パリのホテルで目覚めて朝。今日は久しぶりにストライキが盛り上がる日らしく、朝起きて情報を確認してみると、中心部で閉鎖する駅などがかなり増えている。ルーブルやオルセーの営業にも影響があるような、無いような。これは中心部は避けて、セーヌ川の南側に渡ってしまおう、帰りはいざとなったら歩こう、ということにする。
ロビーに下りて朝飯を食べたが、チーズも、肉類も、パンも、バターも、野菜も、いちいち旨い…。野菜の味が濃くて力強い…。
ロンドンも朝飯は旨いなー、と思っていたけど、比ではない。ホテルの格から言えば、明らかにロンドンのほうが高いホテルだったのだが、朝飯は圧倒的にこちらが美味い。パリ凄い。
バターは有塩と無塩がちゃん用意されている。これも美味いバターだ。
昨日街を歩いている印象だと、外を歩いてる時に、ロンドンではスマホみんな出してるけど、パリはあんまり出してないとか、服がロンドンが黒っぽくてパリは明るいな、とか、ロンドンとパリの雰囲気の違いも面白い。どちらも多人種いる感じでも空気感はまた違うし。パリは中国語をわりと街中でも見るな。
こういう、ロンドンとパリ、みたいな比較もあるし、もちろん共通する部分、例えば、イギリスもフランスも、みんな外ではよくタバコ吸うなー、みたいな発見もある。禁煙は建物内の話で、外はわりと自由なのね。こっちの人でもスマホのシャッター音するひともいるんだな、とか、ロンドンでもエスカレーター右立ちで立ってる人ばかりで詰まったりするんだな、とか。月並みだが、なんにしても実際に見てはじめて気が付く発見が、いろいろあるのだった。
チェックアウトしてフロントに荷物を預けて、さて出発。夕方戻ってきて荷物を受け取って空港に向かおう。パリ北駅から中心部を突っ切って、セーヌ川の南側に向かう地下鉄は、動いてはいるが本数が減らされている。そんなスト中の地下鉄を待つ人々
セーヌ川の南側、つまり左岸で降りた駅、こんな風景が、パリだなー、と感じる。
ちょっと歩いて到着したMonge市場、所謂マルシェですね。
それほど規模は大きくない市場なので、全体を見て回る。チーズも野菜も何軒かで扱っているけれど、やはり、野菜ならここが混雑、チーズならここが混雑、みたいなのがある。やはりお客さんが並んでる店がモノが良さそう。3個10ユーロ、みたいにわかりやすく売ってる店は観光客も意識しているのだろうか。
なるべく地元の人が集まっているような人気の店は量り売り。眺めていたらちょっと試食させてくれた。で、ここでチーズをいくつか買う。500gくらいの塊で。
野菜を売ってる人気の店をやっている人は中華系で、お客も中国人。ロンドンもパリもいろんなルーツの人がいるけれど、多人種が「そのままそこにいる」感じがロンドンとは違うように思う。ロンドンはみんな、ロンドンに住む国際人、みたいな顔をしているのに対して、パリでは、それぞれのルーツの顔のまま、生活しているように感じた。島国ではない、大陸なればこそだろうか。そのような実態があるからこその、ライシテ原理なのかもしれない。
市場の脇に中国茶の店があったけれど、まだ開店前だったので外から眺めるだけにして
またぶらぶら歩く。街中にキックボードがあちこち放置されていて、中国のレンタサイクルみたいなもんなんでろうか?
MONOPRIXというスーパーマーケットへ。あちこちにあるけど、少し大きめの店舗
チーズやバターやらワインやらを大量に買い込む。Twitterみたいな鳥と色の紅茶は、KUSUMIという有名なパッケージの姉妹ブランドなのね。これも話のネタに購入。
パリのスーパーマーケットは、とにかくチーズやバターが安いなー、という印象。売り場も広い。ロンドンのスーパーは、外食するより安いな、とは思ったが、パリはとにかく、スーパーマーケットが楽しい。そして、どのスーパーも、やたらとbio推し。パリの人、そんなにこだわるだろうか?
