赤羽『鮮芋仙』『丸健水産』と、Bunkamura『これぞ暁斎!』
土曜日6時起き。家事を片付けて日記を書いてからバタバタ出掛けて、横浜駅東口クロスポート献血ルームで179回目の献血、血小板20単位。タオルをくれました。
電車に乗って赤羽へ。駅を降りていきなり、『赤羽馬鹿祭り』の文字にぎょっとしますが、歴史の長いお祭りなのね
住宅街の中にある『鮮芋仙』という台湾スイーツの店へ行く。現地には何店舗もあるお店ですが、日本は出店第1号店。
先月プレオープンし、しばらく半額で仮営業していたので、その間は激混み。そのころの行列を捌いた痕跡がまだ残っていますね。
しかし3月3日から通常営業となり、だいぶん落ち着いたみたい。この日もお客さんはひっきりなしにくるけれど、余裕がある感じだった。メニューは芋圓、仙草ゼリー、豆花に、台湾スイーツらしく、小豆やら押し麦やらタロイモやらを入れるタイプのもの。仙草ゼリーと豆花はまだ準備中で、まもなく提供がはじまるとか
んで、あったかい芋圓を頼んだわけですが
トッピングを別にして提供されるのは、ビジュアル的なインスタグラム映えも意識したものか。あっさりした小豆ぜんざい風の芋圓は量がたっぷり。しかし腹にずっしり溜まる感じではなく、水分で妙に満腹感が…みたいな感じ。仙草干茶や冬瓜茶も容赦無い甘さで、本場そのままの味だった。
ひとりで食べ物とドリンクを1つずつ頼むと、食後のデザートには多すぎるが、これで食事にはならない…みたいな微妙な感じがある。メニューは試行錯誤中らしいので、値段を安めにして量を減らしてセットメニューにするとか、今後、変更あるかもしれません。冬瓜茶も本場っぽいけど、この甘さはちとつらい。
お客さんは台湾出身者もかなり多いようで、こういうお店は早々に撤退したりしがちなので、うまく馴染んで続いてほしいものです。
不思議な満腹感とも違う満腹感でうっぷとなったので、しばらくぶらぶら歩く。LaLaガーデンという、緑の大アーケード商店街は通行が自転車に特化されていて駐輪スペースが非常に多く、八百屋も安い。さっきから見ていると中華料理屋もたくさんあって、なんか赤羽、暮らしやすそうなとこだな
アーケードを抜けてしばらく歩いたところにある『沼野酒店』は、街の酒屋がクラウドファンディングでリニューアルした店。特徴的な品揃えの日本酒や日本酒リキュールを、試飲や角打ちができるんだけれど。
このお店が珍しいのは、一升瓶で仕入れて来た酒を、すべて300ml、720mlで量り売りしてくれるところ。このクラウドファンディングで日本酒で…というあたりで、そして日本酒の品揃えを見るに、KURANDと何か関係がありそうな感じがする。
一人暮らしで一升瓶の日本酒はなかなか買いにくいので、こういう、量り売りしてくれるのはよいかもしれない。新政も、個人に売るために一升瓶からすべて四合瓶に切り替えている時代ですし。駅からかなり離れた場所にあるし、どこまで続くか、なんとも言えませんが…
また来た道を戻って、業務スーパーを覗いたりしつつ、飲み屋がたくさんある路地に入り込んでみる。実は『鮮芋仙』に行く前に、駅からふらふらと『楽しそうなところ』と嗅覚が働くあたりを目指して彷徨ってみたら、面白そうな中華食材屋がありましてね。そのときはまだ営業がはじまってなかったので戻ってみたわけ。で、その食材屋さんもなかなか興味引かれる店だったんだけれど、問題は目の前のおでんやである
わたし知らなかったんだけれど、ここはセンベロ的な赤羽名所のひとつ『丸健水産』というおでんやだったのですね。おでんを買って、その場で立ち食い、飲めるという。1時ごろよりもさらに行列が伸びていたけれど、台湾スイーツで膨れた腹がこなれて、なにかしょっぱい物を体が求めていたので、並びました
