金曜日、いちおう、本日もお休み…なんですが、ちょっと処理しておく必要の業務があり、午前中は出勤。午後から動いて、上野へ。まずは西洋美術館で『カラヴァッジョ展』を見る
日伊国交樹立150周年関係でいろいろ展覧会も行われていますが、やはり一番の目玉なんじゃないでしょうか。会場は存外空いており、確かに人はそれなりにいるんだけれど、どの作品も大きいし、作品の前に立ち止まってじっくり見られる感じ。
全51作品のうち、カラヴァッジョ本人の作品は11点なんですが、そもそも世界中に60数点しかないので展覧会としてはよく集めたり、ですね。カラヴァッジョの作品は、とにかく、”劇的”のひとこと。そしてつややか。目の前にすると衝撃を受ける。『法悦のマグダラのマリア』も、『バッカス』も、みな堪能。影響を受けたカラバッジョスキたちの作品も、よいものが揃っておりました。
カラヴァッジョ展については、かるびさんがとてもわかりやすい記事を書いてたから、そっちも読んでね!
こないだのボッティチェリも良かったよね
西洋美術館は一旦出て、国立科学博物館へ。リニューアルして以来、きちんと見ていなかったので。パスポートも持っているしな
科学博物館、きちんと見ようと思うととにかく広いので、上野の美術館に来たついでに1フロアだけ…みたいな使い方をしたい。そうすると、リピーターズパスは便利なんですよね。1階の導入展示と、地球館3階の動物のはく製など見ていました
日本館の1階の、地震計の歴史などもじっくり観察し、出まして。その後、東京都美術館へ。若冲展は、小雨も降りだしたのに、90分待ち…
たいへんですね…。この日は夜間開館があって、18時前にも100分待ちとかだったらしく、17時半の段階で30分待たなかった先週に見ておいて良かったなー、と思いました。
んで、私は別に行列を冷やかしに来たわけでなく、こちらが目的です
絵画、工芸、版画、彫刻・立体の、全27公募団体から選抜された全163作品が一堂に見られる展覧会。団体ごとのカラーの違いを観察するのが楽しいです。
日本美術院、日展、光風会、日本水彩画会、二科会、国画会、春陽会、白日会、独立美術協会、東光会、旺玄会、新制作協会、一水会、自由美術協会、美術文化協会、水彩連盟、創元会、行動美術協会、二紀会、示現会、創画会、モダンアート協会、一陽会、主体美術協会、日洋会、日本版画協会、日本彫刻会
以上、公募団体ベストセレクションに出展している全27団体。各団体の紹介文を読むと、だいたいは、新宗教みたいにどこかの団体を元に分裂結成されているので、ついでに、 全体の系図も展示されていると楽しいな、と思いました。若冲展のチケットがあれば無料で入れます。
ちなみに、私の好みは、独立美術協会と二紀会。あとは、二科会、行動美術協会(絵画、彫刻・立体とも)、創画会あたりも良かったです。ほんと、公募団体といっても、傾向はいろいろだな、というのが見られて楽しかったです。
公募展なんて…って人も多いと思うけど、日本の美術において公募団体はいろんな意味で主要なプレーヤーであることは確かだし、中には面白い作品もあるし、いろいろ見ると楽しいですよ
美術館を出て、次は東京国立博物館…は、黒田清輝もこないだ見たし
常設展も先日しっかり見たばかりなので
この時に見た、黄金のアフガニスタン展に、平山郁夫が中心になって流出文化財を保護する活動をしている、という話があってですね。今後、アフガニスタンに返還される流出文化財が一堂に展示されている東京藝術大学の陳列館へ
流出文化財の数々や
バーミヤンの仏像がある窟の天井に描かれていた、壁画の復元プロジェクトなど
見ていました。平山郁夫は、ほんと、文化財保護の活動は素晴らしいですよね…。ついでに、目の前の東京藝術大学美術館で、春のコレクション展も
おなじみの鮭もありましたが、見ものは、国宝『絵因果経』と重要文化財『浄瑠璃寺吉祥天厨子絵』絵巻物をじっくり。特集展示として、60~70年代の作品展示もしていたけれど、これはあまり惹かれるものは…。榎倉康二って52で亡くなっているんですね、早世だな…。
藝大美術館のカフェに、藝大でこういうイラストで大丈夫なのか、というサンドイッチが
その後、西洋美術館に戻って、常設展をじっくり。とりあえず連休中に上野は制覇したぞ、という感じです。その後、電車を乗り継いで、ちょっと寄り道して
帰宅しました。