日毎に敵と懶惰に戦う

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汕頭広州香港の旅1日目 香港から陸路汕頭へ

5時、結局一睡もしないまま出発、東京駅から予約したバスにギリギリな感じで、朝から2人で走って汗だく。6時10分東京駅発のバスに乗り、成田空港へ

今回、キャセイで香港往復4.7万くらいの切符を確保しており、チェックインもJGCの権利を振り回すから余裕やろ…と思っていたら、思わぬところに伏兵が。Wi-Fiの端末を受け取るために、20分以上行列したのであった。これ、次回以降は、香港でsimを買うとか、別の方法考えたほうがいいかな…。しかし、電話は電話で使いたいしな。

いつも使っているglobal Wi-FI、1週間のアジア周遊大容量VPN付き、2人で使っても問題ないプランが割引効くと4500円くらいで、わりと贔屓にしてるんだけど。1タミだとロッカー受け取りもあるようなのだが…

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その後のチェックイン、荷物検査、イミグレは早々に抜けて、さて朝ごはん。羽田のキャセイのラウンジは評判良いらしいんだけど、成田はイマイチということで、JGCの権利でいつものJALのラウンジへ。カレーいただきます

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日本酒コーナー見たら田中六五もあって、なかなかの品ぞろえ

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あまり余裕なくラウンジを出て、搭乗口へ

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香港精神號という、なんか特攻用の機体みたいなのに乗り込みます

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後ろのほうの窓側2人並び席を取っておいた。今回、行きはキャセイパシフィック、帰りはキャセイドラゴン。キャセイパシフィックのほうが事前座席指定が可能だったんだけれど、帰りのキャセイドラゴンはワンワールドの権利持ちしか事前座席予約できないんですね。

機内では香港の新聞読んでたんだけれど、日本の猛暑はこの新聞でも話題になっている。そして打ち水している人のなんとも言い難い写真もありますね…

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あと、葬式の告知の様式がなかなか興味深いものであった。香港では一般的は様式なのか、これはこれで特殊なのか

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無事のフライトで早めに到着し、イミグレ通過、荷物受け取りもスムーズ。13時10分着陸予定だったのが、13時10分の段階ではすでに荷物も受け取り済。ここからはバスに乗る

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今回の旅程は香港からすぐに大陸に渡ることになっており、当初は広州に向かう予定だったのでフェリーで行こうか、なども考えていたんだけれど。初日から汕頭に入ることにしたので、陸路深圳に移動し、高鉄で移動しよう、ということになった。

これもいろいろ調べて試行錯誤した結果で、高鉄で移動しても高鉄の潮汕駅から町までバスでだいぶかかるらしいので、それなら羅湖から高速バスで直接汕頭に行く手段もあるが…と考えていたのだけれど。結局、高速バスの切符が予約なしですぐ買えるか判断つかなかったのと、高鉄の切符を予約して買ってみたい欲が勝り、高鉄移動とした。 

中国の地下鉄(と、上海のリニアなどごく一部の鉄道)以外の鉄道は、実名登録制になっており、外国人はパスポートが必須になる。中国居民も、二代身分証という、全国民共通の電子身分証があり、これが必須。

なので事前に切符を買うにしても実名、パスポート番号を登録しないといけない。cripというサイトを使えばクレジットカード決済も使えるのだが、私は、中国の皆さんが享受しているのとなるべく同じ方法で切符を買ってみたかった。

それで、『12306』という中国国鉄のアプリをダウンロードし、サイトの実名登録をするために中国の携帯電話番号を手に入れ、購入代金の支払いをするために微信支付のアクティベートをし、チャージもして、なんとかかんとか、深圳北駅18:26発の潮汕駅行きの切符を2枚予約購入している。詳しい方法は上記のリンク先を読まれたい。

香港の到着から深圳北駅の発車まで5時間以上みておいたのは、香港から深圳への入境や、切符の受け取りなど、時間が読めなかったからで、今後の進捗次第では早い時間の切符に振り換えたい。そう思いつつ、前回の旅で手に入れたオクトパスカードに200ドルチャージして、香港国際空港からはA43のバスに乗る

