日毎に敵と懶惰に戦う

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香港3日目 マカオに渡って路地裏を歩き、謎の建築群に呆ける

香港3日目。昨晩、晩飯食ってるくらいが疲れのピークで、わりと今は元気。7時前に起きて、8時ごろ出掛けて、上環のマカオ行き高速船乗り場に歩いてたどり着いたのは8時10分ごろ。

日曜日は中国本土の人がやってきてマカオに渡るので混雑するから、チケットは先に入手しておいたほうが良いよ!というアドバイスも聞いていたんだけれど、この時間だとまだ大丈夫みたい。そしてマカオを渡るのにメジャーな港は、北側の半島側にある外港のほうなんだけれど、南側の島のほうにあって、空港に近いタイパ(氹仔)の港に向かうことにする。

タイパ行きの切符を売るTurboJetの窓口で、すぐに出る8時40分のチケットを、片道177HKドル買ったのが8時15分ごろ。ちなみに船会社はメジャーどころが2社、他にヘリコプターもあるみたい。セブンイレブンで朝食を仕入れ

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乗船口に向かったのが8時25分くらい。よく考えたら、いちおう、「海外」に行くのに、ずいぶん暢気な話である。出国手続きだってあるのに!

最初の関門でチケットチェックがあって座席指定シールを貼られて、向かった先の出国手続きをする窓口はけっこうな混雑。日曜日でお休みをもらい、マカオに遊びに行く住み込みで働くインドネシアの女子などが並んでおりまして。ジリジリしながら待って、ようやく通過したのが8時36分。結構距離のある乗船口までひたすら走る!だれも8時40分の船の乗船口に向かっている人がいなくて、かなり焦る…

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ゼーゼーいいながらたどり着いたのは8時40分ギリギリ…なんだけれど、まだ乗船口に人が大勢。どうやら、船が準備中で、乗船すらはじまっていないらしい。なんだ、焦って損した。実際に乗船が開始されたのは8時50分ごろ。

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佐渡に向かうジェットフォイルと同じく、80km/hくらいの速度を出して船は香港を離れる。そしてかなり揺れるので、静かに寝ていましょう。レンタルWi-Fiの電源を一旦切り(国が変わりますので)、TurboJetの船内Wi-FiTwitter少々。

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タイパに無事に到着し、長い長いターミナル内を出口に向かう。物凄く広すぎて、時間ギリギリでここ走っていたら泣いちゃうな。

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そして、香港なら広東語と英語が基本だったのが、マカオに来ると、広東語とポルトガル語と普通語(北京語)と英語が入り乱れていて、なんだかさらに複雑なことになっている。

実にあっさりとした入国手続きを済ませる。ちなみに香港もマカオも、出入国スタンプをパスポートに押してくれなくて、入国時にペラ紙1枚くれるだけ。スタンプほしい。

さて、ここから、島の南端、ザビエル教会などがある路環村に向かうんですが、交通手段をどうするか。マカオはバスも発達しているんですが経路がなかなかややこしいみたいで、少なくともタイパのターミナルから直接そこに向かうバスは無い。タクシーに乗れば解決だが、待て暫し。

ご存知の通りマカオはカジノ天国でありまして、ガチな中国本土の皆さんによって、ラスベガスの数倍の売上がある場所である。

ちなみに、マカオ(澳門)の地理について少し説明しておくと。世界遺産が多数ある北側の半島がマカオ半島澳門半島)、3つの橋で繋がれた南側の島がタイパ島(氹仔島)なんですが、南側全体が氹仔島ではない。島の北側は氹仔島、島の南側はコロネア島(路環島)である。その間に1969年に路氹連貫公路という埋立地が作られて、島が繋がった。その後、埋立地はどんどん拡張されて、2つの島がほぼ繋がって、1つの島のようになった。この埋め立て部分がコタイと呼ばれている。

北の半島側にはリスボアをはじめ、昔からのカジノ多数である一方で、このコタイ地区に、大規模リゾート型のカジノが次々に増殖しているというわけです。

話が遠回りしたけれど、これらのカジノはみんな、港や空港とカジノを結ぶ快適な無料バスを頻繁に運行しており、マカオ内の移動はこのバスを使うと大変スムーズなのです。ちなみに、マカオ、新交通システムを建設中で、あと数年のうちには出来る、らしい。 

澳門軽軌鉄路 - Wikipedia

んで、タイパの港を出ると、この無料バスがずらっと並んでいて、バスに案内するコスチュームのおねえさんたちがいるわけですね

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そのうちのひとつ、少しは路環に近づいたらタクシー代もやすくなるやろ…くらいの気持ちで、パリジャンというところに向かうバスに乗ったのです。

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このバスの中からも、わけのわからないリゾート施設が見えて、ふわーっ!となっているうちに到着。これまた、ふわーっ!なんだこりゃ。

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いわゆるIR施設とは、こういうものであるか…。日本に作ってもこういうことにはならないと思うが…。パノラマで

