日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

自転車で、宮ヶ瀬ダムと土山峠(下りだけ)


より大きな地図で 宮ヶ瀬ダム120km を表示
自転車で遠出するようになって、行ってみたい場所が二つあった。一つは三浦半島一周、もう一つは、宮ヶ瀬ダム。どちらも、日帰りにちょうどよさそうな…これ以上遠くはちょっとな、という距離だから。三浦半島は先日訪れた
自転車で、三浦半島一周 - 日毎に敵と懶惰に戦う
だから、今度は宮ヶ瀬ダムに行こうと思う。三浦半島と比べて勾配がありそうなのがちょっと心配だったけれど、いろいろ情報を集めた結果、わりあい楽に行けるようだ。というわけで、11月21日、予報では晴れて暖かくなると言っている。ユニクロのセールに出掛けたついでに、旅立とう。伊勢佐木町を出て、まずは高島の交差点へ。ここから、国道16号線を進む。全体、登り基調ではあるけれど、走りやすい道だからあまり気にならない。この道は先日も来ましたね…
境川サイクリングロードを目指したら、寒川神社にいた - 日毎に敵と懶惰に戦う
上川井のインターで、はて、所謂八王子街道のほうに進むべきか、国道16号線を行くか迷ったけれど、保土ヶ谷バイパスの高架下の国道16号線を選ぶ。路肩が広くて走りやすい。ただ、あの、自転車進入禁止ではないけれど、ママチャリなら進まないだろ、みたいな高架橋とか立体交差のトンネルね。ああいうところに入るのは、やっぱり緊張しますな…。246号線と交差

どんどん進んで、県道51号線とすれ違う立体交差はさすがに自転車進入禁止で、いったん下に降りて何気なく地図を見たら、ここで左折する予定だったことに気がつく。バイパスのようなところを進んでいると、知らない間に進んでいる…。で、相模大野の駅前へ。ここまでで22km。鎌倉、横須賀、品川、二子玉川、町田あたりは、自転車で来るのにちょうど良い距離なのですね。なか卯で朝飯。朝定食ではなく、親子丼にミニうどんという、贅沢なものを食べてしまいました。親子丼うまいわあ。店内は、これから仕事だろうか、作業着の一団。それと入れ替わりで、独居老人が何人か。こういうファーストフードで一人食事をする老人を見ていると、自分も将来はあのようになるのだろうか、とちょっとさびしい気持ちになるが、いやいや、人生を謳歌している人たちかもしれず、勝手に斟酌してはいけない。
相模大野を出て、地図を頼りに、相模女子大あたりの細い道を通って県道52号線に出る。この道をひたすら西進。相模原ゴルフクラブとか北里大学病院などがあり、緑が多くて快適…ではあるけれど、主要地方道なんでしょうね、車がこの時間から渋滞している。相模原公園を通り過ぎて、相模線の原当麻駅の脇を抜ける。なぜキリン…

あと、神奈川県内を走っていると、いたるところで見かけるアーウィン女性探偵社

どんだけ沢山野立て看板を立てているのか、どんだけ大組織なんだ、と思っていましたが、本当に全国的な大組織なんですね。以前、生理用品のパッケージにDVの相談窓口の電話番号を印刷しよう…みたいな話があって、DV被害にあうような女性の置かれている環境についてハッとさせられたことがあったけれど。この女性探偵社も、野立て看板の効果について、確たる実績なり信念なりがあるのでしょう、きっと。
そのまま、昭和橋で相模川を渡る

橋を渡った先の依知神社前の交差点。ここ、四方から大型トラックが縦横無尽に行き来して、交通の要所というか難所というか、慢性的な渋滞個所のようだ。この川の西側一帯には内陸中津工業団地というのが広がっていて、そして相模川には橋が少なく、神奈川県の道路事情は相変わらずお粗末であるなあ。で、ここから、相模川西岸の県道511号線を進んだのだけれど。これがいけない。川沿いの道だから走りやすいだろうと思ったら、道路沿いに工場だの倉庫だのが密集しているせいで、大型の車の通りが激しく、そしてとにかく狭い道なので、自転車で走るのは危ないことこの上ない。これは失敗。
なんとか抜け出して、高田橋際の交差点を左折、県道54号線に入る。ここまであまり目立った上りはなかったけれど、相模川を渡るためにこれまでの貯金をすべて吐き出していたので、結構な上り坂。相模川が、いかに周辺の大地を削っているかが実感できる。登り切ったあたりの相模メモリアルパーク、先日亡くなって叔母が眠っているのだけれど墓の位置を知らないので遠くから手を合わせるだけにして、そのまま54号線を進む。宮ヶ瀬ダムから流れ出る中津川に沿って進むころには、風景も大分良くなってくる

