四谷三丁目で、最高のパフェとお料理とお酒
土曜日、やや二日酔いの頭をかかえつつ家で家事を済ませていたら、荷物が届く。どーん
横浜美術館で、今年のはじめにあった展覧会『村上隆のスーパーフラットコレクション』
村上隆が持つ膨大なコレクションの一端を展示したすごい展覧会の図録も、またすごいことになっていた。本来は展覧会の最初に作られるはずの図録は、村上隆の厳しい要求のもと、どんどん発刊が伸びる伸びる。会期途中のはずが会期終了後となり、図録も予約販売という形に。
3200円+消費税を払って予約をしたものの、さらに発刊は6月、そして9月…とずんずん伸びてくる。その間にも、制作している鈴木芳雄さんや、藤原えみりさんのつぶやきなどから、村上隆が厳しいことを言ってるな!というのが伝わってくる。
そしてついに届いた図録は、この厚みよ
3,200円のはずだった定価は、10,000円になっていた。予約販売分の赤字補てんは村上隆自身がしたという。これからゆっくり読ませていただきますが、歴史的な図録になったかもしれません、待った甲斐がありました。お疲れさまででした。
13時過ぎにゆっくり出掛けて、四谷三丁目へ。ひさしぶりに、フルーツパーラーフクナガへ。季節のパフェはぶどうですよ
巨峰、ピオーネ、安芸クィーン、シャインマスカット、ナガノパープル…がまとめて上に乗っかっている。そしてシャーベットも葡萄をガッツリ使った自家製、下の方にもピオーネが詰め詰め。濃厚な甘味が変化しながらやってくる、の連続に、お口の中が多幸空間に…幸せ…。はぁ、また来よう。
千疋屋とか資生堂とか言ったら、いくら取られるかわからん。1,100円は格安ですよ、これで。
夜に向けての腹ごなしお散歩で、四谷から迎賓館前を抜けて、ホテルニューオータニの中を抜けて、元赤プリのビルにエリックサウスがあるのだなあ、と確認し、赤坂見附を通って、赤坂へ
ここに『赤坂小布施堂』というところがありまして、桜井甘精堂特製のモンブランが食べられる…そうなんですが、残念ながら本日は売り切れ。でも、山屋天平堂の杏ぐらっせがあるのを確認、購入。これ美味いんだよね。
店内のカフェはなかなか良い雰囲気、スクエアワンの瓶も並んでいたよ
またモンブラン、栗パフェを食べに来ましょう…というか、小布施に久しぶりに行きたいなあ
その後、まだ夕飯には少し時間があるので、乃木坂方面に歩き、サントリー美術館を再訪。なにしろ展示替えがたくさんあるから!と思ったんだけれど、まだ会期当初から3点しか変わっていなかった。大幅に変わるのは来週水曜日からですね
でも、小さくてかわいい掛け軸など、改めて堪能したので良かったのです。また再来週くらいに来ましょう。パスポートあるから何度でも来られるよ。
少し遅れてしまって、また四谷三丁目に移動。本日はですね、Twitterでの告知を見て、そして行こう!と思った時には予約が埋まっていたんですが、その後予約が空いて埋めてもらいまして、こういう会にやってまいりました。
『王祿 冷蔵熟成とお料理の会』10種類料理に、王祿の熟成酒が10種類出てくるという。いやまあ、こういうのとは知らず、王碌の自家熟成を開けるよー、という話だけでやってきたんですが、こんな素敵な会であるとは。
まずは1品目、無花果に島ザラメ、シェリー
お料理の名前は、特に調理法など紙に書いて無くて素材を列挙しただけなんだけれど、それぞれに工夫した素敵な内容でございまして。無花果のふわっとした甘味が素晴らしく、ザラメとシェリーが引き立てる。
合わせるお酒は王碌の純米吟醸直汲無濾過生原酒24BY。以降、すべて王碌なので、いちいち王碌とは言わないけれど。酸味も程よい、複雑な味わいでございます…
二品目、大きな生牡蠣に青首鴨、そこに柿ソースとランプフィッシュキャビアがかかっている。
この牡蠣もいいんですが、鴨がまた、肉と脂身の濃厚な旨味で、それに添えられた柿のソースが引き立てまして…。フルーツの使い方がいちいち憎い
20BYの80%精米、山田錦の無濾過直汲が、これまた濃厚な味で、濃厚な味同士があうあう。あうあうあう。
この調子でどんどん続くんじゃよ…。どんどん来ますよお、次は戻り鰹
下に敷かれているのは大根おろしじゃありませんよ、梨をすりおろしてみぞれにしたもの。そこにビネガーとマスタード。鰹のふっくらした味がますます味わい深く。
お酒は2種類出てきた!このあたりの世代になって、ようやく見覚えのあるボトルだ。、21BYと、22BYの、無濾過直汲、どっちも80%精米
1年違いだけれど、甘味の21BYと酸味の22BY、印象が全然異なるのね!面白いなあ。美味いなあ。
四品目は秋刀魚に茄子。茄子を秋刀魚で巻いて、炭火で炙ったものに、鬼灯が添えられている。この秋刀魚と茄子のふっくら豊かな味。なんだか口の中が飽和してきたころに、鬼灯のさわやかさが素晴らしい。
丈径直汲純米は、20BYのもの。するする飲めちゃう危険なやつ。そこに、お客さんが持ってきたという26BYの同じものが加わって、またしても飲み比べ。うふふふ。
まだまだ続きます。五品目、炙った穴子にピオーネ、海老をアーモンドでコーティングして揚げて。この穴子が素晴らしくてですね、ふくよかな穴子に少し強めに効いた塩味に、ピオーネの甘味がほんのり合わさってですね
お酒は16BY純米長期熟成生原酒、このあたりから本格的に熟成味が出て来まして、どれもこれも限定200本くらいの出荷品ばかりで、なんか口に運ぶのが勿体ない、でも美味い、勿体ない、美味い、みたいな
六品目、ようやく折り返し。鮑にプロシュート、黄金桃。小ぶりだけどギュッと詰まった旨味の鮑に、プロシュートもいいやつだねー。黄金桃の甘味が加わって、クレソンがさわやかで
王祿は、16BYの相伝木桶仕込み、無濾過生原酒を。木桶の香りもする、ふかーい味わい
後ろのラベルもちょっと載せておきましょうか。これは限定255本だそうです。どうやって手に入れてるんでしょう、いちいち
七品目。薩摩鶏に、バジルソース。そこに、ここまではすべて冷蔵熟成でしたが、これだけ常温熟成した17BY原酒純米吟醸。はあ、幸せ。もう、幸せ、という言葉しか出てきません
八品目、山羊乳、シェーブル、黒すぐり。そこに、2007BY、純米大吟醸、舟しぼり。35%。もう、ほんと、贅沢。ぜいたくだ…ぜいたくだ…。チーズもミルクも濃厚、そこに黒すぐりの甘味
九品目に、これはお酒を合わせずに蛸とごぼうのご飯が出てまいりまして
最後、十品目に、チョコレートに、スパイス、生姜。甘くて、濃くて、生姜とスパイスが素敵なアクセントになって
お酒は、なんと、1992BY(!)の封印酒、大吟醸であります。24年前だよ。
これも、甘くて、濃くて…ふわぁぁぁ…。
幸せな余韻に陶然としてしばらく浸っていたのでした。また来よう。また来よう。最高の日本酒の日になりました。ゆっくり食べて飲んで水もたっぷり飲んだので、4合以上は飲んだけれど、心地よいほろ酔い加減のみ。いい、酒でした。そして素晴らしい料理でした。