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ホテルのレセプションがこれ

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日本で作ると、大江戸温泉物語みたいになるんだろうか…。外に出てみても、もう、唖然としますね…

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しばし放心の後、路環村に向かうバスのバス停が近いことを知り、広い道路を無理やり渡ってバス停へ。路線図を見て、路環村に向かいそうなバスを確認し、3.2HKドルを払って乗車。

マカオは独自通貨のパタカがあるけど、基本的にHKドルはどこでも使えるのね。1HKドルを1パタカとして使えるんだけど、実際はHKドルのほうが少し価値が高いのがミソ。マカオの人が損しないようになっている。お釣りはパタカで出てくるけど、店によっては香港ドルで払った人には香港ドルでおつりをくれる親切な店も結構あるのです。

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集合住宅などめぐりながら、バスは路環村へ。

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有名なお店で(大阪にもありますが)エッグタルトを買って、浜辺で休憩。

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なんかすごいお城みたいのが見えるけど、あれは対岸だから、マカオじゃなくて中国本土なのかな。

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小雨が降り出す中、ザビエル教会などを見ながらしばし散策。

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いろんな文化がよくわからない感じでないまぜになっていて、楽しい

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中心地まで戻ってきて、目星をつけておいたポルトガル料理の店は、12時開店なのでまだやっていない。しばらくちいさな市場などぶらぶらしていたら、動物愛護団体がやっている猫の保護施設を発見。見学もできるみたいで興味惹かれたけれど、里親を探すのがメインだろうから、冷やかしはね…ということでやめておいた。

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で、12時ちょっと前にさっきの店に戻り、おひるごはん。すでに店内には数組のお客さんが

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ポルトガル料理の店ではあるのだけれど、中華料理も混じっていて不思議なメニューがよくわからない。とりあえずワイン頼んで落ち着きながら選ぼう。ハウスワイン500ml頼んだら、ずいぶんたっぷりきたぞ

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よくわからないなりに選んで、あさりの白ワイン蒸し、シーフードスープ、

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そしてダックライス。

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あさりの白ワイン蒸しにシャンツアイが入っていたり、そもそもダックライスとか、マカオ風ポルトガル料理なのかな。あさりのスープが美味いし、ダックライスも上に載ってるソーセージも美味いし、雰囲気も良かったし、サービスも良いし

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ワインもたっぷりいただきました。お客さんは香港からの観光客もおり、日本人もおり(あとから来た人は満員で、しばらくしてから来るね、と言っていた)。香港ドルで払ったら、お釣りのお札も香港ドルでくれました

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ちょっとほろ酔い加減でバスに乗り、

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座れたのでうつらうつらするうちに、橋を渡って北の半島へ。橋から見える建物も、なんか、おお…という、ちょっと言葉にならない感じが。金銀銅

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ちょっと思った経路と違ったので途中で適当に降りて、すぐ目の間にあるカジノを覗いたり。

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カジノの中の写真はさすがにありません。やっぱり撮っちゃまずいよね。怖いおじさん飛んできますよね。これからあちこちのカジノを覗いてみたんだけれど、どこも、中国の普通のおじさんおばさんがカジュアルな…というか街角で麻雀やトランプでもやっているような姿で、真剣にやっており、かなりの高額紙幣が飛び交っている。ラスベガスだと、もっとレジャーな感じなんだろうか

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カジノは様子を見るだけにとどめて、町の中をぶらぶら歩いてみる。世界遺産がたくさんある場所だけれど、もちろんそれも楽しいけれど、街中をぶらつくのがいちばん楽しいかな

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マカオの集合住宅が並ぶ街並みは、香港よりも台湾のそれに近い感じがする。なんでそう思うんだろう?車がすれ違えないくらいの狭い通りが縦横に走っている感じかな。マカオは人口密度が香港以上ですからね

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路地裏で、流行っているお店を発見。最香餅家という、お菓子屋。餅家というのは、パン屋のような、お菓子屋のような、そういうお店なんですね。杏仁餅、アーモンド入りの粉を固めたようなお菓子をその場で作って売っているお店。お兄さんが菓子木型に詰めて出すを延々繰り返している

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ここで買った杏仁餅、パッケージがかわいかった

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その後も路地裏をぶらぶら

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世界遺産の教会も少し覗いて。こういう路地にいきなりポットあらわれる

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で、また路地に入って…みたいな散策

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だんだん観光客が多くなってきたぞ

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そしていちばんのメインのセナド広場にやってきたんですが、まあとにかく人が多い。

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そのまま進んでいくと、日曜日の竹下通りか、という勢いで人がいる。香港とか大陸から来ているひとばかりなんだろうなー。

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そんな中で、繁盛している有名なお店で牛乳プリン、いただきます。義順鮮奶ってとこ

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冷たい牛乳プリンも、暖かい生姜牛乳プリンも美味しかった。お店の前に、香港とマカオと中国の通貨は1=1=1で換算するよ!あと、香港の1000ドル紙幣は使わないでね!という表示が。親切ですね、中国大陸だったら、不釣合いな大きな紙幣を出すと、露骨に嫌な顔をして受け取らないだけですよね…

