旅の準備の追い込みをしているともう6時、出掛けなければ。スーツケースをごろごろ転がして山を下り、羽田空港に向かう。
2月の中旬にも中国に行ったばかりなのだが、また中国なのである。ゴールデンウイークは10連休でとにかく航空運賃が高騰してしまい、選択肢が中国くらいだったのである…。行きは広州へのJAL便をマイルで交換して1万マイル。帰りは春秋航空の深圳-名古屋便が5月5日から就航ということもあり、連休最終日にも関わらず5000円からのチケットが確保できたので、また中国に行きましょう、ということになったわけ。
空港のポケットチェンジで3000円ぶんだけ微信支付にチャージし、予約したWi-Fi端末を受け取りボックスから受け取り、搭乗受付も荷物預けもスムーズに済ます。今回、日本酒の四合瓶を4本、各自2本ずつ持っているので、行きからスーツケースは結構いっぱいであります。ちなみに、中国は1人酒760ml×2までは関税なしで持ち込めることになっているので、これは免税の範囲となります。
イミグレは無人化ゲートを通過。これ、無人化ゲートを通ればパスポートにスタンプを押してもらう必要は無いのだが、いろいろな知見を得ていくと、やはりスタンプは押しておいて貰ったほうが良いようだ。特に帰国時は絶対に。帰国日がすぐに参照できる必要がある場合はあるようなのだ。無人化ゲートが自動的にスタンプ押してくれればいいのにね。
JALのラウンジでさっそくエアポート投稿おじさんと化し、カレーとお酒。
8時50分の便に乗り込み、一路、広州白雲空港へ。
機内では『ハンターキラー』と『グリーンブック』を。ハンターキラーのほうは、まあよくできた潜水艦映画、グリーンブックはアカデミー賞の名に恥じない名作。
12:30の定刻から少し遅れ気味で着陸する。
初めての広州白雲空港は北京首都とか上海浦東に比べるとややのんびりした印象を受ける空港で、しかして荷物が出てくるのは早い。バスかタクシーで…とも思ったのだけれど、だがしかし。実は中国、5月1日の労働節から連休になっており、道路混雑などもひどいようなのだ…。
というわけで地下鉄で。チケットは、広州には明後日の朝までしかいないので都度買えばいいだろう…と思ったのだけれど、後から思えば交通カード(羊城通)にしたほうがよかったな。荷物検査に辟易しつつ改札を抜けて乗り込むと、この地下鉄もギュウ込み。押しつぶされつつ黄沙の駅に到着。出島の沙面に渡る橋なども人であふれており、かき分けるようにホテルまで。
しかし、 沙面の中の道路はタクシーなどまったく進めないような状況になっていたので、まだ地下鉄で来てよかったのかな。
ホテルにチェックインを済ませ、お部屋に入ったのは15時くらい。なんだかんだ、良い時間の直行便でも、これくらいの時間になりますね。上海に比べると遠い。そして広くて立派なお部屋。
こんなにいい部屋にしたっけ?フロントのお兄さん、いろいろ電話したりしてバタバタしていたから、元の予約した部屋が無かったのかな。実際に泊ったのはこの部屋だった。
http://www.whiteswanhotel.com/%E8%B1%AA%E5%8D%8E%E6%88%BF-,rooms_viewItem_11-zh.html
連休中で沙面は人で溢れていたのだが、それ以外にも広州が混雑している理由があり、世界最大といわれる交易イベント、広州交易会の最中だから、という理由もあるのですね。毎年4~5月、10月ごろに行われるこの催しの期間中は、世界中からバイヤーが集まるため、広州のホテルは高騰。普通だったら広州にはあまり来ないほうがよい時期。
広州はこの広州交易会があるために外資系5つ星ホテルが異様にたくさんあり、また、広州交易会の時期にガバッと儲けてほかの時期は閑古鳥になるためか、それ以外の時期はお値段が非常に手ごろになる。
広州交易会以外の時期は、フォーシーズンズとパークハイアットはさすがに少し高いけど、それ以外、マンダリンオリエンタル、リッツカールトン、W、コンラッド…あたりは、大概2人1泊2万円以下で泊まれる。ウェスティン、グランドハイアット、シェラトン、シャングリラあたりは1万円台前半。そしてここ、ホワイトスワンも5つ星だが1万円台前半。
今回宿泊するホワイトスワンホテル、広州白天鵝賓館は、初の中外資本合作のホテルとして1983年にオープン。当時は広州一豪華なホテルだった。沙面のランドマーク的存在になっており、新しい街の方面に外資系ホテルが林立した今でも、豪華ホテルとして存在感を示している。
150年にわたる広州の沙面の歴史を振り返りましょう,中国旅行ブログ--大陸だより
大変立派なホテルなのでロビーにいろいろ御飾りもあるんだけれど、この、あわびと猫はどういうわけでしょうか…猫にアワビはいけないのでは…
部屋に荷物を置いて、日本酒を冷蔵庫に突っ込み、さて、出掛けましょう。日本だと大混雑の貢茶が、広州だと空いてるぞ!と飲んだんですけど
どうもあとから聞くに、これは偽貢茶で、しかし偽貢茶でも美味しいのと美味しくないのがいろいろあるらしく、うーむ。島から出て大通りのバスに乗ろうとしたけれど渋滞してなかなか来そうにない。
