日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

村上の街と、よいお宿『よはくや』と、能登新の鮭料理

村上の宿で目覚め。さて、今回の泊まりは『よはくや』さん。

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寝室以外は居間を家人と共有する民泊スタイルのお宿。

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清潔で過ごし易く、街に詳しい宿の方から、気さくにいろんな街の話を聞けるのも楽しい。「新多久」「能登新」からすぐなので、その食事を食べるためにここに泊まる人も多いとか。昨日の「新多久」での様子はこちらで

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 昨日、新多久で聞いた限りでは、酒田の『こい勢』からハシゴする人も、やはりちょくちょくいるらしい。美味しいもの好きは美味しいものが好き

あさごはんも、簡単な物といいながらとてもおいしかった。塩引き鮭はたまたま今日、ついたそうですが。

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こたつに入りながら、夜も朝もダラダラ、角銀の和菓子を食べながらお茶してしましました。

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置いてある本も参考になります

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宿に荷物を置いて、街中へ。村上は、2と7のつく日に朝市「六斎市」が立つ。この日はかなり店が少なかったけれど

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寒い雪の日、道ゆく人も少ないね…と言っていたのだけれど、それでも20軒くらいは出ていただろうか。自家製の糠イワシや、塩引き鮭や、大きくて安い百合根や、漬物や、いろいろ買ったのだった

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町はぼそぼその雪が降っている。その中を散策

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黒板塀に囲まれた通りを歩くと、料亭が何軒もあったり、街の奥行きが感じられる

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村上と言えば鮭。『きっかわ』はどこを向いても写真が映える

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床の間の作りとか、鮭の干し方とか、お話を聞くと、さらに認識が広がる

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村上の街中はあちこちに鮭が干されている

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お惣菜やでおかずを買う

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一旦宿に戻って荷物を受け取り、さてお昼ご飯へ。

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村上『能登新』での昼は鮭料理のコース。

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昔ながらの構えの料亭割烹で、昨日の前衛をよく取り込んだ新多久とはまた違った、コンサバな料理の数々だけど、その安定感を楽しむ。広々した空間で窓の外の鮭と雪降る庭を眺めながら、静かに美味しいものを食べたのでした。

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前菜がいきなり鮭料理尽くしで凄い。

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内臓の煮込み、心臓に白子、ほっぺたの肉を和えた味噌など、それぞれに工夫があり美味しいが、定番の酒びたしのず抜けた美味さに唸り、そして、18年物のめふんが、思わず天を仰ぐほど美味い。めふんは色々食べたが、ステージの違う食べ物になっている…
鮭の様々な部位をツミレにした卯皮煮椀は上品な旨味。

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刺身にも鮭が出てくる、昆布〆と焼霜作り、ルイベではないこういう食べ方もあるんだな。

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種から焼畑で育てた紅かぶら蒸しは食感も楽しい。

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揚げ物良かったなぁ、きのこ見立てのしんじょうも良いが、氷頭せんべいの美味しいこと

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窓の外の鮭に見守らながら鮭を食べ尽くすのだ。

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酒かす鍋は具材たっぷりでいろんな味が出ていてまた良い。

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そして、温かい鮭の焼漬けに、醤油腹子もたっぷりで、土鍋炊き立ての岩船コシヒカリを食べる幸せ。

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なんだんだ美味いものが米に収斂させる新潟なのだった。

デザートの焼き芋プリンは堆朱の菓子皿に乗って。お銚子が入っているのも堆朱の…なんというんだろう、徳利袴?とかいうのかな

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日曜のお昼だけど、どうも、お客は私たちしかいなかったぽい。能登新と新多久、村上の二大美味の店で、続けて貸切状態で恐縮してしまう。おいしいものをありがとうございました。

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新多久と能登新、なるほどミシュラン好みで星を取るのは新多久なのだなとわかるし、どちらかと問われれば新多久を勧めるけど、能登新は昔ながらの構えで村上の伝統の味を守る価値のある店であり、結論から言うと、夜に新多久でおまかせコース、昼に能登新で鮭のコースを頼んだのは正解だったのだった。そもそも、新多久は能登新から分かれた店であり、今もとても仲が良いようだ。店で見た本も、

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鮭のごちそうの本は、この2つの店で監修しているらしい

満腹幸せな気分で、さらにお散歩。村上は茶処、自家製茶のお茶屋さんが街中に何軒もある。昨日行った常盤園、九重園、のほか、富士美園にも

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どこも店に入るとお茶をご馳走してくれて、町屋を見学させてくれたり。紅茶や烏龍茶も作っているので買い物も楽しい。新多久で飲んだ水出しの煎茶も美味しかった。冬以外なら店の裏の茶畑とかも見られるかな。

本来ならば「イヨボヤ会館」にも行きたいのだけれど、緊急事態宣言の出ている地域から来ている人はお断り、とのことなので、仕方がない。また来ましょう。新多久もまた来たいし。前回の村上の旅についてはこちらで

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 で、さて。村上名物と言えば、鮭、お茶、そして堆朱である。漆を厚塗りして削って模様を掘る堆朱、新品で買うと相当お高いのである。なので、私たちは骨董屋に行ったのだが…

雪の中を歩いて辿り着き、どんなものか覗いて、これがまあ、テンションが上がる。さらに大変に蔵が深そうであり、話は良い具合に骨董屋なりの虚実ありそうでもあり、引き出し方次第で面白くなりそうだが、しかし、表層を舐めさせて貰っただけで、大満足な買い物が出来てしまった…歴史ある街の骨董屋は凄い。これについてはあまり深くは語らないことにしましょう

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 村上駅に戻り、特急に乗って新潟へ

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改装中で方向がわからなくなる駅をさまよい、ぽんしゅ館に寄ったり、さすがにぐったりして喫茶店で休憩したりして(今回はJRの非常に安い切符を買ったので、時間が決まっているのだ…)

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おにぎりを食べながら、帰宅したのだった

在華坊(@zaikabou)/2021年01月17日 - Twilog