日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

宮川香山 眞葛ミュージアム、オペラシティアートギャラリー『さわひらき』

土曜日、平日の疲れが残っており、午前中はふとんの中で過ごしたり、朝飯食ったり。1時過ぎにようやく出掛けて横浜駅、前から来ようと思っていたこちらへ

宮川香山 眞葛ミュージアム
土日のみオープン、横浜駅から存外近い徒歩8分の美術館。こじんまりだけれど解説や陳列もきちんとしていて、初期から遺作まで100点近くぎっしりで見応えはある。お菓子の三陽物産が運営してるのね。
宮川香山というと蟹が這うような装飾性の強い焼き物のイメージが強く、ミュージアムにも凄い細工の逸品が並んでいるけど、これはごく初期。数々の釉薬を開発し、釉下彩という、透明の釉薬をかけて下の色や模様を浮き立たす技法の柔らかい色彩の美しさ。非常に状態も良い優品を沢山見られました。野々村仁清尾形乾山の写しも生涯作っていたそうで、これも優れた出来のもので。ミュージアムにはごく狭いけれど畳のスペースもあり、座ってゆっくり鑑賞できたりもしました。
宮川香山、京都の真葛ヶ原のやきものの家のうまれで、そこで頭角を現し、薩摩の商人に請われて横浜に移り、1871年に横浜の太田村に開窯して、爾来、海外の博覧会で大ウケするんですが、装飾性の強いものから優美なものへの転換は、海外で受けるものの変化への対応もあったようですね。横浜大空襲で眞葛焼は壊滅的な被害を受けて(三代目も空襲で死去)歴史を閉じたそうですな。横浜に来たときはやきものに向いた土を探すのに苦労して、伊豆天城や秦野のものを探し出した、なんで話も。ただ、ここのミュージアム、鳥の鳴き声をBGMで流しとくのはなんか安っぽいな…と。
横浜から電車に乗って新宿、乗り換えて初台。次の目的はこちら

さわ ひらき|Hiraki Sawa|東京オペラシティアートギャラリー
オペラシティアートギャラリー『さわひらき Under the Box, Beyond the Bounds』
大好きな現役作家の作品の変遷を、リアルタイムで追い、楽しめる幸せを噛みしめていた。そっと覗き込んで囁きを聴くような幻想的な雰囲気の作品から、こんな展開を見せてくれるとは。まず導入部のミニチュアとドローイングからして世界に惹き込まれるし、通路で展開される小品は素敵だし、主に過去の作品が点在する空間の構成にも惚れるし、どのインスタレーションもじっくり座って対峙して、夢か現か幻か…何時迄もたゆたう、そんな感じ。幸せ
私にとって、さわひらきや石田尚志の映像作品が流れる薄暗い空間でうつらうつらと眠りに落ちて、水底から水面にゆっくり浮上するようにぼんやり目覚めた視覚と脳みそに、再び作品が溶け込んでくる、それはとてもとても幸せな時間で、つまり今回のさわひらきの展覧会も、とても幸せだったのですよ
さわひらきの作品を最初に見たのは何時だったかなあ。2007年にBankARTで見た、ボルタンスキー発案の『日仏現代美術交流展』?もっと以前だったような気もするが…
BankART『日仏現代美術交流展』 - 日毎に敵と懶惰に戦う
とにかくそれからは、アーティストファイルで度肝を抜かれ
国立新美術館『ARTIST FILE 2008』現代の作家たち - 日毎に敵と懶惰に戦う
神奈川県民ホールでも幸せな時間を過ごし
神奈川県民ホールギャラリー『さわひらき Whiri』 - 日毎に敵と懶惰に戦う
私の大好きな作家なのです。これからも素敵な作品をたくさん見せてほしい。オペラシティアートギャラリーの収蔵品展『絵の中の動物たち』も、びっくりするぐらい良かったことを付け加えておきたい。あそこの収蔵品は大地主でコレクターの寺田小太郎氏寄贈によるものですが、毎回の収蔵品展を見ていても、ほんとに良いコレクションしてるよなあ、と。
ギャラリーを出て新宿へ、ちょっとBERGで一休み

その後、伊勢丹紀伊国屋やその他いろいろ巡り、カリモク60のshopで涎を垂らし、高島屋の上の食堂でとんかつを食べて帰ったのでありました
在華坊(@zaikabou)/2014年01月18日 - Twilog