代々木上原『Matsushima』の幸せな夜
木曜日、朝から都内でお仕事。終わって、ちょっと銀座をぶらぶら
さて、本日の夜は、代々木上原のお店に行ったわけですが、ここ『Matsushima』
『めずらしい紹興酒とすこし変わった中国郷土料理やってます』ということで
あの黒猫夜出身のシェフがやっているお店と言うことで、黒猫夜での一夜の饗宴を思いだし、いやがうえにも期待は高まるのである
地下にあるお店は11人ほどの客席のこじんまりした店内で、座りましてですね、このメニューをみた瞬間、あ、これはすごいぞ、期待できるぞと
中国各地の紹興酒と黄酒が、いろいろ、揃っている。とりあえずビールを頼んで、本日は料理は6500円のコースにしたんですが、まず前菜の盛り合わせからしてですね
ビジュアルだけでテンションあがりまくりである…。羊の脳みそのピリ辛、鴨のフォアグラ、鯖の燻製、赤カブの漬物、鴨舌、牡蠣、そしてもう一つはなんだったっけ…
羊の脳みそを一口含んで、『ビール飲んでるじゃなくて、さっさと紹興酒に行くべきじゃないでしょうか』と真顔で話して同席の人たちに笑われて、そしてビールをチェイサーに、頼みました
紹興酒というのは紹興で作られているから紹興酒なわけでして、これは正しく紹興酒。やや癖あり、と書いてあったものの、酸味などのバランスがとても良い。
そして、鯖が馬鹿に美味い!燻製した鯖は基本的にうまいが、それにしても美味い。鴨舌の脂の具合とか、ほかのものもみんな、ほんとに良い…
そして二品目。料理名はもう、よくわかんないんですが、中国少数民族の名物料理。鶏肉を辛く炒めたチワン族の料理はハーブの具合と辛みが混然一体、豚の血を詰めたミャオ族の料理もうまい、そして、もうひとつ、チーズみたいな何かをフリットにしたものと、柿を合わせて食べると、これまた…なんかもう、食べながら笑顔になってきますね!
睡蓮菜の炒め物。台湾のものらしい、睡蓮菜。シャキシャキしていて歯切れがとてもよく、あまり味わったことのない食感、よいな、これも
よだれ鶏、ならぬ、よだれ牛である。イチボのお肉に、この香辛料たっぷりのソースが麻薬的。よい…。お酒もなくなったので、次に行きましょうかと頼んだこれが
ちょっと、すごい色。まっくろ。そして味もすごい。スモーキーなバーレイワイン、という風情で、甘味と、その奥底に酸味と、とにかく複雑な味わい。これは素晴らしい。とにかくこの店の料理も酒も、何もかも、複雑なのだ
黒酢の酢豚!真っ黒のソースの中に沈む肉塊。豚が存外あっさり仕上がっていて、そこに濃厚な黒酢のソースが絡んで、ああぁぁ…休む間もなく
これこれ、これが凄いのよ。発酵トマトのナマズのスープ。あっさりしたナマズも良いんだけれど、とにかくこのスープが!発酵したトマトの味わい、香り、口に含むたびにアドレナリンがどくどく出てます、としか言いようが無く
〆は羊とクミンのおこわ。そしてこれは
なんと、ヨーグルトと発酵唐辛子をかけて、さらに追いクミンして、混ぜ混ぜして食べるのだな。はああん…複雑な味って美味しい…。
食後には、サービスで出るにしてはかなり良い阿里山烏龍茶が出てきて、もう、何から何までスキが無いお店。幸せな味。時々は来よう、と思ったのでした。