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A43のバスは上水駅行き。香港の中心部、紅磡駅から北に向かう鉄道は上水駅で2つに分かれ、それぞれ1駅で、深圳との境である『羅湖』『落馬洲』に至る。その上水駅に直接向かうバス。香港国際空港から大陸に渡る人のメインルートのひとつになっている

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2階の一番前の座席に座れて、香港の風景を見ながら楽しいバス旅。特に渋滞も無く

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上水駅に到着

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んで、この時点でまだ14時30分前。ここからは、羅湖よりはイミグレが空いているらしい、かつ、地下鉄一本で深圳北駅に向かえる落馬洲に行こうと思っていたんだけれど、ずいぶん時間に余裕がある。だから、羅湖の茶葉市場に寄って行こうか、という話になった。

同じホームから羅湖行き2本、落馬洲行き1本の割合で電車が出ており、羅湖行きに乗って1駅

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駅がそのままイミグレに直結しており、visitorはこちら…の案内に従って、まずは香港からの出境。そして川を渡って中国大陸へ

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中国の入境では、しばらく前から、10本すべての指の指紋採取が必須になっている。初回は登録が必要で、登録用の機械があり、パスポートを通して指紋採取。これで中国政府に指紋がバレバレの身になってしまいましたね…

そのままイミグレを抜けて、着いたところはもう深圳である

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この時点で15時15分。香港国際空港の着陸予定時刻からここまで2時間は、かなり優秀なタイムなのではないか。待ち時間ほぼ無しでこれくらいの時間になる。平日の午後だったからこその話で、夕方とか、土日とかになると、行列していて大変らしい。

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で、大陸に渡ってまず目にするのは、なんといってもこれですよね

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社会主義核心価値観!富強、民主、文明、和諧、自由、平等、公正、法治、愛国、敬業、誠信、友善!

社会主義核心価値観 - Wikipedia

去年、中国に来た時もあちこちにあるなー、と思ったけれど、今回はそれどころじゃなく、本当にうんざりするぐらいどこにでもあるな!状態になっており。ヤケクソ感さえ漂っておる。

あとからいくつか紹介するが、クリエイターの表現の場になっているというか、昔だったら抗日映画が、抗日映画なら大概の表現は許される!的な文脈で表現の実験場になっていたようだけれど、こんにち、社会主義核心価値観がどうもその位置づけなっているのではとすら思えて。そろそろ潮時なんじゃないか、これ

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羅湖口岸と深圳駅が並ぶ広い広い広場、警察官が巡回している広場を抜けて(余談だが、というかこの日記は基本的に余談しかないのだが、中国の警察、いろんな種類がありすぎてよくわからない。中国の警察の種類を詳しく説明しているサイトとか無いものか)、駅に近い茶葉市場へ

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茶葉市場というのは、お茶や茶道具などを扱う店が一か所に集まった市場的な場所であり、中国各地にある。今回の旅の目的のひとつは、中国で一番大きい(つまり世界一大きい)広州の茶葉市場に行くことなんだけれど、彼女が以前に来たことのあるという、深圳の徳興茶葉世界に寄ってみた

ふらふら歩いている中に、良さげな蓋碗が並んでいる店があり、入ってみたら

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去年、香港で買ったのと同じデザイン、同じ窯元で造っているのが売っている!そして値段を聞いたら、香港で買ったのの5分の1くらいの値段!なんということでしょう、手描きの素敵な蓋碗が、2000円以下で買えてしまうとは…。

私は中国語はまったくだけれど、彼女がある程度できるので、お店の人とやりとりして、お茶もいただいて、いくつか購入したのでした。良いお店

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のんびりしていたらあまり時間の余裕も無くなってきたので、深圳北駅に移動しましょう。深圳の地下鉄、もちろん、荷物検査もあり

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ここで微信支付で乗る!みたいな方法もあるわけですが、ここはアナログに、トークンを自動販売機で購入

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乗り換え1回で深圳北駅に到着。

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鉄道の切符は、あらかじめ予約購入していると、中国居民であれば自動受取機で発券可能。香港台湾澳門の人も、往来身分証明証があり、それで発券できるのだが…

基本的に外国人は窓口で発券してもらう必要がある。パスポートにも対応した自動発券機があるという話を聞いていたのだが、残念ながら発見できなかった。次来る人はみつけてください

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しかし、とにかく、窓口に並んで、予約済のスマホ画面を見せつつ、パスポートを出したら、無事に切符は発券された。できた!