あと、ワインはロゼの品ぞろえが多いのも印象的だった。ワインも安いな。よくワインが安いから水代わりに…みたいに言うが、水も安い。コントレックスが安くていいなー(ロンドンパリでは非常にお通じが良いので、硬水いいなー、と思った次第。その分、お茶の味が違うけど)
さて、ルーブルにもオルセーにもオランジュリーにもケ・ブランリにも行かないので、何かしら見ておこう…ということで、自然史博物館へ。古い建物の中が目いっぱいこういう感じ。
とにかく骨格標本の数と陳列方法、恐竜の化石にも圧倒させる。
大英帝国式の、いっぱい並べるぜ!よりもさすが陳列が洗練されている。あと、グロいのでも積極的にやっていく感じもあるな。
しかし、ここにあると聞いたパンダの最古のはく製が無いな?と思ったら、この骨格標本が並ぶ建物は自然史博物館のごく一部だとのこと。
一応、そのメインの建物にも向かってみる。
途中の庭園に打ち捨てられているのは何の残骸であるか…
メインの建物に行ったら、別料金らしく、まあ今日は良いか、さっきの骨格標本で満足したし、ということにする。
自然史博物館の敷地を出て、またぶらぶら。日本でもよく見かけるポスター、ロンドンでもパリでも見るぞ。これ、法輪功がやってるらしいね
これはパリ第6大学かな。
お昼時で大学の周りの安めのランチの店がにぎわっている
これは…キャバレー?
セーヌ川に出ると、ノートルダム大聖堂がすぐそこに見えている。
それを遠景で眺めつつ、とりあえず橋を渡り
老舗のアイスクリーム屋、ベルティヨンのカフェでパフェを。
メニューを見て、どれがどれだか名前からはイマイチわからないが、適当にパフェっぽい2つ注文。
で、運ばれてきたが、これがなかなか凄い。
二郎系パンケーキみたいな生クリームの盛り、大量のラム漬けチェリー、丸ごと一個を漬けた桃…。そしてその下には、バニラやチェリー、桃のアイスクリームが。見た目は凄いが、味は美味しい。生クリームは軽くてぺろっと食べてしまうが、それにしても多い!このお店、アイスクリーム好きには聖地のような場所らしいし、ストライキ下でなければ、もっと混んでいるみたい。よい経験をさせていただきました。
この表示、よく意味がわからなくて、最低15ユーロ使ってね、という意味かな?と思ったら
CBというのは支払い用のデビットカードのことなんですね
フランスで見かける「Carte Bleue」とは何か? | クレカトーク【オトクなクレジットカードの選び方】
口の中が甘いので、パンでも買おう…と、ちょっと川を渡って戻り、さっき見かけたパン屋に戻ってみる。
で、入ってから気が付いたのだが、ここは、かの、トゥールダルジャンがやってるパン屋なのだった。店から一本道を挟んだ隣の敷地。
しかし、バゲットは€1.2と非常にお安い。パリは本当に、トラディショナルなバゲットは高くできないんでだろうな。
トゥールダルジャンの販売部もちらっと覗いてみたが、こちらはよいお値段
このレストラン、今はどういう位置付けなんだろうね?高級有名店には変わりなかろうが、トラディッショナル過ぎるのだろうか。店から出てきたのもロシア系っぽい人たちだった。トゥール・ダルジャンというと、西原理恵子の恨みシュランばかり思い出してしまう
また川をわたり、ノートルダム大聖堂へ。いろいろな方向から眺める。
周囲はフェンスで覆われて近づけないようになっていて、火事の状況、その後の推移を説明するパネル展示の場所になっていた。
火事前にあった足場をどうやって解体するか?で、まず随分かかるみたい。周囲のお土産屋などは商売あがったりなのだろうか。
