日毎に敵と懶惰に戦う

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BankART Studio NYK『川俣正 Expand BankART』など

土曜日、朝から冷たい雨のよく降る。昼過ぎまで家で家事など済ませ、寒さに震えながら横浜に出て、ちょっとテストを…受けたんだけれど、心理テストのつもりで受けていたら知能テストだったという…。うーん。出れば雨が上がって気温も上がってきており、一旦帰宅。
自転車で出て、BankART Studio NYKにて、川俣正の展覧会『Expand BankART』に行く
BankART Studio NYK全館で川俣正展「Expand BankART」 - ヨコハマ経済新聞
http://www.bankart1929.com/
http://www.bankart1929.com/news/pdf/kawamata01.pdf
それにしても、いい加減、個別の情報へのパーマリンクも無い超絶使いにくいこのBankARTのサイト、なんとかならんものか。
さて、川俣正の展覧会。既存の街や建物のの空間に架空にして異様な『ケンチクゲンバ』『仮設物』を出現させる川俣正は、『世界的に有名だけど日本だとイマイチ知名度が…』という、一部日本画壇の先生とは正反対の立ち位置のアーティストなわけだけれど、横浜在住の身としては、やはり、磯崎新が決裂して放り出した後、1年遅れで開催された横浜トリエンナーレ2005を引き受けて、会場丸ごと自分の作品にしてしまった人、という印象が強い

あの膨大な作家とさらに膨大な関係者の利害や条件を「とにかく作りましょう」の一言で束ねた(のだろう)結果、国際的アートイベント全体を比喩でもなんでもなく、自らが行ってきた作品の延長にあるような「仮構物の出現」としてしまったのだとしたら、川俣氏という人はほとんど「バケモノ」みたいな存在として立ち現れてくる、という事で、なまじ自分が作り手であるからこそ、そこにはぞっとするような−「国際的アーティスト」なんて分かり易いものではない−異形の存在が感じられる
http://d.hatena.ne.jp/eyck/20051017

横浜トリエンナーレ/サーカスは回転したか(1)
横浜トリエンナーレ/サーカスは回転したか(2)
横浜トリエンナーレ/サーカスは回転したか(3)
横浜トリエンナーレ/サーカスは回転したか(4)
横浜トリエンナーレ/サーカスは回転したか(5)
横浜トリエンナーレ/サーカスは回転したか(6)
私の訪問記はこのへんで
横浜トリエンナーレ2005 - 日毎に敵と懶惰に戦う
戻って、ビュラン・サーカス - 日毎に敵と懶惰に戦う
また横浜トリエンナーレ - 日毎に敵と懶惰に戦う
最終日の横浜トリエンナーレ - 日毎に敵と懶惰に戦う
とにかく、アーティストであると同時に…というか、より以上に、世界中でとんでもないプロジェクトをぶん回す、いわばクリストみたいな存在の川俣正であるけれど、そのプロジェクトが街に異物を…しかもあまり見目麗しくない異物を挿入するがゆえに海外での活躍が多い。そのこれまでの仕事の全貌を俯瞰する展覧会なわけです。
建物の外観からしてこんなことに


建物の外側を覆うのは、大量の運搬用パレット。建物内でも、大量のパレットによって川俣正的空間が造り上げられている

また、会場のすぐ近くに公団の海岸通団地というところがあり、順次解体が進んでいる。
海岸通団地を見に行った - 日毎に敵と懶惰に戦う
海岸通団地再訪 - 日毎に敵と懶惰に戦う
その取り壊した窓枠が持ち込まれ、これまた、建物内外に異様な空間が



海岸通団地にあったときは、こんな感じ

展覧会がはじまった時点では、このようなものは完全に『設営中』であり、会期を通じて造り上げられ、12月8日くらい、川俣さんがパリに再び旅立つ前に、ほぼ現在の形になったようだ。その間の様子も、順を追って、会場内の写真で見ることができるようになっている。消防署の検査の様子の写真とかもあった
この展覧会、1200円のチケットで会期中何度でも入れて、展覧会が出来上がっていく様子をずっと見られるようになっていた。まるで2005年の横トリみたい。今更ながら、会期のはじめごろからちょくちょく訪れていればよかったな、と。さらにさらに、本来なら会期終了後に3000円で販売されるカタログが付いた入場券が2500円と、えらいお得。もちろん、私もカタログ付きを購入。



会場内はこれらばかりではない。国内外でのこれまでのプロジェクトを紹介する映像や資料、写真やらポスターやらがとても充実している。なんだけど、充実しているんだけれど、たとえば映像は音声がフランス語で字幕は英語、展示解説キャプションも英語です、という具合で、日本語しか理解不能な人は映像だけご覧ください、的なことになっている。すごい川俣正っぽい(笑)ぽいのか?よくわからんけれど。どの映像でもチェーンスモーカーな川俣さんが印象的だ


とにかくにも、東京都現代美術館の『通路』以上に生々しく川俣正で、これまでの仕事を(わりと不親切に)俯瞰できる、良い展覧会であった。この場所に現れた異様な空間を体感してほしいと思う。
会場を出るころには夕暮れの時間となり、それから、関内CERTEの本屋、弘明寺の中島館タレルの湯
弘明寺の銭湯、中島館がジェームズ・タレル - 日毎に敵と懶惰に戦う
ほまれや酒舗、華隆餐館、酒房ぴーと徘徊。中区住民らしい休日を過ごしたのだった
在華坊(@zaikabou)/2012年12月22日 - Twilog