日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

日本民藝館展、池袋『大沪邨』、目白『カフェ クーポラ』、公開講演会「中国北方の食文化の変化と展開」、池袋『アリヤ清真美食』

土曜日、朝から『日本民藝館展 新作工藝公募展』へ

f:id:zaikabou:20200520164159j:plain

年に1度、全国の工藝作家の新作が集まり、入選、準入選作品が販売される、民藝好きには堪らないイベント。開館時間にきたら、すでに300人以上が並んでいた

f:id:zaikabou:20200520164204j:plain

f:id:zaikabou:20200520164214j:plain

f:id:zaikabou:20200520164209j:plain

中では、2階の奥の部屋が入選作の部屋で、焼物1つ、その他1つの購入制限がある(焼き物以外2つでもよい)。準入選作についてはそれ以外の場所にあり、購入制限は無い。

入選作だから高い…わけではなく、このタイミングで全国の作家が販売価格を決めて腕によりをかけて応募したもののうち、質の高いものが入選作になっているわけで、もちろん、まずはみんな入選作が欲しい。だからとにかく早い整理券を取るのに朝早くから来るわけですね。数千円の陶磁から数十万円の染織まで、みな真剣に欲しい物を選ぶのだ。

この日はまず、入選作コーナーで、それぞれ、小鹿田焼の八寸深皿と、青みが綺麗な5枚組の皿を確保。2人だと倍買えてしまう、恐ろしいですね!入選作は売約済の札が付けられるけれど持ち帰れるのは来月。だから、ほかの人が確保した作品も見ることが出来る。うらやましい、これほしかった…みたいなものが沢山あるわけですよ…

その後、準入選を見る。こちらはすぐに持ち帰れて、置き場所が空くと、バックヤードから補充される。自分は小鹿田焼の八寸皿をまた2枚確保。実は入選作でも、ダブりのあるものについては、準入選作コーナーに置かれているものがある。透き通るような青色のお皿が素晴らしいと思ったら、まさにそれだった。これも購入。

入選作の購入レジと準入選作の購入レジにそれぞれ並び、入選作のほうは早々に済んだので、あとは交代で準入選作のレジに並びながら館内をうろうろ。入選作のコーナーに改めて行ったら、素敵な茶托があり、それも購入してしまった…

近所のべにや民芸店でも素敵なことをやっているらしい…とは知りつつ、今日はこれ以上の散財は…ということで、駒場をあとに。池袋へ

池袋『大沪邨(だうつん)』で、芹干絲(セリと押し豆腐炒め)、糟香小黄魚(石持の麹香り)

f:id:zaikabou:20200520164218j:plain

f:id:zaikabou:20200520164022j:plain

油面巾塞肉(油ふの豚肉包み)、油煎大餛飩(ナズナと肉入り上海風揚げ大餛飩)

f:id:zaikabou:20200520164026j:plain

f:id:zaikabou:20200520164031j:plain

石餅が麹漬けになったのが酒にめっちゃ合いそうだし、お麩に豚肉詰めたのも、みな美味い。

ぶらぶら歩いて自由学園明日館などを眺めつつ

f:id:zaikabou:20200520164039j:plain

高級住宅街をお散歩…

f:id:zaikabou:20200520164043j:plain

目白に移動し『カフェ クーポラ メジロ (CAFE CUPOLA mejiro) 』の、ミガキイチゴとピスタチオのXmasパフェ。

f:id:zaikabou:20200520164046j:plain

ピスタチオのジェラートやホワイトチョコムースやイチゴのジェラート、パンナコッタ、ジュレにコンポート、食感も味わいも様々に構成されてて、ここのパフェは、ほんとに完成度が高くて、美味い… 

また歩いて立教大学

f:id:zaikabou:20200520164050j:plain

公開講演会「中国北方の食文化の変化と展開」に。

f:id:zaikabou:20200520164054j:plain

川浩二先生と、「味坊」の代表、梁宝璋氏を迎えて、梁氏の私的な歴史から、中国東北の庶民史に寄り添いつつ、文革や、清末の移民や、経済格差や、中国の社会的背景を交えつつ、食文化の変遷に迫る1時間半。濃密だった!

梁さんは1997年に『味坊』を足立区の住宅地に開店して、所謂日式中華料理に東北料理も一部混ぜていたが、反応は芳しくなかったという。2000年に神田に移転すると、場所柄、中国駐在帰りの人なども集まるようになり、東北料理の反応が良く、東北料理専門店に切り替えることができた。そして拡張していく

尖ったメニューを出す店が受け入れられ、発展できるかどうかは、時流もあり、運次第もあるけれど、やはり立地と、ニッチな需要も支えられるような期待顧客数の、数の力によるものが大きいのだろうな。今日ならば、SNSの力なども使うことが出来るけど。面白いものを出すがひっそり閉店する店も多い

その創業の地の足立区で、味坊、味坊鉄鍋荘、羊香味坊、老酒舖、香辣里に続く、6軒目のプロジェクトが進行中とのことで、大変楽しみなのです。そして、それぞれの味が、チチハルで生まれ育った梁さんの思い出と深く結び付いていることを知り、ますます、味坊に行くのが楽しみになったのだった

文化大革命以降に個人の飲食店が続々と出来て、家庭の味から外で食べる味に変わったり、清真料理や朝鮮料理など、人の家で食べるしかなかったものが外で食べられるようになったり、そもそもの東北料理が山東省から清末移行に移住した人々の食文化と現地のものが融合して…など、興味深い話ばかりだった

東北3省の主要農産はトウモロコシ。子供のころはトウモロコシ粉を持って行ってポン菓子にしてらう話をしていて、日本だとコメを持ってくやつだ!と思ったけど、私はコメを持って行ってポン菓子にして貰った年代ではないぞ

講演会の後は、池袋のアリヤ清真美食にて、梁さんを囲んでの懇親会。

f:id:zaikabou:20200520164058j:plain

羊の内臓とか東北大拉皮とか、中国東北料理の数々も美味しかったけど

f:id:zaikabou:20200520164102j:plain

f:id:zaikabou:20200520164106j:plain

f:id:zaikabou:20200520164110j:plain

f:id:zaikabou:20200520164115j:plain

f:id:zaikabou:20200520164118j:plain

f:id:zaikabou:20200520164122j:plain

f:id:zaikabou:20200520164126j:plain

f:id:zaikabou:20200520164131j:plain

梁さんのお話がとても楽しかったのです。大満足の一日だった

在華坊(@zaikabou)/2019年12月14日 - Twilog