日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

森美術館『六本木クロッシング2010』で感想に困る

暴風雨の音で、暗いうちに目が覚める。低気圧の通過に伴って、台風並みのものすごいことになっている。とはいえ何時までも嵐が続くはずもなく、東の空が白みはじめたころ、前線が通過したのだろうか、急に静かになり、雲が凄い勢いで流れていって、晴れ間が見えて見た。今日も良い天気だ!
天気予報を見れば、今日の風はまず南風、後に北風になるという。では、北に向かえば楽なのではないか。そういうわけで、9時過ぎに出発して、本日は国道1号線を北上したけれど…すでにして向かい風ではないか。前線が通過した時点で、北風に変わっているに決まっているではないか、ばかですねえ。ま、帰りが追い風ならそれで良いではないですか、昨日の筋肉痛もそれほどでもないし、順調に北上、多摩川を渡って馬込五反田。国道15号線に比べれば若干アップダウンがあるけれど、蒲田の踏切も無いし、多摩川も渡り易いし全体的に路肩が広いし、やっぱり、国道1号線のほうが走りやすいかもしれませんね。
ぽかぽか陽気だけれど、嵐の後で空いている街中、広くて快適な道を自転車で走ると気持ちが良い。白金一丁目の交差点を直進して麻布十番、六本木まで25km。六本木ヒルズも閑散としているような気がします
さて、本日のお目当てはこの展覧会
MORI ART MUSEUM [六本木クロッシング2010展]
六本木クロッシングは、今勢いのあるアーティストの作品を集めた、森美術館恒例の展覧会。今回も出展作家のチョイスは素晴らしいと思う。高嶺格の『Baby Insa-dong』、以前にZAIMで見たことがある。在日二世の奥さんとの結婚式についての作品。あのZAIMの展覧会、非常にレベルが高かったよな
ZAIM『ART LAN@ASIA アジアの新★現代美術!!』 - 日毎に敵と懶惰に戦う
去年のアートフェアの時、秋葉原で見て面白かった相川勝の作品も。
アートフェアを中心に、春の東京アート三昧 - 日毎に敵と懶惰に戦う
ロックのCDのジャケットからライナーノーツに至るまでそっくりに模写し、CDにも自分の声でモノマネをしている作品。この歌が大変下手糞で愛らしい。雨宮庸介の作品は、渋谷のワンダーサイトや日常/場違い展でも何度か見ている、小さな扉をくぐるとロッカーの…という例のあれ。本人が中でパフォーマンスをしていたが、印象が散漫な気がした。広さと高い天井を活かし切れていない感じ?この人の作品は、会場自体になんらかの意味というか歴史が付いているほうが活きるのかも。
Chim↑Pomは大人しめなインスタレーション、グラフィティ系の作品は、んー、どうなんだろ。読めない文字の名前の人は、正直美術館に展示して面白いものじゃなかったし、ガラクタを積み上げた作品は正直鼻白むような、おアートクオリティ。宇治野宗輝の、日用品を積み上げた“装置”がばかばかしくてすばらしい。今回、前々回の『AI WEIWEI』展に続いて
森美術館『AI WEIWEI ACCORDING TO WHAT?』 - 日毎に敵と懶惰に戦う
クリエイティブ・コモンズライセンスで写真を撮影、公開して良いことになっているので、公開してみます




作家:宇治野宗輝
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示-非営利-改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。


この作品が設置された部屋は、大きめの作品をとりあえず詰め込んでみました、というカオスっぷりを呈していた。それからね、写真では米田知子も、志賀理江子もいいですね。八幡亜樹のミチコ教会もBankART NYKの、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科の卒業制作展で見て以来、これも良い。森村泰昌のはコンセプトだけでクオリティが追いついていない感じ…加藤翼の、箱をみんなで引き倒す、というインスタレーションも面白かった。
と、ここまで、とにかくずらずらと脈略なく列挙してきましたが…。だってね、展覧会自体に脈略が無いんだよね…。敢えて言えば、身体感覚を取り戻す…的な方向の作品が結構多いような気はしたけれど、とくにそれを目当てとしてキュレーションしている感じでもない。入り口の照屋勇賢の作品からはじまって、とにかく集めてきた作品を並べてみました、という感じなんです。わざとそうしているんだと思うけれど、どうにもならなくなってキュレーションを放棄したようにも見える。
作品の並べ方も、光とか音とか、お互いの影響について無頓着な印象。そして…まあこれは、相当数の作品を別の場所で見たことがあるから、という個人的な理由によるのかもしれないけれど、『作品展』というよりも、作家紹介展、的な印象なんだよね…。網羅的にずらずらっと、いろんな作家の絵画が並んでいるような展覧会でも無い。大規模個展でもない。ギャラリーでの個展が脈略なく並んでいる感じ?今回の副題が“芸術は可能か?”なんだけれど、本当に可能なんだろうか、なんとも感想に困る展覧会。個々の作品は面白いんですけどね…
さて、美術館を出て、春霞(黄砂?)風景を展望台からちょっと眺めて。昼飯はマクドナルド。六本木の街全体が閑散としている。つるとんたんにだけ行列ができている。
自転車に跨り、飯倉片町から北上して溜池、総理官邸の脇道を抜けて国会裏、正門前を通って三宅坂からイギリス大使館前へ。すでに桜は咲き始めている。千鳥ヶ淵から近代美術館に抜けて、竹橋から北上して九段下。靖国通りを東進すると、小川町交差点あたりで、ローディの軍団、総勢15騎ほどに追い抜かれる。こんな都心でも集団走行するのね…。秋葉原は六本木の閑散など忘れてしまうような大混雑で、中央通りを北上して『3331 ARTS CYD』
3331 Arts Chiyoda:アーツ千代田 3331:3331 ARTS CYD
えーっと。いろんな意味で、今後に期待、とだけ行っておきます。普通に展覧会を見るつもりで訪れても、それほど面白い施設では無いと思います。あ、八谷和彦企画のこれはめちゃくちゃ面白かったです
八谷Pプロデュース「エクストリームDIY」by 中川基/荻野剛/鈴木ヒロシ:3331 Arts Chiyoda:アーツ千代田 3331:3331 ARTS CYD
さて、そろそろ帰ろう。中央通りを南下し、日本橋を過ぎて、帰りは国道15号線を南下…しかし、だんだん、南風が強くなってきたぞ。なんで行きも帰りも向かい風なんだ!…自転車だとよくあることではありますが…。そろそろ足もパンパンになってきて、かなり辛い。多摩川をやっと渡り、ますます強くなる向かい風の中、ひいこら言いながら進む。みなとみらいに出て、関東学院大学建築学科の建築展
関東学院大学 建築学科・建築展 - HOME / Exhibition of Architecture
大山総裁の話を最後のほうだけちょっと聴いて、展示も見る。赤レンガは連休で混雑、こんど赤レンガにオープンするbills、来週の土曜日ですね。今日は研修中なのか、店内に人が大勢いました。

コレットマーレを再訪し、タワレコ紀伊国屋書店を覗く。どちらも中途半端な規模と品ぞろえ…しかも、他の店舗に合わせて8時閉店では、使いにくいなあ。帰りは魚屋で総菜を買って、スーパーで半額になっていた豚肉を購入。ポークソテーを作って晩飯にしたのでした。美味しい。本日の走行距離は70km。最後のほうはかなりへばってしまった。2日で160km、風が強かったのもあったけど、やはり体がなまっているよ思いましたです。