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2時間ほどかかり、400km離れた先への新幹線の二等席が1700円、安いよね。そして、切符を手に入れてはじめて駅の構内に入ることが出来る。身分証明書と本日乗車の切符を見せないと、駅の構内にすら入れてくれないのである

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この駅の入場口も、中国居民のみなさんは自動読み取り機的なものがあるらしく、却って行列していたけれど、こちらは窓口の係員にアナログに見せて通りまして

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深圳北駅である。でかい

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広い

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日本が、到着した列車の掃除をすぐに終わらせる優秀なサービス!緻密な運航計画!とかやっていると、一方共産中国では、ホームたくさん作ればええやん、みたいな話になるわけでして、大陸は広い、馬賊になった人の気持ちがわかりますね

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もう季節も終わったかな、と思っていたライチも売っている。思わず買おうかと思ったけれど、後日、汕頭の人にこの値段を話したら高すぎる!と驚愕された。1斤25元、500g400円強、日本からすれば超安いけれど、実際、広州の市場に行ったら質の良いのが1斤6元で買えたので、おっしゃるとおり、これは高いのだ

お腹が空いていたので、駅の構内で簡単な夕食を済ませる。麺と、ハーブ入りの甘いお茶、セットで40元くらい

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時間になるとホーム単位で改札がはじまり

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ホームも広々!

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中国の鉄道、平気で2分くらい早発するので、発車5分前には乗り込んだほうが良いです。そもそも、改札も、発車5分前くらいで閉まるしね…。飛行機感覚である

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列車は駅を出ると、巨大なマンション群などを見ながら進む。社内にはビュッフェもあるし

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ちゃんとお湯も出るし

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今回乗ったのは高鉄だけど、いまでも中国には寝台列車が縦横に走っており、日本の鉄道オタク、特に乗り鉄、どんどん中国に来るべきだと思いますね、安いし

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夜も遅くなってきて列車がガラ空き。潮汕の駅に降りると、ガランとした地方の駅、しかし規模は大きい、という駅で、白タクの勧誘を潜り抜けてバスに乗る。海沿いの汕頭、韓江を遡った潮州という、それぞれ大きい街があるのだが、高鉄はその間を抜けて厦門方面に走っており、2つの街の真ん中に潮汕という駅がある。だから、どちらの街に出るにしても、バスを使わないといけない。あとから聞いた話だが、汕頭にも今年の12月に高鉄が通りらしい。

高速道路経由の早いバスもあるらしいのだけれど、181系統という、街中を進むバスに乗る

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昼間だとすごい時間がかかるらしいのだけれど、夜なので渋滞も無く、スムーズに汕頭の街へ。途中のネオンを見ていると、家具の店、お茶の店があちこちあった。

汕頭は日本人にとっては細密な技巧の汕頭レースで知られているが、そもそも人口500万人もいる大都市。そして汕頭と潮州で潮汕文化圏を形成しており、特産品としてお茶や磁器や家具などでも知られているし、言葉も広東語とも違う独自のものがあるし、華僑の一大出身地として有名であるし、潮州料理、潮汕料理は、広東省の中にありながら広東料理ともまた違ったオリジナリティを持っている。

食在広州と言うけれど、この地域の人にとっては食在潮汕であり、広州とも違うぞ、という強い地元愛を持っているのだった。

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この日はバスを降りたらもう21時半ごろで、まっすぐ歩いてホテルに向かう。暑い地域だからだろうか、みなさん宵っ張りのようで、22時ちかくになってもどこの店も繁盛している。

この日の泊りは錦江之星という、中国国営?のビジネスホテルチェーン。

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アメニティ類は全然無いが、清潔なリネンと多過ぎるくらいなコンセント、無料の水など、よく弁えている感じがある

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これで1泊1室2500円くらいで泊まれるのだから、ありがたいことです。一旦ホテルを出て、近所のコンビニでビールを買って

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シャワーを浴びて、おやすみなさい

在華坊(@zaikabou)/2018年07月25日 - Twilog