日毎に敵と懶惰に戦う

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埼玉県立近代美術館『インポッシブル・アーキテクチャー展』と西川口

土曜日、早めに出掛けて北浦和へ。埼玉県立近代美術館

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お昼ご飯を『ペペロネ』で

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ペペロネ、特にメディア映えするわけでもないが、質が伴っているミュージアムカフェとしてはピカイチじゃないだろうか。ビザもパスタも美味いし、パンも名物だし、サラダにどうぞ、と出てくるシェフ特製の中東風ふりかけ「デュッカ」が眼の醒めるインパクトの旨さ。このふりかけは販売もしてるよ。

さて、展覧会。『インポッシブル・アーキテクチャー展』を見る

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第三インターナショナル記念塔にはじまり、建てるつもりが建たなかった建築、建てられるものなら建ててみろな建築、はじめから建てるつもりが無い建築、様々な未成の建築の図面や理念を見ることで、人々の建築に託す思いを見る…のだけれど…。

展覧会の印象は、最後の部屋、新国立競技場のザハ案の部屋ですべて塗り替わる。いや、この部屋のためにそれまでの展示はあった。建てることが出来たのに建たなかった建築。キャプションに、並んだ膨大な図面に、申請書類に、部屋中に溢れる悔しさ。こんな主張と想いに溢れた展覧会があったろうか!

もうね、キャプションが怨念の塊みたいで、押し殺そうともしない悔しさに溢れているし、防災や構造含め各所から示された認定書がすごい圧で並んでいるし、膨大なページから選ばれて展示されてる図面は、かの、問題の、キールアーチのコンセプトという。構造模型もキールアーチの構造に関するものだし…

そして最後には、山口晃会田誠による、首都高の上を跨ぐ日本橋が提示され、5000億円掛ける地下化案に何の意味ありや?と問い質すのだ。インポッシブル・アーキテクチャーとは何がインポッシブルであるか。会場全体を通じて、熱い想いに溢れた展覧会。あと会期は一週間だけど、ぜひ、見に行って欲しい

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埼玉県立近代美術館、予算がものすごく少ない!みたいな印象ばかり強いのだけれど、黒川紀章の建築空間、ジャコモ・マンズーと舟越保武の佇まい、

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あの宮島達男のロッカー、椅子の数々、庭のメタボリズム、隅々までしみじみと良い美術館で、大好きなんだよな…。予算少なくて大変らしいけど、頑張ってください…

某酒販店に寄る。昔は花陽浴の品揃えが素晴らしくいつでも買える店だったが、人気が上昇して買えなくなり。今日、久しぶりに行ったら、最近来た人が、セット販売だけ売れます、になっていた。まぁ、ほかの地酒も1本買ってね、なので、山本なり栄光富士なり姿なり、どっちにしても買うから無問題

電車に乗って蕨へ。中国の人が多いことで有名な芝園団地

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確かに遊んでる子供の声は中国語しか聞こえない…。中華食材店が多く、酸菜とか春雨とか調味料とか、今まで見た日本のどこよりも一番安い。

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そして自動販売機が多国籍で楽しい

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さらに西川口へも。スーパーのフードコートの中にありながら規格外の進化をしている『吉時餃子』はお持ち帰り肉が以前より滅茶苦茶充実してるし、麻辣湯は野菜8品と肉1品入って820円だし

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豆乳はその場で豆を挽いてくれて150円だし

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豆乳と言ってもはっ?て顔されるので豆漿って言わないと通じないし… 

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で、ここまで来れば当然、ザムザムの泉へも

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西川口『ザムザムの泉』久しぶり。蘭州牛肉麺のザムザムセット、手打ちの寛韮葉。澄んだコクのあるスープ、打ち立ての麺、味の染みた大根、そして醬牛肉に卵。辛過ぎない辣油や多過ぎないパクチー含め、バランスの良さ。やはりここの味は一頭地を抜く

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しかし…ザムザムの泉、完全に孤高独立独歩になってしまい、今のスタイルで多店舗展開とかは難しそうな印象を受けるけど、ご主人としてはそのあたり、どう考えてるのか、ちょっと気になる。あと欲を言うと、牛肉麺はじめる前のいろんなメニューも凄く美味しかったので、あれもまた食べたい

現地中国料理クラスタが嗜好する店と、ラーメンマニアが嗜好する店って明確に線引きされている印象だったんだけど、その蘭州牛肉麺へのストイックな追及により、後者に軸足を伸ばすことに成功しながらも前者の軸足をも残した稀有な例が、ザムザムの泉だと思う。後者に軸足を伸ばすこと自体も稀有なのに。

ちなみに、所謂、街中華を愛するクラスタも、ラーメンマニアや現地中華料理クラスタとはまた別なのだが、ラーメンマニア以外の両方に軸足を置ける店は時々見掛ける。特色ある中華居酒屋系の店に顕著。第一亭とか。みたいなことをつらつら考える

西川口にはじめてきて驚いたのはもう1年間くらい前 

zaikabou.hatenablog.com

 もはや中国食材店の多さや中国料理店の多様性も当たり前のものとして受け入れるようになったけど、こういう張り紙を見ると本物感がある。

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『招聘服务员』と電話番号だけ書いてあるこの感じ

西川口から電車に乗ってぐっすり眠り、桜木町へ。流浪ぴーに行ったら意外な嬉しい出会いもあり、だいぶん長居して帰宅したのでした

在華坊(@zaikabou)/2019年03月16日 - Twilog