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 お店を出て、教会など覗きつつ

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しかし、ほんとうに人が多い

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道筋にお店もたくさんありますが、同じ店が十数軒あるぞ

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売っているものはお菓子と肉の干物。マカオで一番大人気のお土産!らしいが。店内に入ると温家宝総理が2010年11月14日にきたよ!という写真が

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 『参観指導』と書いてあって、やっぱり、指導なのだなー。現地指導だ。いかにも指導してます風の写真も良い。で、さて、混雑する道の終点、クライマックス、聖ポール天主堂跡

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観光客で溢れております

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 そしてふと振り返ると、見えるのはりすぼあ

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聖ポール天主堂跡の地下で涼みつつ聖遺物など見学して、出てきても、目に見えるのは壁の裏側の向こうにりすぼあ

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あらゆる風景にりすぼあが入って、なんだかおかしくなってしまう。景観条例とか無いのだろうか

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やはりあそこにも行くしかあるまい…と思うわけですが、その前にちょっと裏道に入ってみると、表通りの押し合いへしあいとは一気に変わって閑散となるのだった。中国の人、流行のものが好き度合いでは日本以上なのだろうか

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人ごみをさけて裏道に入り込んだりしつつ、あのりすぼあを目指せ、というわけで

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途中、エッグタルトの店に寄ろうとしたけれど、大行列であきらめつつ

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やってまいりました、リスボ

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さっきからりすぼありすぼあ書いてますが、本来のリスボアはこっち。これもだいぶん狂ってますな

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マカオのカジノといえばリスボア。もともと、マカオのカジノの興行権を一手に握っていて、マカオをカジノ王国にしたスタンレー・ホーが経営していたのがリスボア。マカオが中国に返還されて、カジノの興行権は独占ではなくなったわけですが、その後も経営の手は衰え知らず。

260m、58階建ての、黄金に輝く「グランド・リスボア」のカジノがオープンしたのが2007年、ホテルのオープンが2008年。マカオのシンボルにもなっていて、1日に4万人が利用すると言われるのが、こちらなわけです。どーん

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 正面入り口はいればすぐにカジノ、広いフロアに何層ものカジノが広がっていて、ステージもあって、VIPエリアもいくつもあるカジノ、大小やバカラなど、中国人のお客さんがどこもここも真剣になっておりました。「グランド・リスボア」から「リスボア」への空中回廊もあって、カジノからカジノに直行である。

マカオは夜も楽しいのでしょうが…特にこのおかしいビルのイルミネーションを見たり、ホテルのショーを見たりするのも楽しいと思いますが、なんだかすっかり満足してしまったので、このあたりで失礼しましょう。ホテルの無料バスは長い行列ができていたので、普通に路線バスで

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結局、タクシーには1度も乗らなかったなあ。マカオ、ちょっと路線はわかりにくいけど、運転間隔が短いので、あまりストレスなく、バスでどこでも行ける感じだった。

さて、ターミナルに着いて

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さっそく帰りの切符を買ったのだけれど、いちばん近い時間で香港に帰る船が、なんと、19時30分。まだ1時間半以上ある。ターミナルで時間をつぶすのも勿体無いので、歩いていけるカジノ…もいいが、晩飯でも食いましょう

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カジノのまわりに質屋が並んでいるところが、実に即物的でよい。古くからあるショッピングモール的なビルに入ったらほぼ廃墟になっていて、基本的に皆さん、統合型リゾートの中ですべてをすませてしまうので、外に店があっても厳しいのかもな。それなりににぎわっていた路面店に入り

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ワンタンメンで軽い晩飯

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ごく、ざっかけない感じの食堂なんだけれど、高級食材をごたまぜにしたようなあまり頭のよさそうじゃない高いメニューも一応取り揃えてあって、カジノで儲けた人が勢い余って食べるのを期待しているのかも。しばらく、食堂猫をめでながらのんびり。

ターミナルの近くのカジノ(ここもリスボアグループらしい)や、ターミナルビルの売店を眺めて(嵩張らない高いものがいろいろ売られている)、帰りも定刻よりは少し遅れ気味の船に乗り

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キンキラキンに輝くマカオの夜景がだんだん遠ざかっていくのだった。帰りは行きほどの揺れはなく、静かに香港へ。今日はあまり遅くならずに早めにホテルに戻りましょう。ちょっとスーパーを覗いて買い物したり、不思議なコラボ商品を眺めたり

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コンビニにも寄ってビールを買って、ホテルに戻り、冷蔵庫に入れておいた残りのライチと竜眼をつまみにビール

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なんだかずいぶん長くいたような気もする旅の3日目、明日はもう帰国なんだなあ。明日もたくさん動くから、ゆっくり寝ましょう

在華坊(@zaikabou)/2017年07月16日 - Twilog