日毎に敵と懶惰に戦う

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東京藝術大学美術館 陳列館『資生堂・サントリーの商品デザイン展』

上野公園を歩いて、韓国系の教会の炊き出しを左目に、今日は60分待ちの国立博物館の阿修羅展を右目に、東京藝術大学へ。陳列館では、資生堂サントリーの商品デザイン展。これ、『第三回 企業のデザイン展』と銘打ってあって、おおそうだ、以前に、JRのデザイン展を見に来たことがありました。
陳列館『鉄道のデザイン』 - 日毎に敵と懶惰に戦う
今日の展覧会、空いているもんだとばっかり思っていたのだけれど。入場するために長い行列ができている。で、入ってみて納得。壁一面に資生堂サントリーの商品が、びっちりと時系列に沿って並べられている。それをじっくり眺めていったら、それは行列にもなりますわな…。入る時間はまだ短い行列だったけれど、出るころには、陳列館に入るまでに1時間はかかるのではないか、という大行列になっていた。
さて展示。資生堂の化粧水オイデルミン、サントリー赤玉ポートワインに始まって、時系列にびっしりと展示される商品たち。化粧品や酒(特にウイスキー)という、おそらく初期においては舶来品信仰が現在とは比べ物にならないくらい高かったろうものにおいて、国産品の価値を高めていこうとした二つのメーカーの商品ですからね。おのずと、デザインにも力が入ろうというもの。特に初期においては、資生堂の商品デザインに対する拘りが強く感じられる。
戦前の上質イメージへのこだわり、戦後すぐの派手好み、高度成長後の日本回帰、その後の透明感の表現とか、時代ごとに移り変わるイメージの違いも感じられて面白い。結構、これは黒歴史だよねえ、みたいな商品もちゃんと並べられているしね。企業広報的なスペースだと、こういうのはなかったことにされるかも。
で、ねえ。初期は圧倒的に資生堂のイメージが強いんだけど、21世紀を目前にしたあたりから、サントリーのパッケージばっかりならんでいるのだな。なんだろう、このころから、資生堂はデザインにあんまり力を入れなくなっちゃったのかしらん?イマイチ、ボヤけたイメージのデザインが多かったり…
2階はテーマごとに、商品デザインの変遷を紹介。いつも変らぬもの、時代の要請にあわせてガラリと変わるもの、そして回帰するもの。おなじみの商品の海外展開用デザインもあったり、ああこれあったよね!と懐かしく眺められたり、大変面白い展覧会でありました。ただし、6月1日で終わっちゃうんだよね…
詳しい紹介は、こちらの方の紹介も見てみてください
資生堂・サントリーの商品デザイン展 : 藤崎圭一郎の雑思録
公式サイト
第3回企業のデザイン展「資生堂・サントリーの商品デザイン展」
その後、芸大のアートプラザも。いいちこのフラスコボトルを買うとポスタープレゼント!は相変わらずやってるみたいだった。いいちこのかっこいいポスターがほしければ、ここに来るのが早いようですね。