日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

日ノ出町『バンコク』のタイ料理と、浦賀から観音崎までの散策

日曜日、昨夜の酒が残っており、午前中はぼんやりと過ごす。すみません…。秋晴れのよい天気。昼過ぎに出掛けて、近所でひるごはん

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6月に出来たという『タイ料理レストラン バンコク』へ。宮川町界隈には、最近できた飲食店向けのテナントが多い。野毛の賃料が値上がりしていたので、これならペイできるぞ、ということで建てられた建物も多いのだろう。そういうするうちにコロナ禍に突入していまい、ちゃんとテナントが入っていない建物もある。

ここもそういうビルの一つで、しばらくはテナントが入っていないことを確認していたのだが、知らない間にタイ料理屋が入っていた。

メニューは豊富で、見るからに本格的なものが70くらい並んでいる。おなかが空いたので、とりあえずご飯ものと麺類を頼み、じっくりメニューを眺めて2つ追加する

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で、これがですね、どれもこれも味付けが上品、かつ本格的で、きちんとした仕事がされている。厨房で腕を振るっている女性は、タイから招聘した腕利きの人らしい。

豚の干し肉を使ったご飯ものとか、魚介のすり身のサラダについたソースとか、ほう、と感心するような面白さがあって、飾り包丁なども丁寧にされていて、これはよいお店だ。

店の中にいる人がみんな関係者ばかりだったり、いかにもな緩さもあるけれど、味はとても良い。また来よう。このお店、GoToEatの対象にもなっているので、夜なら予約してくればポイントもつくし、プレミアム食事券も使いたいところ。

おなかが満たされて、日ノ出町から電車に乗って浦賀に向かう。良いお天気だったから散歩したくて浦賀までやってきた

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浦賀は横浜から30分もあればたどり着くのだけれど、駅の近くにある用品店や生協のスーパーなどの空気感が、これは東京近郊の佇まいではない。どこか遠くの漁村までやってきたような風情がある。

叶神社に向かう。浦賀の駅を出ると造船所があり、入江があるのだが、その西側に回り込むと、叶神社がある。

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この叶神社、入江の西側と東側、それぞれにあるのだ。由緒書きによれば

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もともとこの西叶神社が総鎮守であって、江戸時代に東西に浦賀村が分けられたときに東にも分霊祭祀になった、とある。その「東西叶神社について」の文章がなかなか含蓄があり、『行政区分の分離は、それなりに各々の村意識を生じさせるのであって』という一文などは読んでいて楽しくなってしまう。

この西叶神社にお参りして勾玉を手に入れて、さらに東叶神社にお参りして袋を手に入れると、お守りが完済するというコースが出来上がっているようだ。

ということで、我々も東側に向かう。東西の間にはベルリンの壁は無いが入江が横たわったている。特殊機関を手を借りずとも、渡し舟という足がある。浦賀の渡し

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船着き場に船がいなくても、ボタンを押す対岸から渡し舟がやってきて、200円で向こう岸に渡ることができる。自動車があれば回り込んでも10分とかからない距離だけれど、観光客を含め、利用者はかなり多い。

東側の船着き場からしばらく歩くと、海に面した鳥居の東叶神社が現れる

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すぐ目の前の集会所の前では、老人ばかりでなく若い衆も集って昼から酒盛りが行われていて、それはまるで漁村の寄り合いのようであり、本当にここは横浜からわずか30分で来られる場所なのだろうか、と不思議な感覚に陥る。

この神社、社殿は石段を登ってすぐなのだけれど、その脇から、奥宮に続く長い石段がずっと続いている。森に包まれた200段以上ある急な石段をのぼる

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登り切った明神山の山頂は、かつての浦賀城の跡

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里見水軍の襲来に備えて、北条氏が拠点を構えた場所と言う。勝海舟が断食をしたという碑や、浦賀船渠の殉職の碑などを見ながら奥に進むと、房総半島へ向けて羨望が開けていた

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浦賀水道、房総半島を一望できるとても眺めの良い場所で、ここまで石段を登ってきた甲斐があった。ここから見える燈明堂は、江戸時代から、観音崎灯台ができるまで、重要な海の道しるべになっていたとのこと。

その燈明堂を見ながら久里浜に向かってもいいのだけれど、今日は山を下って観音崎に向かう。ヤマハのヨットスクールの脇を抜け、視界が開けると、見えるのがかもめ団地

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神奈川県営のかもめ団地は総戸数1600戸以上の大規模団地で、昭和44年から開発されたというから、当然、今は住民も高齢化が進んでいる。散歩するお年寄りを横目に進む。海上保安庁の官舎や、団地の一部など、今は閉鎖されてしまっている棟も目立つ

団地の脇を抜けてさらに進むと、だんだん、日が暮れてくる。海岸に突き出した橋の上からの眺めが良い

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遠くを通る船を見ていたら、あっ、と声が出てしまった

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昨夜、竹芝から横浜まで乗ったばかりのさるびあ丸ではないか。私たちが横浜で降りた後、伊豆大島を経由して神津島まで向かい、帰ってきたさるびあ丸が、浦賀水道に差し掛かっている。このあと、横浜の大桟橋に寄って、そしてまた竹芝に向かうのだ。

さるびあ丸を追いかけていたけれど、足が速いので、あっという間に遠ざかってしまった。人道のトンネルをくぐり、海岸沿いを歩き

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観音崎のバス停に着くころには、日も沈んでいた。バーベキューをしている親子連れがいる。今シーズン最後のバーベキュー日和だったかもしれない。

浦賀行きのバスに乗り、京急で上大岡へ。京急百貨店で大新潟展をやっていたので、ヤスダヨーグルトのソフトクリームを食べたり、いごねりを買ったり、加賀の井を買ったり、納豆がたっぷり詰まった栃尾揚げ。京急百貨店は空いているけれど思いのほか充実した新潟展をやっていた。

帰宅して、鮭をちゃんちゃん焼きにして、栃尾揚げなどで晩飯。食後に、一日早い誕生日ケーキをいただきます

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ご近所の散歩もまた楽し

在華坊(@zaikabou)/2020年10月25日 - Twilog