日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

スノーシューで美人林、農舞台の里山ビュッフェ、「渋い」カフェ、松之山温泉

三省ハイツのドミトリーの寝室で目覚めて6時半、お天気は曇り。夜半に少し雪になったらしく、屋根にうっすらと雪が見えるけれど、じきにそれも溶けてしまいそう。

顔を洗って着替えて7時に朝食。

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あさごはんも、おかずがいちいち美味い。具沢山の炒め物がばかに美味い。切り干し大根に打ち豆が入っているのも良い。しょうゆの実がまた良い…

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昨日とは別の厨房のおかあさんに、料理の仕方などを聞いてしまった。

三省ハウスは、JR東日本の車内誌、トランヴェールの2014年4月号に紹介されており、食堂に置いてあるそれを見たら、夕べのお母さんも今朝のおかあさんも、どちらも写真に出ていた。

出掛けの支度をして、フロントの売店を覗いていたら、地元のおかあさんたちが作っているという鳥のこけしが沢山並んでいて、1つ840円と安い、出来もとてもよい!

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けれど、この形のものを壊さずに持って帰れる自信が無いので、断念したのでした…。松之山の温泉宿でも、台座つきで売っていたな。

鳥は買わなかったけれど、この宿でも出している地元の棚田米のコシヒカリが2kg1300円で買えたので、これは喜んでもって帰るのだ。しょうゆの実も、180g300円。どちらも、お宿で使っているものをその場で測って売ってくれるので、こんなに信用できるものはありません。

さて、今回の宿泊、1泊2食に、まつだい駅送迎、さらに松之山温泉ナステビュウの入浴券がついて6,600円というお得なセットなので、このあとまつだい駅まで車で送ってもらうこともできるのだけれど。朝のうちにまつだいまで出てしまっても、今夜の宿のまつだい駅お迎え時間は15:15。それまで時間を持て余す。なので、まずは歩いてキョロロに向かうことにしよう。距離がそれなりにあるけど大丈夫?と聴かれたけれど、今年の夏はキョロロから三省ハウスまで歩いているから距離は問題ない 

問題は雪があった場合であり、本来は三省ハウスからキョロロに最短距離で向かう道は、冬は通行止めになっている。しかし冬季通行止めとは即ち、除雪しません宣言であって、バリケードがしてあるわけではないのです。松之山のスキー場のオープンも延期になるこの雪の少なさなら、通る分にも問題が無いでしょう、と三省ハウスのおじさんも言いますから、歩いて言ってみましょう。

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8時30分出発、三省の集落の中を国道まで降りて、松之山の中心方面にしばらく歩くとなめこ工場が見えてくる。これを左折して、分かれ道を美人林・キョロロ方面へ。

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たしかに路面に少し雪はあるけれど、車の轍部分は雪が消えているので問題ない。カバーで覆われた作品を見ながら歩けば

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特に困難も無く、三省ハウスからのんびり徒歩45分で森の学校キョロロに到着する。

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ちょうど、タクシーで到着した人や、松之山の温泉から到着した人が数名いて、スノーシューを借りるだけだと500円、入館料500円を払うとスノーシューは追加で100円です、などと案内されている。そういえばスノーシュー貸してくれるってWebページで読んだなあ。

http://kyororo.daizinger.jp/?p=2389

もともと予定が無かったけれど急遽レンタル。長靴に、靴カバーに、スノーシューを借りて美人林を散策。

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もう少し雪があったほうがきれいだっただろうけれど、雪の林の中を歩くのは楽しい。空を見上げると、けっこう、不気味だけどな。

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それにしても、季節によってこんなに雰囲気が変わるのか、と。まだ雪が残る中に新緑が芽生える春先が評判が良いらしいけれど、それ以外の季節にもまた来てみたいと思ったのでした。

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キョロロに戻る途中、ガイドさんに引率された皆さんとすれ違い。あとで松之山の宿にある案内で知ったのだけれど、松之山の温泉宿などが合同で観光会社を作っていて、そこでいろいろなツアーを企画していると。

その中に、ガイド付きスノーシューツアーを組み合わせた企画があるそうな。宿の車で温泉、駅への送迎もしてくれるみたい。

松之山温泉合同会社 まんま − 冬の美人林スノーシュー

他にも山菜取りツアーとかいろいろあって楽しそうですね。スノーシューを返却したあとは、キョロロで米に関する展示を見たり、カエルを見たり

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展望台に登ったり、などしておりました。

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さて、まつだいに向かいましょう。

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三省ハウスから来た道を途中まで引き返し20分ちょっと。

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国道に出るとすぐに、堺松のバス停がある。まつだいと松之山を結ぶバスは、1日7往復。わりとあるほうかな

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ここから11時11分の十日町行に乗って、まつだいに向かいましょう。人はほぼ、乗っておりません。バス代は360円、こういう地方のバスにしては、安いよね

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まつだい駅の構内を潜り抜けて、はじめてやってきました、雪囲いがされた冬の草間彌生と、冬の農舞台

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大地の芸術祭の里は、冬になると、雪に備えて、多くの屋外作品が撤去されている。毎年、大きな作品を撤去設置しないといけないので、これがまたお金がかかる要因なのだよね。あんまり雪が多いと、空き家作品の空き家そのものが潰れたりする。農舞台のピロティには、片付けられた見覚えのある作品が並んでいた 

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さて、時間もちょうどお昼。農舞台にきたからには、やはり、里山食堂の里山ビュッフェをいただかなければいけませんね!