ならば地下鉄に乗りましょうとぶらぶら歩き始めると、町のあちこちで引っ掛かるのが楽しくて、なかなか先に進まない。
まだないかな、と思っていたライチを果物屋で発見。買いましょう。ちょっと高かったけど、2斤ほど購入
地下鉄に乗り、乗り換えて数駅、江南西。エスカレーターに乗って地上に出るといきなり雨に晒される豪快な構造だ…
NHKの『国際報道』の中の「特メシ」というコーナーがあり、
国際報道2019[特メシ] |NHK BS1 ワールドウオッチング
世界各地の美味しそうな店を紹介してくれるのだが、その中で、広州の腸粉屋が出てきたのである。なんという名前の店かはNHKだから言わないのだけれど、映像から店の名前を拾い、高徳地図で店の外観が映像と合致することを確認して、やってきたわけですが
なんと、籠で蒸す腸粉屋はお休み…。この後、いろいろ覗いてはみたけれど、籠で蒸しているところは、住宅街の中にある古い店ぐらいだった
仕方ないので腸粉はまた別のお店で…ということにして、また地下鉄に乗って珠江の北側へ。雑貨屋を覗いて、陶街と名前のついた街のあたりをぶらぶら
広州は町全体が市場みたいなところで、特に、旧市街は宝石だとか漢方薬だとか家具だとか、ある程度のブロックごとになんでこんなに規模が大きいのか、みたいな市場が形成されている。よく、広州は観光地は少ないとか、新市街地のほうの広州タワーとか行きましょう、みたいなガイドを見掛けるが、こういう市場を覗いたり、街をあるいたりするには、ものすごく魅力的な場所だと思うだが…
ちょっと小腹がすいたのでそのへんの店で腸粉を食べて(これは、まあまあ、というところで…今回の旅で一番おいしい腸粉は汕頭の街場の店だった)
ちょっと宝石市場を覗く。前回、広州に来た時も覗いたんですが
前回入った巨大なビルよりも、さらに規模が大きいビルがあるというのを後で知って眩暈がしたわけですが…そのもっと大きなビルは
確かに規模は大きいんだけれど、素人には少しわかりにくい感じがあって、前回、最初に入ったところが、小規模な店舗がずらっと並んで翡翠など売っていて面白かったな、と。そういうものです
そろそろ夜になってきて、晩飯でも食べようと…しかし、とにかく、店に向かって歩くには、なるべく知らない、通ったことが無い道を歩くことを心がけて向かう。
そうすると大概、面白い場所を通ることになる
路地に入りこむと、夜でも賑やかな市場
なんだかもう、うろうろ歩いているだけで最高である
雰囲気のある床屋
の楽しみと言うのはこういうことではないか。商店街をずんずん進むとどんどん住宅街になっていって、そこに人の暮らしがある
絶対安全とは言えないが、こういう場所をぶらぶら歩いていても、日本にいるときと同じ程度には安全なのが中国ではある。観光名所に行ってサギに合うような危険性のほうがまだ高いのではないか。そう思います。
路地を抜けて通りに出て、見かけた涼茶の店へ。広州や香港の街場にある、漢方ドリンクを売っているスタンドですね。
いろいろ種類があるので選ぼうとしたら、店のおばちゃん、選ばせてくれず、舌を見せろと言うので見せたら、じゃあこれだね、と、肝臓に効きそうなのを売ってくれた。よくわかってらっさる…。香港の店は自分で選べるけど、広州だとこうなのだろうか…
さらに晩飯の目当ての店に向かって歩いていくと、よい感じの雑貨屋を発見
買って帰ってどうすんだと言われても、なんか、欲しくなっちゃうんですよ、いろいろ
これは玄関に敷こう
広州最初の夜の晩飯は向群飯店にて
葱油鶏、酸菜炒牛肉、カエルの炒め物もの。
とろとろの鶏肉とか、塩味が強めでシャキッとして牛肉に合う酸菜とか、弾力あるカエルの肉に強くて印象強烈なシャンツァイとか、ひとつひとつ印象に残る。美味しかったのだけれど、2人だと限りある注文数が恨めしい。こういうのは大人数に限る。
で、この手のお店で準備されているこの食器セット。お店に食事に入ると消毒済みでパッキングされて出てくる。安い店はそもそもこんな準備は無いし、高い店だと逆に包まずに提供されるものが安心できるので、中くらいの店にあるパターンですね。
営業終了後に店の前にカゴに入れて積まれているのを見たので、業者が回収して、また洗って消毒してパッキングして届けるのでしょうね。日本のおしぼり的なシステムだな!
で、これ、広州の流儀だと、お椀で食事をして、皿はゴミ(肉や魚の骨や、それこそちり紙など)を捨てるためのものなのだが、ついつい、皿の方で食事をしてしまう
食後、沙湾姜埋奶でデザート。
とりあえず基本バリエーションは全部食べる。沙湾姜埋奶は生姜で固める正統な生姜プリン、生姜がめちゃくちゃ強いが美味い!新鮮水牛奶は要するに甘い牛乳、双皮奶は牛乳プリン、风鳯奶糊は何か添加して固めたプリンかな。やはり沙湾姜埋奶がいちばん美味かった
生姜プリンは上記の写真の上の方なんだけど、レンゲを下のみたいに置きなおしたら、店員さんに上向きに浮かぶように置き直された。弾力でふんわり浮いているのも大事な演出らしい。
満腹になって、ぶらぶら歩いて
ホテルに戻っておやすみなさい。今日は午後からの活動だったから、それほど歩かず。25,000歩くらいでした