そしてダムの入り口、半原日向の交差点。ここまで44km。相模川から登るところ以外ではあまり目立った上り坂もなく、まずまず、ベストとは言えなくてもベターなルートだったんじゃないでしょうか。さて、ここからは中津川に沿って細い道にはいる。途中からは車両進入禁止で、自転車は押して行かないといけない

おー。そしてダムだ!

日本でも有数の規模、高さは156m。スケール感を喪失するなあ


曲線がなまめかしいです…ハァハァ

さて…ここで道は行きどまりなんだけれど、ちょっと裏技。いや、別に裏技ってほどでもないけれど。ダムの上に上がるにはエレベーターがあるのだけれど、実はこのエレベーター、自転車でも利用できるのですね。こんな道を進んで

この先に階段があるのだけれど、自転車をかついで登る。そしてエレベーターは46人乗りなので、自転車でも気兼ねなく乗ることができる

170mから290mまで標高を一気に稼ぐことができるわけです。私は、自転車で坂道登るのだいすっき!という人ではないので、便利なものは利用するのです。あとからインクラインの乗務員に聞いたら、エレベーターは自転車で利用していいですよー、ということだったので、公式のお墨付きルートみたい。どんどん利用してしまいましょう。徒歩で利用している人の迷惑にならないようにはしたいですね。
そうそう、一緒に乗った子供が、ダムカードダムカード!と騒いでいたですよ。そんなに有名なのか、ダムカード(笑)。そしてダムの上へ

いやあ、スケール感がよくわかんなくなるわあ


ひい…高くて怖い…。晴れているとランドマークタワーまで見えるらしいけれど、この日はガスっていて見えず。こっちはダム湖

さて、今日はインクラインが営業中なので、乗ってみましょう。ダムの上にダンプカーを運ぶために作られた施設を利用した、観光用の乗り物。前回来たときは、メンテナンス中で乗れなかったのだよね。前回って4年半前ですが
宮ヶ瀬ダムへ - 日毎に敵と懶惰に戦う
往復300円の切符を買って(片道でも300円だけれど)乗車

ケーブルカーと同じく、2台でバランスをとっているので、中間点ですれ違う

ダムを横から眺めることができます

上の写真の真ん中辺にある小さな穴、空気取りのための穴なんだけど、直径が1.3mあるそうな。どんだけでかいんだ、ダム。下まで降りたら、またそのまま戻ります。

なかなか楽しいので、ダムに行ったらぜひ。資料館に行ったら、今日のイベントは中止ですと

鹿の食害って…。さて、ずいぶんのんびりしてしまった。ダム湖に沿ってサイクリング再開。ゆるゆると自転車で走るのが、大変気持ち良い



水の郷というところにも寄ってみる。大きな吊り橋

…は、自転車通行禁止。歩いて渡っていたら、作業員の人が、電飾を取り付けている真っ最中だった。来週から、この大きな木がクリスマスツリーになるらしい。大変ですね

ぽつねんのある一本の紅葉した気が、なんか、良かった

この水の郷、結構な観光地なのだな。


お土産屋も食い物屋も観光地価格であまり食指の動かないものだったけれど、一軒、肉屋がやっている、実直な値段の店があり。そこでモツ煮込みを買って食べましたです。おいしかった。ほいで、この水の郷、おそらくこれから向かう土山峠を登ってきたひとなのだろう、ロードバイクに乗った人が大勢いた。あのローディーの派手な恰好、確かに見慣れたけれど、まだ見慣れない。以前、goldheadさんが、自転車に乗っていると釣り人に出会う、という話をしていて。そして、シマノで繋がる釣り人と自転車乗り、みたいなことを言っていたけれど。どうも、ファッションにおいても共通点を感じる。機能性を追い求めた結果の画一性と、どこか疎外された感じ…。
ここでも大分のんびりしてしまった。そろそろ出発しよう。泊りがけなら、このまま相模湖に向かっても良いけれど…

