日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

福富町のこんにち、黄金町『南華楼』の衣の陰に鎧

土曜日、一般的な三連休初日。連休中は千葉市美に行こうとか山に行こうとか予定していたのだが、予定変更しておとなしく過ごすことにする。朝から掃除して、日記書きの続き。午前中に横浜トリエンナーレの記事を書く。

昼飯にラーメン作って食べて、島根出張の記事など、夕方には8月6日まで日記を書き進んで、とりあえず一息。夕方、買い物に出て、ドラッグストアやスーパーなどで買い物をしていったん帰宅後、私だけぶらぶら出掛ける。

伊勢佐木町をうろつき、明日閉店のピアゴを覗いたら、コメが10kg2980円になっていたり、お安い。その後、福富町に至ると『東北菜館 鉄鍋炖』という店が出来ていて、東北の鍋料理を出していそうでメニューを眺めてワクワクするのだが

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それよりなにより、2階から中国語のカラオケが大盛り上がりで聞こえてくるので、なんだか信用できそうな店だぞ、と思う。こんど行ってみよう

福富町のこの交差点、柳屋果実店が「ニュー柳屋果実店」になってテキヤみたいな屋台村みたいな店になっていたり

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本家筋の系統が複雑で、調べてもよくわからない、佐藤養助の稲庭うどんの店が出来ていたり

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見上げれば、西川口などにもある、羊肉料理の小城があったり

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混沌を極めていて、面白いことになっている。福富町も昔の雰囲気は残しつつ、だんだん変わっておりますね。

イーメールで軽く飲んでから、八央ぴーで日本酒をやりまして

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ラーメン食べて帰ろうかと思ったら目当ての店が休みで、普段は入らない店に入ってみた

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黄金町の南華楼という、街の中華料理屋という風情だが、裏に回ったらやたらと厨房の奥が深く、興味を持ったのだ。紹興酒を頼むとお銚子で出てくるのだが

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中華料理に限っては、こういう、やる気のない感じの店が存外油断できない場合がある。なんだかおつまみのラインナップが面白い、「ちゃんとしたもの」が出てくる店だ。

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ここでいう「ちゃんとしたもの」とは何かは議論が分かれるところだが、干し豆腐和えとか、セロリと湯葉とか、揚げレバーの塩コショウ炒めとか、そういうのを指しています

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干し豆腐ときくらげをつまみながら紹興酒を飲むと、非常に落ち着く。ちなみにメニューを眺めていた時、店の小姐は、裏もあるよ、と教えてくれたのだが

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この裏がですね、非常に面白い。店の人的には私の風体を見て、これは居酒屋代わりにしようという人相だな、と思ったんでしょうね、裏を勧めたんですよ。目玉焼きとかカレーコロッケとか100円で用意されている。こういうのを食べながら酎ハイでも飲めば、安い街の居酒屋として十分成立するわけ。

しかし、メニューの並びを見ていると、目玉焼き100円と、赤麹の豚バラ揚げ500円と、カキフライ2粒220円と、揚げレバーの塩胡椒炒め410円と、カレーコロッケ100円と、牛バラ醤油煮込み580円と、ベーコンとほうれん草380円と、カモ肉のスモーク400円と、非常に混とんとして混在してるメニューなのである。なんかすごい。そしてお勧めは赤麹の豚バラ揚げであると。

つまりこれは、街のざっけない居酒屋として成立しつつ、御徒町の老酒舗みたいな、本格中華居酒屋としてもやっていけるのだぞ、ということを示しているわけですね。だからもちろん頼みましたよ、赤麹の豚バラ揚げ

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これが、中国の街場のジャンクな旨味と、日本のざっかけない居酒屋メニューの美味しさが、見事に融合している、大変よいものだった。ここは良い店だ。

定食メニューもなかなか面白くて

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一見、なんということはない、中華というかもはや町の定食屋の風情なのだが、あさりチャーハンあたりは衣の陰に鎧が見え隠れしているし、カレーライスはもしかしたらとんでもないものが出てくるかもしれない、そんな期待を抱かせてくれる。

こういうお店が突然あるので、知らない店にぶらっと入るのはやめられないのであります。まあこのお店も、特に気にしなければ、街の中華料理屋、定食屋として必要十分なのだと思いますが…。

もちろん、こういう面白さに気が付いたからなんなのだ、という話であるし、気が付かないほうがまっとうに人生が送れるのかもしれませんが。いずれにしても、ダラダラ飲むのには良いお店かと思います。

https://twilog.org/zaikabou/date-200808