日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

ていぱーく、原美術館『ソフィカル‐最後のとき/最初のとき』など

夜勤明けるのが存外遅くなり、帰宅したのが9時半ごろ。待機時間に結構寝ていたから、体調は問題なし…シャワーを浴びて朝飯たべてお出かけ。関内駅でスピード写真を撮影してから、シルクセンターに行き、パスポートの切替申請をする。来月に切れちゃうからね…。一旦切れると、戸籍謄本とったり面倒ですし。
申請を済ませてそのまま歩いて中華街へ。ちょうどお昼、さて何にしよう…と目に留まったのが、獅門酒楼のこれ

ミステリーランチ『魚』って何…。で、12時まわっていたけれどそれほど大混雑でもないお店で注文してみましたが

カレイのマレーシアソースだった。これが、なかなか、コースの一品として出てきても美味い!というような本格的なやつで、食後にデザート(杏仁豆腐、マンゴープリン、紹興酒のゼリー、紹興酒のムースの中からひとつ)までついて650円とは恐れ入る。隣の人が食べてる、豚バラ肉と紋甲イカの五香煮(680円)も、すっごくうまそう…平日の中華街いいなあ、と思ったのでした。
石川町から京浜東北線に乗り、東京駅まで。西村画廊で町田久美の新作展を見る。精力的に描いてますよね。ほんとにあの線と間の取り方は見事だし、小品でいろいろやろうとしてるのも楽しい。それはそうと、ギャラリーのスペース、だいぶ狭くなったよね…。
また歩いて、日本橋から大手町へ、逓信総合博物館へ行く

http://www.teipark.jp/:tite
長年皆様に愛されてきた逓信総合博物館、ていぱーくも、8月31日に、大手町再開発に際して閉館ということに。大手町のど真ん中にこんな古びて閑古鳥の鳴く施設があるだもんなあ…不思議であるよなあ。ほんとうにひとなんか全然いないんですよ、平日の昼間にしても。もともとは郵便の博物館としてスタートし、その後、逓信分野の総合博物館ということで、郵便、NHK、NTT、KDDによる総合博物館になった経緯があるようだ。NHKなんかは、愛宕に独自にあるわけですけれども。
その展示物は3階層にわたって大変充実していて、古い電話の交換機(手動自動各種)とか7桁郵便番号の選別機とか、巨大なものから、ちいさなものまで、いろいろと


電話が繋がる仕組みの解説とか、素直に勉強になったですよ。あと、沖縄本土復帰時の、電話回線の切り替えのドキュメント映像なんてものがあって、これもとても面白かった。皆さん、閉館前までに一度は。110円しかかからないですし。1階の売店の切手30円コーナーで、東近美開館記念とか、国立劇場開場記念とか、首都高開通、東海道新幹線開通、東名完成、あるいは等伯の松林図屏風とか、いろいろ、切手を漁ってしまった。今後使いたい

目の前のサンケイビルにはフーターズのビアガーデンが準備中、明日オープンなのかな、むちむちぷりんなおねーさんが大勢いましたです

丸の内線で新宿へ。 損保ジャパン東郷青児美術館オディロン・ルドン』を見るが…んー…最近、ルドン多いしね…。ボルドー美術館からいろいろ借りてきて差を出そうとはしてるけど、後年の色彩も定まらない感じでなんか微妙で、すると結局黒い、版画のイメージとなり、そうすると岐阜県美のコレクション展という…。いや、色彩の作品にも好きなものはあるんですが。色が氾濫している感じのやつ。で、ゴッホのひまわりとセザンヌがいいねー、と思いつつ退場。
また新宿駅に戻り、埼京線で大崎まで。ゲートシティの脇を抜け、目黒川沿いを通り、神戸製鋼のビルの足元の森を抜けて原美術館へ。品川駅から排気ガスを浴びて歩くよりずっといい

Hara Museum Web
『ソフィカル‐最後のとき/最初のとき』を見る。ソフィ・カルは、以前に原美術館で見た「限局性激痛」以来のファンで

自分の失恋の体験を人に電話で話し、その相手にも悲しい出来事を話してもらう、という行為を毎日繰り返す様子。それを、写真と、お互いが話した内容の刺繍で表現されているのだが、最初は耐えられない悲しみであったはずの自分の失恋体験が、しだいに過去の一体験になっていく。なんというか、他者の不幸ってなんなのだろうか。蜜の味か、カワイソス、という感情の揺れによる自己満足なのか、あるいは他者との同化とか癒しとかそういう類のものなのか。不幸な話を創作してくれ、と言われて、どんなストーリーを思いつくか。それは他人と共有できるだろうか。不幸な話、として客観的に?自分との関わり、主観的な感情として?そんなこんなで、心打たれる
駆け足で - 日毎に敵と懶惰に戦う

今回の作品は、最後のとき、のほうは、失明する直前に、最後に見たイメージを語ってもらい、写真にキャプションをつけたもの。これはいつものソフィ・カルらしい作品。今回、日本語訳は受付で配られた。フランス語のキャプション、その文字の形や配置にどの程度価値を置くか、いつも迷う。最初にみて以来、ソフィ・カルというのはいつもこういう作品を作る人なのかな、と思っていた。
で、最初のとき。これは、海を見たことの無いイスタンブールの人を海に連れて行き、その様子を撮影したもの。キャプションなどは無い。ソフィ・カルって、こういうこともするんだ、と。映像そのものは表情や子供の遊ぶ様子から迫ってくるものがあって良かったんだけど…つまり、ソフィ・カルの作品は、バーバルな部分の比重がものすごく重いイメージだったので、こういうの、どうなんだろう、とも思ったわけですね。
ですが。今日はドキュメンタリーの上映もしており、これは見てとても良かったんだけど、見ることで少しイメージが変わった。ドキュメンタリーの中での自由な彼女の姿を見て、作品は、あくまでも現れてくる部分がバーバルに寄っているだけなのであり、体験、見て感じた聞いた出会ったこと、それらが作品として表現されていることに変わりはないのだ、と。だからこういうのもいいな、と思ったわけです。いずれにしても、ソフィ・カル、好きです。
長い日もすっかり暮れて19時過ぎ、カフェで

イメージケーキをいただきまして

ぶらりぶらりと品川駅まで歩き、混雑している東海道線に乗って帰宅。本日の晩飯は、だいぶ前に長岡で買った蕎麦を茹でて納豆、カイワレ、キムチ、ミョウガをいれまして。あとはトマトとスーパーの閉店間際半額ブリ刺身。ゆるゆるとすごす夜
在華坊(@zaikabou)/2013年06月12日 - Twilog