日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

上野の桜と、赤坂『黒猫夜』の饗宴

8時ごろに起きて自転車で市場に行き、一旦帰宅して、昼すぎに出る。野毛の吉野屋で昼飯。節電で照明を暗くしているのは良いのですけれども。店奥にある電光掲示板、一番大事なメニューだけ、バックライトが消えておるぞ。そんなに、『店長オススメ500円メニュー』を注文させたいのでしょうか。まあ、野毛の吉野屋に来るようなのは、メニュー見なくても即断即決で注文できるような人ばかりですが。
大岡川へ。今日明日が桜まつりなのだけれど、桜はまだまだ。あったかくて良いけどね。日当たりの良い場所は咲いていたりしますけれど

全体としては、まだ、つぼみがほころんで来たかな、というところだなー

これは下流のほうなので、弘明寺あたりはもう少し咲いているかもしれません。根岸線の鉄橋を、製油所から北に向かう貨物列車が通り抜けて行きました

京浜東北線に乗って、延々と。田端まで乗り過ごしてしまい、あらあら、と上野に戻る。お花見シーズン、自粛を促す看板は出ているものの、特に自粛ムードは無し。ただ、例年に比べればランチキが無い、というところか。まあ、悪くないんじゃないでしょうか。東京国立博物館へ。この時期は、裏の庭園を開放しております

桜は一部咲いている…というところかな。枝垂れ桜が満開で、とてもきれいだったなあ

ポカポカあたたかく、ベンチに座ってしばらくのんびりと時を過ごす。静かで良い。その後、本館のほうの展示も。久しぶりにじっくり見た。震災の日に観たシュルレアリスム展以来、あまり展覧会を見ておらず、先日の森美術館『フレンチ・ウィンドウ展』にイマイチしっくりこなかったので、一回、気持ちをリセットしようかと。新年度でもあるし。やっぱり、トーハクの常設の揺るぎの無いところを見ると心が落ち着きます。

下村観山の『春雨』良いですね。あと、トーハクに来ると毎回、伊万里と鍋島にハッとさせられる。


鍋島は、ホント、日常使いしたくなるよね。美術館を出て上野公園を通り過ぎ、広小路まで。銀座線に乗って銀座、有楽町から東京駅前の界隈を散策。いつもは呼びかけが五月蠅いほどの有楽町交通会館の献血も、今は足りているのか、呼び込みはまったくしていない。
丸ノ内線の東京駅から赤坂見附に向かい、本日の夜はここで

黒猫夜

食べログ 黒猫夜

白酒の品揃えが豊富!という夢のようなお店。白酒って、日本の白酒じゃねえぞ、中国のパイチュウ、パイカルな。ビールで喉を潤したあとは、さっそく。10種類の白酒から3種類を選んで1200円、というのを。

ふおお、これは凄い。吟醸香の後に野生な香りが来たり、それぞれに個性が強烈で、そしてどれも複雑な味わい。白酒美味いなあ。杯を重ねながら、料理のほうも、不思議な前菜盛り合わせにはじまって、臭豆腐だの鴨舌だのパクチーサラダだの、素敵なものを沢山頼んでまいります。突き出しの豆からして、幸せな味付けなんだ、これがまた。
紹興酒、黄酒ですね、これの品ぞろえも滅茶苦茶豊富。最初に頼んだ『南方派』の年代物は、味と香りの一致しなさ加減が物凄い。枯れた香りなのに、滅法甘い。不思議だなー。台湾老酒、これはいかにもだけれど、実に美味いぞ。お食事はこのへんで薬膳風の山羊鍋へ。おおおお、美味い!なんとも滋味深い。そうこうするうちに、店主がサービスで20年ものの紹興酒を出してくれた。これまた、複雑で高貴な味わい…。おおお…。
サービスいいな、と思ったけれど、どう考えてもこのテーブルだけ突出して異常だったんですね。白酒と紹興酒の品揃えが豊富、怪しい料理の数々が…ということで、好事家のおっさんが夜な夜な集まる店かと思っていたんですけれども。ステーキハウスっぽい普通の内装で、お客さんもカップルとか女性グループとかが多く、お茶飲んでチャーハン食べてるとか、ああ、普通のメニューもあったんやー、という。我々の目にはまったく入っておりませんでした。うん、そんな中、良く分からないもの料理と酒から順番に注文しておりましたので。
〆に麺が欲しいですね麺が、というわけで頼んだのが、これまた、土鍋で出てくる鳥スープの麺、ふおお、鳥のエキスが!エキスが!濃厚で!ああ、幸せやー。最後にデザート行きましょう、達磨式パクチープリンって何?これにしてみよう。でねー、これまた滅法美味い!ちょっとびっくりしちゃうほど。美味しいお茶もいただいて、さてお会計。予想していたことではありますが、2人で、1人1万円越えと相成りました。いやいや、十分納得ですよ、これなら。
幸せな気持ちになり、ちょっとマクドナルドでクールダウンしてから、地下鉄と東急を乗り継いで帰宅したのでした。はふー