日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

明治神宮と、千葉市美術館『酒井抱一』

朝から西岡武夫の訃報に接したり、ギリシャに続いてイタリアも大変なことになっていたり、それでもベルルスコーニたんは相変わらずだったり。8時半ごろに家を出て、原宿へ。明治神宮文化館の展覧会を見に行く
明治神宮-宝物殿-
『和紙に魅せられた画家たち』は、和紙、墨、絵具の使い方の違いをじっくり観察すると大変面白い展覧会であった。江戸期の文化サロンとか徒弟関係的な絵描きの世界から、所謂、明治以降から戦後に続く『画壇』的なものへの変容も、和紙の使い方と併せて納得させられたような、気のせいかもしれませんが、そんあ展覧会でありました。あと、受付の女子がすごく巫女っぼい人だった。
何度来ても、これが人工の森とは信じられない神宮の森を歩き、いちおう参拝し、北のほうにある宝物殿へも

実ははじめて入る宝物殿の建物、今年、重要文化財に指定されたとか

明治天皇とその周辺の御物が並んでいて、それはまあ、であるんだけれど、目を惹いたのが歴代天皇肖像画だ。これまで、上野と越後の一宮で見たものは
下仁田から川治温泉へ - 日毎に敵と懶惰に戦う
弥彦神社へ。そして夕陽が綺麗だった - 日毎に敵と懶惰に戦う
いずれも佐川清氏奉納によるもので、画家もあまり聞いたことの無い人であったけれど、ここにあったのは馬堀法眼喜孝によるもの。なんだけれど、かつて見たものと構図もまるきり一緒だ。鎮座70周年記念に開催した展覧会の再展示…などとキャプションされていたので、その時に描かれたものなのだろうか。
馬堀法眼喜孝はお札の肖像画などで有名な人。各地の神社に奉納されているものは、その肖像画の模写を誰かがしたものなのだろうか。しかし、馬堀法眼喜孝で検索しても
http://www.makishimaisao.com/diary/93-20060301/93-20060301.htm
わりと迂闊というかケレンな感じがしなくもなく、果たして各地にあるものは模写というか馬堀法眼喜孝自身、あるいは工房的な制作によるものなのかもしれず。これについては、今後の研究課題としたいです。えーと、あ、そうだ、この宝物殿、教育勅語の英語訳とか置かんでもいいと思いました
北口から明治神宮を出て、少しあるいて千駄ヶ谷東京体育館のプールに久しぶりに。2時間半で600円。50mのプールは深さもあり、やはり水質の良さは素晴らしく、とても気持ちよく2km泳いだ。うーむ、やっぱりいいなあ、東京体育館
千駄ヶ谷の駅でカレーを食べて、総武線普通列車でうたたねしていると、1時間ほどで千葉駅。ヨドバシカメラはデパートの居抜きなのか窮屈そうな店構え…それはどうでもいいや、とにかく歩いて千葉市美術館

生誕250年記念展 酒井抱一と江戸琳派の全貌|2011年度 展覧会スケジュール|千葉市美術館
酒井抱一と江戸琳派の全貌』は、会期途中でかなり入れ替えがあるにも関わらず、なんという作品のボリューム。ほんとにお腹いっぱいになる展覧会。十二ヶ月花鳥図の素晴らしさは言葉を尽くしても表現できないすし、夏草図屏風は草稿と並べて見れてしまうし、宗達光琳に連なる風神雷神図屏風も見れちゃうし。仏画も面白いし…。鈴木其一だけ取り出しても立派に個展になるくらいの江戸琳派の充実ぶりだし。
図録も笑っちゃうほどの分厚さで、こりゃ見逃すと後悔する展覧会だと思いました。ま、それにしても、だ。書画に造詣深い大名家の次男であり、吉原に入り浸って文人仲間が沢山いて、文化資本の背景が憎らしいほどな人で、なんちゅうか、羨ましいですな!
たっぷり堪能して、また千葉から総武線快速、新橋溜池山王と乗り換えて代々木上原。夕飯はこちら

エンボカ 東京

食べログ エンボカ 東京

ピザとか、なんでも美味かったです。ベルギービールの品ぞろえも充実しておるし


誕生日のお祝い(誕生日は先月でしたが)までしていただき、ありがとうございます

ちょいと駅前でも時を過ごして、帰宅したのでありました