明日は天気が崩れそうだし、日帰りコースで。このまま、県道64号線、土山峠を下る。湖畔から離れてすぐに土山峠

この土山峠、自転車乗りには有名なところらしい。次から次に、自転車で登ってくる人たちがいた。私はすいません、ずるして上りました。そして峠から下りはじめてみると、なるほど、これは急こう配。登ってくるのは大変だろうなあ。私は楽チンだけどなあ。やがて清川村役場をすぎ、快適でのどかな道がすすむ。いやあ、こりゃ楽しいわ。下る一方だし。逆から登ると、こんな感じみたい
vol.6 土山峠から宮ケ瀬湖~仕上げはジェラート - 自転車 コースガイド : nikkansports.com
やがて右手に大きな山が。大山は左側かな?

そのまま進んで246号線、大山街道に出ます

ここでちょっと寄り道。三之宮比々多神社というところへ

由来を見ると、『当社の淵源は今から約1万年以上前まで遡れる』とか『御鎮座は初代神武天皇6年(紀元前655年)』とか、おいおい、という内容が書かれているけれど、古いのは確かでしょうね。もちろん、式内社であります。こういうお社は清々しくっていいですね。明治以降に作られた神社は、どうも好かん

比比多神社
また246に戻り、鶴巻温泉へ。しかしこの温泉、住宅街に旅館が点在しているだけで、あんまりおもしろくない温泉街だね…。ここから県道612号線に入り、南金目の交差点を左折、平塚方面へ。県道62号線を進もうかと思ったけれど、道に沿う金目川にサイクリングロードがあるらしい。で、行ってみたわけですが

うーん、それなりに整備されていて、看板もあるんだけれど、相当部分が自動車共用になっている。なんだかなあ。早々に離脱して、国道1号線を越えて

平塚市街へ。平塚駅

平塚に来たのははじめてなのだけれど、駅前も解放感があり、商店街も広くて賑わっている。さすが、古くから栄える街だけあって、確固たる存在感があるな、と思った。そしてなにより道が広い。自転車でも走りやすい。まあ、道が広いってことは、要するに空襲の被害が甚大だった、ということなんですけどね…
マクドナルドで昼飯にして、駅の南側へ。海へと一直線に伸びる大通りを進み、海岸に出る


あんまり一人で来るところじゃないよね…。自転車に乗っていると、どこに行くでもなんとなく恰好が着く、というのが、最近身に沁みる、ような気がする。ここからは国道134号線を東へ。国道134号線も、ロードバイク乗りが多い。なるほど、信号は少ないし、路肩は広いし、自転車に乗るのに実に快適。結構疲れていたんだけれど、その疲れもなんのその、ペダルも軽くあっとゆうまに湘南大橋(相模川の第一橋梁。拡張工事中だった)を渡って茅ヶ崎藤沢、江の島もあれよあれよの間に過ぎで、何度来ても素敵な鎌倉高校前駅


秋の日はつるべ落とし、もう日が暮れかけている。七里ガ浜の駅前には、夕陽を眺める人たちが


リアル・ラブプラスとか、まあなんとか、そういうの。もうちょっと進んで稲村ケ崎。こっちは、デジタル一眼をもった、気合いの入った人が多かった


案外、波が荒い。砂と戯れる子供がひとり

うーん、『砂の器』のテーマ音楽が頭の中を流れますね…

由比ヶ浜まで来てみれば、稲村ケ崎に日は沈む

あとは勝手知ったるいつもの道。相変わらず混雑する若宮大路を北上し、渋滞する道を進み

北鎌倉を過ぎて小袋谷の交差点を右折、鎌倉街道を進む。なんか、旅の終わりはいつも鎌倉街道のような気がする。なんとなく好きなんだとね。この道。弘明寺の商店街に寄れるのが良いのかも。いつもの酒屋を冷やかして、目の前の総菜屋でおからを購入。伊勢佐木町の銭湯で汗を流して温泉にどっぷりつかり、帰宅したのでありました。本日の走行距離、120km。次はやはり、小田原、箱根を目指すしかないのかな…
今回は、これも参考にさせていただきました
迷走神奈川130km〜峠から逃げ、気づいたら江ノ島にいたのこと〜 - 関内関外日記