パナ汐と大倉集古館で器を見て、エリックサウスマサラダイナーのモダンインディアンコースを食べる
日曜日、お出掛けしてまずは汐留へ。パナソニック汐留美術館『香りの器 高砂コレクション展』を見る。
高砂コレクションに香水瓶がたくさんあることは知っていたけど
十種香の道具とか、日本のものも、こんなに充実したコレクションがあるとは知らなかった。蘭奢待だよ、とバーンと展示されたの意外にも、香木セットの中に東大寺(蘭奢待)が混ざってのもあったり、高砂コレクション凄いな。
地下鉄一駅、次に大倉集古館『海を渡った古伊万里』へ。
明日までで臨時休館とあって、わりと人が入ってた。磁器の修復技術にも驚いたし、ロースドルフ城所蔵品は古伊万里だけじゃなく景徳鎮や欧州のいろんな窯のもの、そして古伊万里は佐賀から鍋島とか良いものがたくさん出てたのも良かったなー。しかしソビエト兵、考えなく壊しまくったのか?
景徳鎮で焼かれたけど染付はデルフトでしたもの、あるいは広東(どこだろう?汕頭とか?)でしたものがあったり。マイセンのアウトレット品があったり。伊万里から輸出された磁器が欧州好みで加工されたり、景徳鎮と伊万里と欧州窯で相互作用がぐるぐるしていたり、とにかく情報量が多くて楽しかった。
そして渋谷へ。緊急事態宣言でお店は20時までに閉めなくてはいけないので、本日は17時スタートとしましたよ、エリックサウスマサラダイナー『モダンインディアンコース2021晩冬のコース』
今回のコースをライブで例えると、MCの時間…だろうか。会話控えめ推奨のためという言い訳で稲田俊輔さんが暴走しており、いつも長い解説文がさらに超増量、A4で4枚に文字ミッチリという、すごいことになっている。
読んで食べて考えて…コースの流れというよりも、アタマで味わう、ちょっと特殊な構成。お客も少ないのが前提のファンイベント感もあるかなー。
1品目の牡蠣のムリガタニースープ、トロッとした豆のスープに牡蠣の味わい深さがしっかり。
2品目のマトンキーマのシェファーズパイ カリフラワーのプロシェット、パイのインパクトの強い旨味も良いけど、ふっくらジューシーなカリフラワーも癖になる味。
3品目のクレソンとひよこ豆 オレンジのサラダ、前菜的なサラダでこれが出たら一発で店のファンになる味だこれ。
4品目の本日の鮮魚マサラローストと個性的な五種のコンディメンツ、それぞれに魅力的な薬味の組み合わせを考えながら食べる楽しさ美味しさ、そして最後に全混ぜした時の昂揚感が素晴らしい。
5品目の牛ほほ肉の黒胡椒煮込みチェティナードスタイル アロマティックサフランライス、ドンピシャ間違いなく濃密で贅沢で美味い。そして、さらに、スタンダードカレー4種類を際限なくお代わりできる、恐ろしいわんこカレースタイルのシステムがついてくる…
なんだこれは。いくらでも食べていいのか…すごい…。
6品目のムングダールパヤッサムとバナナのキャラメリゼ アルフォンソマンゴージェラート、今回各メニューの名前が長過ぎないかw、これが、不思議なことにお汁粉そのものなのだ、愉快。
いつものチャイまで含めて、目と頭と舌と胃袋が忙しい、モダンインディアンコースなのだった。
そうそう、今回は酒が飲めないので、この好機にノンアルコールミクソロジーを頼んでみた。セミスィートソルティシトラスとタマリンドアンバーエール。
美味しいんだけど、どうしても酒と比べてしまうんだよな。酒を飲まない人のために酒を飲む人が酒の代わりになりそうなものを考える、みたいな難しさなのかも…?お酒を飲まない人の感想も聞いてみたい。
解説文は素晴らしく楽しいし、料理も勿論満足なのだけれど。稲田ファンには是非行ってくださいと言いたいのだけれど。一方で、状況が状況なので、初めての方は時節柄無理せずに…『今日もそしてこれからも、どんな時もおいしいものでできている楽しい時間を諦めない為』に、今はみんな、生活を共にする人と、いつもの店を支えて欲しいな、とも思ったのだった。
前回とさらに以前のコースについては、こちらをお読みください
早く、夜遅くまで、大勢で飲んで食べてできる日が来ますように