ノートルダム大聖堂あたりからセーヌ川添いをルーブル方面に歩く。
右岸の中心地で大規模なデモがあるため、左岸から右岸へは車は侵入禁止、場所によっては歩行者も規制されて、入れないようになっていた。
しかし、警官は、マシンガンとか普通に持ってる割に雰囲気はゆるい。ロンドンとパリは、警察も空気感が違うな
通行止めなので眺めるだけの新橋…。そう、ポンヌフ。そういえば、新橋駅の立ち食いそばのポンヌフ、同じ場所にまた立ち食い蕎麦屋ができたけど、今はポンヌフって名前じゃなくなっちゃったんですね。そして新橋の立ち食いそばは、今はおくとねに限るのだ。
鉄の橋、ポンテザールは歩行者だけの橋なので、シュプレヒコールを聞きながら渡ってみると
丁度、長い長いデモ隊が、コンコルド広場方面に向かっているところ。
重装備の警察官が盾も持って警戒しているが、すんなり通してはくれた。
デモ隊、場所によっては荒れるのかもだけど、ルーブル美術館前ではごく平和的ですね。
北に向かうためにデモ行進を横切らせてもらい、あとはパリ北駅まではお散歩する。
プティ・カロー通りのSTOHRERではマカロンを購入。
パリ最古のパティスリーらしく、そういうことは知らなかったなりよ。
とにかく歩いていられれば幸せ
サンドニ門に到着。これもパリでは有名な門なのだが…
サンドニ門から北に向かう商店街は、プティ・カロー通りと違って庶民的で生活感がある。通りにある店でチーズを買い足した。雰囲気が少し違っていて、空気感が若干ピリっとしている。サンドニ門あたりは治安が悪く、日本のガイドブックにもあまり記載されなくなっていることは後から知ったことだけど、Twitterの限界旅行勢からは、このあたりのアフリカ料理が美味い、みたいな情報は入ってきても、治安が悪いなどという情報は入ってこないのである。
この治安の話だが、確かに危ない部分はあるのだろうが、普通に生活している人が沢山いるものに過剰に警戒するのもどうなのか?思ってしまう。それは自分自身が横浜の伊勢佐木町周辺をよく知っていて、実態以上に体感治安の悪さを言われることに対して違和感を抱いているからかもしれない。まあ、パリの場合、慣れた人が普通に被害にあったりしているので、レベルが違うのだろうが…
タバコを路上で販売する人がそこかしこにいるパリ北駅前に到着し、ホテルで荷物を受け取り、券売機で切符を買ってRER B線に乗ろうとすると、列車は超満員。一本見送る。
そしてこの、パリ北からシャルル・ド・ゴール空港までの各駅停車というのも、治安面からあまり推奨されないらしい。本当は快速?急行?に乗りたいんだけど、おそらくこの日はストライキの影響で本数も減っていて、各駅停車しか走っていないのだろう。ホームも確かに、若干の緊張感があるな…
2本目には混雑する乗客を荷物と共に押し込むようになんとか乗れて、耐えることしばし。だんだん空いてきて、中国時間の春節新年快楽。アコーディオンのおじさんが回ってくるのを見たりしつつ、シャルル・ド・ゴール空港に到着する。
帰りもJAL便だけど、エールフランスが業務委託されているのでそこで荷物を預けて、出国手続きをして、エールフランスのラウンジへ。JALのステータスを持っていると、エールフランスのラウンジが使えるのだ。とりあえずシャワー
で、シャルル・ド・ゴール空港のエールフランスのラウンジなのでさぞかし立派なのだろうと思ったら、そうでもない。それでも、シャンパンがあるところはさすがですが
なぞのカップ麺もいただきました
そろそろフライトの時間。短い滞在だったが、パリはまた来たいですよね…
搭乗して無事に離陸。機内食を食べて、そろそろ、おやすみなさい…