日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

団地ナイト2、余禄。鑑賞に堪えるオタク芸ということ

http://d.hatena.ne.jp/zaikabou/20060225#1140891305
団地ナイトの話の、ちょっと続き。というか、石川さんと小林さんのご両人にコメントをいただいて恐縮至極。
http://fieldsmith.net/bslog/archives/2006/02/post_373.html
石川さんご本人が、blogで感想を書かれていた。んで、その中で大山総裁や小林さんの趣味に対する態度のようなものに言及があって…
大山総裁は、なんであんなにしゃべり、というか仕切りが上手いのかと正直びっくりした。で、その回し方にスタイルを持っていて、例えば団地の写真を見ながら話をしているときに、手前の木に興味を持った石川さんに「木はどうでもいいです。むしろチェーンソーで切りたい」と言ったり、会場に好きな団地はどれ?と聞いてみて「これが好きってのはまだまだ素人ですね」と言ってみたり、「団地にしか興味が無い自分」を、いや、もちろん実際にそうなんだろうけれど、そこの部分をさらにクローズアップして笑いを取る、という技法を使っていた。
それから、タイルの話で盛り上がる石川さんや小林さんに対しての「困ったひとだなあ」という発言。話が極端に行き過ぎようとしたり、あるいは趣旨から外れそうになったときに、笑いを取りつつ軌道修正するこの魔法の言葉を、大山総裁がかなり多用していた。これは技だな、と。
没頭しつつも、ふっと引きの視点を提示したり、逆に思いっきり突っ込んでみたり。メリハリをつけた進行をすることで、ダレないイベント進行を心がけていて、いや、たいしたものだ。
石川さんが上記のblogで書いておられる

大山さんはわりと自覚的で、「他人に理解できない奇特な趣味に没頭する人の振る舞い」がネタにされて消費されることに警戒的だ。でも、イベントの際には、それを警戒しているという自分の姿勢をネタにするような、さらにメタな態度が感じられて、それもまた面白かった。したたかな人だ。

ってのは、この辺のことかな、と。
あと、小林さんも『あくまでご自分の好みに没頭されている』ように見受けられる人なんだけれど、きちんと人前での話ということに弁えを持ってネタを挟みつつ話していて安心して聞けたし、石川さんは勿論、手達れたものだったし(すみません、偉そうで)
とにかく、「趣味に没頭する人」の話をきちんとエンターテイメントとして提供する技を見せて貰った感じで、大変感銘を受けました。

このあたりは唐沢俊一が度々日記の中で言及している部分なので、このへんに興味のある方は「裏モノ日記」をお読みになると、示唆に富んだ話がたくさんありますですよ。
http://www.tobunken.com/diary/diary.html