日毎に敵と懶惰に戦う

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東京国立博物館『京都―洛中洛外図と障壁画の美』、西洋美術館『ミケランジェロ展』

月曜日、連休最終日。昨日の自転車の疲れもあまり無く、洗濯物を干して朝飯にうどんを食べて10時前にお出かけ、東京まで。日本橋の『つじ半』という店へ
つじ半 - 日本橋/海鮮丼 [食べログ]
こぎれいな小料理屋、という店なんだけど、出してるのは丼のみ。開店の10分前に並んだら開店と同時に入れて、梅980円から特上2800円まであるなかで竹を注文。魚介たっぷり五目の具材がごはんに山盛りで乗っかってくるのを崩していただけば、ああ、こりゃうまい…。締めに鯛だしを貰って、ごはんもちょっと追加してもらって、別添えの鯛とマグロの刺身を乗せてお茶漬け風に。これまた美味い!幸せなお店であります…平日の昼とかは、さぞ混んでいることでありましょう。
ワンコイン的食べ歩き生活。 : 日本橋・つじ半。海鮮まぜこぜピラミッド「ぜいたく丼」
東京駅のドトールで珈琲飲んで、連休最終日で込み合う東京駅をちょっとぶらぶらしてから、上野へ。ここも人が大勢の上野公園を抜けて、国立博物館に向かう。本日のお目当てはこれ『京都―洛中洛外図と障壁画の美』
東京国立博物館 - 展示 日本の考古・特別展(平成館) 日本テレビ開局60年 特別展「京都―洛中洛外図と障壁画の美」
会場入ろうとすると、配られている展示物の一覧の紙がA4ペラ紙一枚で、えっこれだけなの?と思うあたりから、なんか普通の展覧会とちょっと趣が異なる。
東京国立博物館 - 展示 日本の考古・特別展(平成館) 日本テレビ開局60年 特別展「京都―洛中洛外図と障壁画の美」 作品リスト
洛中洛外図舟木本の4K映像がお出迎えし、その後に舟木本、上杉本、歴博乙本、勝興寺本がずらりと。歴博甲本、福岡市博本、池田本は後期入れ替え展示だけれど、これも見やすいパネルを展示。細かい絵を実物じっくり見るのもいいんだけど、確かに冒頭の映像は非常に高精細で見やすくて…。展覧会に入ってあの映像だけあって実物無かったら、なにこれ?、なんですけど、実物があった上であの映像だと、鑑賞の質が何倍にも上がる感じがする。
ハイビジョン、4K、8Kと画質が上がっても細かくなるだけだろ…という見方もあるでしょうけど。画質が上がるだけじゃなくて、どっかでブレークスルー的な質的変化が起きるんじゃないか、とも思うんですよね。ハイビジョンじゃちょっと足りなかった感じが、4Kになって見えてきたものがあるような。
続く、京都御所の賢聖障子絵は耳がぴょこん、ぴょこん、群仙図襖はちょっと痛みが激しいですね…。なんて見て行って、第二会場へ。
この第二会場の冒頭に迎える映像が凄い。龍安寺の石庭を撮影した映像。プロジェクター投影の4K映像を横に3つ並べて、のりしろ除いて全部で10K、全長16mに渡る超美麗映像で、石庭の四季の移り変わりを短い時間にぎゅっと詰め込んでいる。紅葉、雪、桜、雨、蝉の鳴き声、風、そしてまた紅葉…釘付けになってしまった。これは凄いわ…。
遊行七恵の日々是遊行 京都 洛中洛外図と障壁画の美 その2 龍安寺の映像
この映像の空間を抜けると、龍安寺の襖絵。全部で71面あったものが、廃仏毀釈で所有者が移り、戦前に一度お披露目されたものの、その後散逸。現在存在が確認されているのは、メトロポリタン美術館の8面、シアトル美術館の4面、そして海外からの仲介で龍安寺が買い戻した6面のみ。海外に渡ったぶんしか無事に残っていないなんてね…。この18面が全部展示されています。
で、龍安寺の襖絵も見事なんですが、なんといっても圧巻は、これに続く、二条城二の丸御殿黒書院の全69面の障壁画と、二の丸御殿大広間の松鷹図15面。天井の高い空間いっぱいに、実際の黒書院や大広間と同じ配置でならぶ障壁画、これに囲まれる空間の凄さといったら…。
そしてこれで、あの広い、東京国立博物館の企画展の展示室をすべて使い切っているのです。細かい展示物が無く、超重量級の作品と映像がどーん、でーん、と並ぶ。普通の展覧会のイメージとはちょっと違う、すごくエンターテイメントなテーマパーク的なノリで、うおー、すげー、って言いながら見て、しかして展示されてるものは本物の国宝重文、京都に行ったから見れるというものではないわけで…。いや、ちょっとびっくりしましたこの展覧会は。
詳しくは、いつもお世話になってるとらさんのブログなども是非お読みください
京都 洛中洛外図と障壁画の美 @東京国立博物館 : Art & Bell by Tora
図録も是非購入したほうがいい。現地で実物見たら、これは買わなきゃ!と思うはずです。
さて、すっかり満足して、あんまり疲れなかったからこれは梯子できそうだぞ!と、国立西洋美術館へ。『システィーナ礼拝堂500年祭記念 ミケランジェロ展―天才の軌跡』を見たわけですが
システィーナ礼拝堂500年祭記念 ミケランジェロ展―天才の軌跡|過去の展覧会|国立西洋美術館
あー、うーん、ミケランジェロの作品をそんなに持ってこれるはずは無いしね…。システィーナ礼拝堂の4K映像、綺麗でした…。レリーフが1点と、晩年の木像と、素描とか手紙はたくさんあったです。(なお、この日は見なかったのだけれど、常設のほうが相当以前と変更されていて、見ものであるらしい。行かねば)
みはしであんみつ食べて、ヤマシロヤを覗いたりして、帰宅したのでした。
在華坊(@zaikabou)/2013年10月14日 - Twilog