日毎に敵と懶惰に戦う

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70年目の終戦記念日、『原爆の図』丸木美術館へ

前々から行こうと思っていた、原爆の図丸木美術館に行ってきた。

原爆の図丸木美術館 / Maruki Gallery For The Hiroshima Panels
池袋から東武東上線で小一時間の森林公園から、さらにレンタサイクルで20分弱


なかなか難儀な場所にある美術館である。丸木位里丸木俊夫妻が広島で見た惨状を描いた、かの有名な『原爆の図』を飾る美術館は、自然豊かな都幾川のほとりにある


『原爆の図』は、ご存じの方もいらっしゃると思うが、この夏はアメリカを巡回中となっている。


だか、これは全15部のうち6点であり、3〜9、11部の8点は今でも丸木美術館で見られる。また、長崎の原爆を描いた図や、大阪人権博物館所蔵の被差別部落の被曝を描いたなど、全国から丸木夫妻の描いた、普段はなかなか見られない絵が一堂に会している、貴重な機会となっている。
丸木夫妻というと原爆の図がいちばん知られていると思うのだが、私は以前、東京国立近代美術館日本画の前衛』で見た丸木位里の絵の前衛ぶりに驚かされたことがある。
東京国立近代美術館『「日本画」の前衛 1938-1949』 - 日毎に敵と懶惰に戦う
原爆の図も極めてパワフルエモーショナルであると同時に、墨一色と印象的な色を用いたスタイリッシュな表現も目を惹くのだった。
8点の原爆の図がずらりと並ぶ2階の部屋には、冷房が無く、扇風機だけが廻っている。外から聞こえてくる蝉の声と、扇風機の廻る音だけが聴こえてくる。汗をぬぐいながら、肝が冷えるような原爆の図とじっと見る。
丸木美術館は想像よりずっと広く、原爆の図のうちの8点と、全国から集まった『知られざる原爆の図』以外にも、三里塚反原発運動、水俣アウシュビッツ南京大虐殺を描いた大作も大迫力であったし、アトリエも見ることが出来る


また、丸木美術館では福島菊次郎の写真展(原爆と広島に関連したもの、祝島の上関原発反対運動など)、光州事件でも情宣活動に活躍した韓国の『民衆美術』を代表する画家、洪成潭の連作『靖国の迷妄』の展覧会も開かれ、表紙になって対談が掲載された週刊金曜日などが置かれていたのだった。
丸木美術館の休憩室には原爆関係の各種資料が充実していたほか、原発再稼働に反対する署名、狭山事件の再審請求署名、安保法制に反対する署名、憲法9条ノーベル平和賞を求める署名、その他、ありとあらゆるそれらしき署名がたくさん置かれており、結構な数の署名がなされておるのであった。

丸木美術館の外では『はだしのゲン』の紙芝居をやる有志のおじいちゃんがいたり

隣接する『野木庵』では、べ平連で活躍したという詩人、83歳の長谷川修児さんと仲間達による非戦非核詩朗読会も開催される、終戦記念日なのだった。
イベントもあってかそれなりに人が来ているのだったけれど、中学生くらいの揃いの制服の女子も何人かおり、学校の課題で勉強に来てるのかなぁ…と思いつつ、もしや、と思ったら案の定。さっきの長谷川修児さんのパフォーマンスの前にコンサートをする、制服向上委員会の皆さんでありました。
そんな、70年目の終戦記念日の、丸木美術館