おでんは1つ70円から280円、牛すじとはんぺんは大人気らしく、もう売り切れているみたい。そしてそそるのが『だし割り』の文字。行列に並んでいる人に割り込んで(だし割り希望者には割り込み権がある)、ご主人に残り少ないワンカップと50円を渡し、おでんのだしを入れてもらっている…これは旨そう…
立ち飲みスペースが空くのを少し待って、順番が来ておでんを注文。どれもこれも自家製の種がうまそう…。たまご、大根、スタミナ揚げ、銀杏、つみれ、がんもどき
お酒は北区の地酒、丸真正宗。これだけのおでんとワンカップと烏龍茶缶で1580円なり。そしておでんはどれもこれも、たいへんに旨い。味が濃い。たまごもめっぽう美味しい。これはたまらんわ…。お酒が残り50mlになったので(ちゃんとワンカップに目盛りが入っているのだ)、私もだし割りしてもらい
おでんの出汁がまた旨いので、そしてここに七味が少々入っていて、これまた、人間がだめになる感じの美味しさなのでした。おでんを食べてワンカップ飲んで、20分くらいでさっくり、という楽しみ方がとてもよいですね。
この路地から一歩出ると、かの全国区の知名度を誇る『まるます家』が。ここも行列しているな
ほかにも多店舗展開しているトロ函という店や、昼間からやっている素敵な飲み屋が沼のように点在していて、これは赤羽、大変なところであるぞ…と思ったのでした。
駅に戻ったらもう16時近く。結構赤羽でのんびりしたぞ。さてどうしよう…と逡巡した後、ワンカップ1杯のお酒も早々に抜けそうだし、渋谷に向かう。センター街にある、これまた台湾から進出日本第1号のドリンクスタンドを眺めて(たいそう行列していた)、東急文化村へ
今回の展覧会、河鍋暁斎の全170点以上の作品は、すべてイギリス在住のイスラエル・ゴールドマン氏所蔵のもの。わずか55ポンドで落札した暁斎作品のコレクションは、最近になって福富太郎の所蔵品も加えて非常に充実したものになっている。福富太郎さん、絵を集めるだけじゃなくて、結構売ったりもしてるんだよね
んで、ゴールドマン氏、なんで暁斎集めるんですかと問われて『たーのしー!』と、いや、そうは言わなかったと思うけど、とにかく『楽しいじゃないですか!』と答えたと展覧会冒頭にあるんですが、まさにそれ、今回の展覧会の作品、どれもこれも、とにかく見ていると楽しいのだ。
かわいいような怪しいようななんとも言えない動物たちの動きや表情、へんな妖怪、神様もやたらと人間くさくて、どれもこれも絵の中で遊んでいる。鍾馗様はそんなにしなくてもよいのでは…と思うくらい鬼を小突き回していじめて、鬼は鬼で、みんなで集まって鍾馗の絵を囲んでどうしてやろうか…と相談している。
春画も、どれもこれも工夫があって、いろんな物語の人物が登場したり、ウィットに富んでいて、笑ってしまう。
で、そういうのを描く河鍋暁斎の絵画技法が、とにかく上手いのです。狩野派で学んだ技術を下地にしたがらも、絵ごとにバラエティに富んだタッチで実に見事に描き分けている。絵をじっくり見ているのが楽しくて、2時間以上も会場にいてしまいました。河鍋暁斎展、これは見に行ったほうがよいと思います。
Bunkamuaraを出たらもう19時。目の前にある台湾料理の『故宮』という店に入り、いろいろ。青龍菜というのは初めて食べたな
牡蠣のオムレツとか。目鯛の炒め物は、豆豉がすっぱくてうまい
日本で米苔目が食べられる店は早々無いのでは
美味しく満足し、東横線で帰宅いたしました