土曜日、5時半に起きて家事をもろもろ済ませつつ、先週分の日記書き。8時過ぎに出掛けて、桜木町駅の川村屋で朝飯の蕎麦。横浜乗換えで上野へ。9時30分の開館時間に(と言っても、すでに行列は敷地内に誘導されているのだが)東京国立博物館に入る。茶の湯展の行列は入り口近くまで伸びていた
で、さて、少し遅くなってしまったけれど、『茶の湯』である。
これはもう、大変な名物銘品揃いで、こんなにまとめて見られる機会はそうそう無く、茶の湯の歴史と変遷も学べて、行っておくのがマストな展覧会であることは間違いないんですが…
そもそもが、使ったり、手に取ったりするための茶器の類が、ずらっと無機質に並んでいるのをただ見せられるのは、味気ないというか、虚しいというか、切ないものですなぁ…。いや、ま、気軽に使ったり手に取ったりできる人なんてほぼ皆無なんだから、見当外れなことを、といわれればその通りなんですが。
ただ、それにしても、なんだか切なさばかりが募ってしまったのは、東京国立博物館という広い展示空間でいかにも整然と並んでいたから、なのだろうか。
幾つか持ってっていいよ、と言われたら、床の間用に梅花小禽図と南蛮締切耳付水指、飯茶碗に小井戸茶碗銘六地蔵、おかず用のお皿に斗々屋茶碗銘広島と彫三島茶碗銘木村、あたりで良いです。普段使いができそうなものに惹かれてしまう。あ、あと、青磁下蕪花入、やっぱりすごいね…。
博物館を出て、上野のアトレのトナリノでタンメンを食べて昼飯。生姜増し
バベルの塔のコラボ企画をやっていたけれど、これ、飽食の罪で天罰が下りそう
電車に乗って東京駅。歩いて出光美術館へ
出光美術館『茶の湯のうつわ』を見る。東博の茶の湯展とほぼ同会期のこちらは、ほぼすべて出光美術館のコレクションで楽萩出雲唐津上野高取に京焼、唐物高麗安南、かなりストイックに茶碗と焼物が並び、比較してじっくり観察できる展覧会。松平不昧が遺した「出雲蔵帳」の特集展示もありました。空いてますね。
茶の湯展と違うのは煎茶の章があること。急須や涼炉に、景徳鎮官窯の五彩十二ヶ月花卉文杯が素敵茶杯で欲しいし、富岡鉄斎「陽羨名壺図巻」では明代の宜興紫砂壺の大家名手の名前と作品がズラリと並んでおり、先日、宜興に行って急須を眺めた、ついでに買った身としては、特に興味深く見たのでした。
富岡鉄斎の作品については、ここに一部画像が
富岡鉄斎「没後90年」(出光美術館)自在の画境 わくわくアート情報/絵画の見方・買い方/ウェブリブログ
有楽町銀座界隈で、地方物産の店を久しぶりにあちこちめぐってから、こんどは渋谷に移動。そして駒場東大前まで。久しぶりに日本民藝館へ
特集の江戸期の民藝も良いけれど、朝鮮陶磁がどれもこれも良くて、比べる話では無いが、茶の湯展に並んでたあれこれよりよほど魅力的に見えてしまい。暮らしと民藝の病膏盲に入る感あり。だって、使いたい欲はこっちの方が掻き立てられるんだもの…
また売店でガラス器をいろいろ眺めて、津軽ガラスのグラスを買ってしまった。この大きいほうね。小さいほうはやはり日本民藝館の売店で、10年くらい前に買ったもの
小さいほうは日本酒の酒盃だけれど、大きいほうはウィスキーのロックか、中国緑茶用かな。ガラス器は、最近は石川昌浩さんのが好きで、少しずつ買い足しているのです
5時近くまでのんびりして、東大の構内を抜けて
お茶屋さんに向かい、そこから幡ヶ谷へ。牛タン、おいしゅうございました
焼きもスモークもシチューも良い…
んで、また戻って、遅くまでお茶していたのでした
帰宅途中、東横線が人身事故で往生して日をまたいでしまったけれど、そんな土曜日