日毎に敵と懶惰に戦う

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山種美術館『川合玉堂−日本のふるさと・日本のこころ−』

山種美術館で8月4日まで開催されている、川合玉堂展のブロガー内覧会に参加してきました
日本画の専門美術館 山種美術館(Yamatane Museum of Art)


最近でこそ日本画もわりと見るようになったものの、元々、現代美術系から美術に興味を持った自分としては、琳派とか水墨画なんかは興味があっても、特に近代、文展帝展系の日本がはあんまり興味がない、ぶっちゃけあんまりよいイメージを持ってなかったんですわね。その中でも大観とか土牛、観山あたりはほおっ、ってものがあったんだけれど、川合玉堂なんかは有名だけど、うーん…みたいな典型で

『早乙女』こういう感じの、何がいいんだろうなあ…。みたいな。なんだけれど、いままで見ていた川合玉堂、いわゆる、日本のふるさとっ!的なのは主に後年のもののようで、若いころはいろんな画風に取り組んでた人なんですね。

今回、山崎館長のお話をうかがいながら見ることができたんだけれど、例えばこんな、尾形光琳を強く意識した琳派な作品もあるし

岐阜で産まれて京都で円山四条派などに学び、その後東京に出て橋元雅邦に学ぶんですが、琳派的な構図、狩野派のような描きぶり、写生…などなど、若いうちから筆を握り、勉強熱心にいろんなが画風を学んでいる。最初に展示されている初期の名作、『鵜飼』も、いろんな作風の集合を見ることができる

今回の中で白眉だったのが、国立近代美術館の所蔵品なんですが、『二日月』という作品

夕暮れの家路を急ぐ風景が、前景の岩の表現、後景の暮れなずみ溶け込んでいく山並み…などなど、実に見事で、ほおっ、と感心するのであります。そうそう、玉堂はこういう水、雨、霧、溶け込んでいくような描写筆致が見事で、これどうやって描いてるんだろう?と興味深くみておりました



初期の作品から技法なんかに注目しながら見ていくと、後年の、自然を描いた…その、以前だったらあまり興味がわかなかったような作品にも、興味がつながっていくのでした。その他、個人蔵でこの展覧会で久しぶりにおみみえした、朝鮮にわたって描いた作品『柳蔭閑話図』とか

唯一の戦争画と言われる『荒海』が波の表現が、なんだか異様だ

満州の親戚に子供の誕生を知らせる手紙とか

面白いものがいろいろ見れたであります。7月9日からは展示替えで『小松内府図』こんなのもあるんだ、というような歴史画も出るとか。そうそう、玉堂、風景の中に点景で描かれる人物がなんだかかわいい…。今回、接写してもよいとのことで、いろいろパシャパシャ




スケートしたり、自転車に乗っている人も…


あと、動物もけっこうかわいい



うさぎは、和紙の毛羽立ちがウサギの毛みたいで、ふわっふわしていた

このうさぎをイメージした和菓子もいただいたりしたのでした。かわいくてもったいない…

大観、玉堂、栖鳳が描いた松竹梅は、それぞれの作風がいかにもに出ていて面白いなあ

今回の川合玉堂展、深い親交があった山崎種二が

蒐集した、山種美術館のコレクション全71点のほか、東京国立近代美術館、玉堂美術館、個人蔵などのものも含めて、東京では30年ぶりの本格的川合玉堂展となっております。日本画が苦手な方も、いろいろ発見があるかもしれません、この機会に
6月30日にはNHK日曜美術館本編で紹介されるそうですが、なんと、ゲストが松井冬子(!)さんだそうですぞ…