午後』、無機質な風景が続く『湾岸』、崩れかけた家などが、しかし生暖かい郷愁など無しにパッキリ映し出された『赤陽』、事件や災害、注目を集めた場所が、日常の異化として切り出される『名もなき風景のために』、そして『BASE 2005-2012』、まるでコンセプチュアルアートのような美しさの奥底に混沌が見え隠れする作品たちが、とても興味深かったのです。
もうひとつ、『自然の鉛筆』は、タイトルからやや展示がイメージし難い。このタイトルは世界で最初の写真集の名前。貴重なこの写真集を出発点に、写真発明当時からの写真技法・印画技法の発展を、館の一級のコレクションで実作例を確認しながら堪能できる贅沢な企画。ゼラチンシルバープリントの実作例として示されるのが、写真好きならみんな知ってる!というあれやこれやだったりするので、贅沢ですよ。
恵比寿をあとに、渋谷へ。ヒカリエのd47 MUSEUM『ニッポン47ブルワリー』は、47の展示台に各県のクラフトビールの蔵ひとつ、紹介ボードとビールの実物が展示されており、音声ガイドで解説と蔵人の声を聞いていく内容。前回の展示もそうだったけれど、ナガオカケンメイ氏のちょっと気が抜けたような(わたしは好きですよ)長い長い音声ガイドがここの名物と化しておるね。


ちょっと800円は高いと感じる人も多いのでは、という気もする。徳島、高知、長崎は、以前はあったのだけれど、今は現存する蔵が無い。一時期のご当地地ビールブーム…高くて不味い観光土産…の時代が去って、都市近郊でパブも併せ持つような品質にこだわったブルワリーが増えている状況を象徴しているかのようであり。そのうち、また地方にフィードバックされていくと面白いですよね。自分は知ってる、飲んだことのある、ブルワリーが多く、これはもう、都橋のあのお店に感謝、というところです。
その後、あんまり暑いので、銭湯へ…東2丁目にある改良湯でじゃぱん。風呂に入る前あたりから、どうも頭痛がしてきて、外を歩いていてもぼんやりした感じで、なんだろう、熱射病だろうか…。休み休み、また渋谷へ。こんなイベントに参加
教科「情報」の教科書を眺める会 : ATND
自分などは高校のときにはなかった科目『情報』の教科書をみんなで読みながらおしゃべり、という、楽しい会でございました
在華坊(@zaikabou)/2012年07月27日 - Twilog