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夏場は、ちょうど昼ごろだと満員になっていることもある里山食堂、やはり冬は空いている。冬場は人が少ないのも良い…。里山ビュッフェは、地元の食材を使った料理を20種類以上楽しめて1500円、この『地元の食材を使った料理』がヒト手間フタ手間かかっていて、ハッとするような美味しさなのですよ、どれもこれも

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今回は、クレソンとカラフル大根に野菜味噌をつけるのと、豚肉白菜の甘酢炒めが、びっくりするほど美味かった

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いろいろとってならべまして

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根菜のピクルスはごぼうがとにかく美味いし、手作りのこんにゃくも良いし、鶏からあげも良いし、大根の紫蘇漬けもいいし、冷しゃぶは豚肉も野菜も甘いし、黒豆もあるし、糸瓜の漬物はほろほろ口の中でほどけて不思議だし、ヤーコンの天ぷらもあげたてだし、豚肉とひよこ豆のカレーも、とにかく全部美味い。そこに、棚田の美味しいお米や、大根飯や、玄米スープも、うまい…しあわせ…

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季節ごとに作られる「食こよみ」も素敵なデザインで、裏面には食材や料理の説明が詳細に載っていて、これは貰っとかないと損でありますよ。

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食後には、セットで300円のレモンジンジャーをいただきまして、これがものすごい生姜具合で、大層美味しいのでした。

のんびりごはんを食べてから、ギャラリー企画展のサカキトモコ麦わら彫刻展「苞と種子と」を見る。

フィンランドのヒンメリからヒントを得た、ライ麦の麦藁と、この地の特産である「苧」の糸によって作られた繊細な造詣が、とにかく美しかった。ちょっと息をすると動き出してこわいくらい。

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そして、目の前のまつだい郷土資料館で、いろんなお話をきいたり、屋根裏を見せてもらったり

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大層立派な農家の建築なので、さぞかし土地の名士が住んでいたのでしょうね…みたいな話をふったら、何か勘違いされたのか、建物を移築するのに3億円かかって、という話を聞きまして、3億円…大変ですね。

お宿に向かうまでにはまだ時間があるので、まつだいの商店街に向かい、かつては旅館だった(そして何度か泊まったことのある)建物を改築したカフェになっている『渋い』へ

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このカフェの2階は、ドイツ人カールベンクス氏の設計事務所になっていまして、この建物自体を手掛けたのもカールベンクスさん。この方、日本中、あちこちの古民家再生をやっているのですね。建物の中も素敵空間

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わんこがストーブの前で、気持ち良さそうに寝ている。ショールーム的な意味も兼ねてか、ドイツ製のストーブもたくさんある店内

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美味しいコーヒーと、自家製のシュトレンをいただきましたが、食事も充実していて美味しそうな店であった。翌日、お昼を食べに来たら、予約でいっぱいで残念でしたが

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ワインも充実して、メインで置いているのが小布施ワイナリーのワインだ!小布施ワイナリーの社長?の自宅もカールベンクスさんが手掛けたらしく、そのご縁であるとか。お店のお姉さんと、小布施ワイナリーの日本酒美味しいですよね!なかなか手に入らないですけどね!みたいな話で盛り上がったのです。

さて、そろそろ良い時間。いったん、農舞台に戻り

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お土産を物色し、予約していたものを受け取って、お宿の車に乗って松之山温泉へ。本日はこちら『凌雲閣』

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登録有形文化財に指定されている木造三階建ての旅館は、松之山温泉の中心地、源泉『鷹の湯』が沸く地域から徒歩数分はなれた場所にあり、こちらの源泉は『鏡の湯』というらしい。昭和13年に出来た当初は、近代的な!ホテル!であったらしいですが、今は工夫を凝らした木造の建物が居心地良い旅館であります

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お部屋のコタツがあるぞ!やった!

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さっそく、ゆっくり風呂に入りまして。昔ながらの、男湯に比べて女湯がだいぶん小さい宿なんだけれど、午後7時で入れ替わって、それ以降は女湯が広くなる。入れ替わりが晩飯のタイミングって、わりと早いよね。

松之山温泉は弱アルカリ性の、俗に言う美人の湯とかで、浴室に張ってある口上など、普段見かけたらとんでもないニセ科学…と憤るところですが、温泉に張ってあるとまあいいじゃない気持ちよいし、となる不思議。

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ばんごはん、いちおう刺身もあるけれど、基本的には土地の味ばかり、少量多品種という、酒飲みに大変うれしいメニューになっていて、とにかくきのこが種類豊富で多くて、クルミ豆腐とか醗酵豆腐とかずいきの漬物とか美味くて、ぶりの照り焼きにマタタビの実が添えてあるのが面白く、お鍋も良かったなあ

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で、箸休め、と出てきた岩梨のゼリーが面白い

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岩梨、土手などに生える背の低い草で、その小さい実をとって、丁寧にチマチマ皮をむいて、お酒に2年ほど漬けるのだとか。ありがたいありがたい

のっぺいも出てくるし、ご飯には鯉こくも出てくるし…山の蛋白源として鯉は重要でして、まつだい郷土資料館でも、夏は外の池で、冬は台所の下の池で鯉を飼っていたという話を聞きまして。とにかく、大いに満足したのでした。

食後はまた風呂に入り、クリスマスですからね、里山食堂で予約購入したクリスマスケーキなど、いただいていたのでした。

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外はだんだん、寒くなり、そろそろ、雪もちらついてきたでしょうか 

在華坊(@zaikabou)/2016年12月24日 - Twilog