日毎に敵と懶惰に戦う

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箱根塔ノ沢の老舗旅館『福住楼』を2人で貸切る

新型コロナウイルスの第5波もピークアウトが明確になってきたし、ワクチンも2回打って1か月ほど経過しているので、そろそろ県内ならよかろう、また混みだす前に行こうということで、空いている旅館を探して予約し、箱根にやってきた。

箱根湯本の駅から歩いても15分ほど、塔ノ沢の老舗旅館『福住楼』である

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1890年創業、登録有形文化財にも指定されている宿で、小田急の宣伝にも登場したりしている有名な宿。

福住楼 FUKUZUMI-RO|箱根塔ノ沢温泉|明治創業の箱根の老舗和風旅館

しかしここにした決め手は、Twitterでフォローしている酒徒さんが楽しそうに滞在している呟きであって、落ち着いてゆったり楽しめそうな湯宿だなあ、と思っていたわけであり。

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重厚な玄関でチェックインし、いろいろ説明を聞く。

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廊下を抜けて部屋に向かう途中、お風呂はここで…と、いろいろ説明を受ける。この宿には入れ替えになる男女別の風呂の他に、家族風呂が3つあることは調べてある。

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風呂の前にある帳面に、入りたい時間に名前を書いておけばいいんですかね?と聞いてみると、そうなんですが…と一瞬逡巡した後に、宿の人曰く。今日は他にどなたもいらっしゃいませんので、いつでも好きな時間にどうぞ。

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え、つまり、貸し切り…ってコト!?こんな素敵な箱根の宿が、金曜日に貸し切りとか、本当にコロナやべえな…

ここの宿は川沿いにいくつかの棟が並んでおり、それぞれの部屋もひとつずつ凝っていて、作りが違う。。なので、部屋指定で予約することになる。今回は『桜五』という部屋を予約していたのだが、他に誰もいないので、別の部屋と見比べて選んでください、という。

最初に木造3階の『桜五』を見て、確かにしつらえなどはこちらのほうが素晴らしかったんだけど、同じ棟の2階にある『桜三』の部屋も見せてもらう。で、視線が少し低くて、道路が木に隠れて見えない、せせらぎに近い桜三にした

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部屋の奥の文机も良いし

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川を見ながら寛げる広縁もばかに良い…

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ずっとせせらぎが聞こえてくる。お迎えの菓子は、宿から歩いてすぐの老舗、ちもとの「湯もち」である

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早めにチェックインして良かった。とにかく他に誰もいないのである。なので、宿の七をあちこち探検し、他の部屋もぶらぶらと眺めてしまう

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どこの部屋も素敵だけれど、今回選んだ『桜三』は良いので、次回泊るときも同じ部屋でも良いな

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廊下を抜けた先には大広間もある

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大広間を抜けた先の縁側で、庭を見ながらくつろぐのも良い

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何しろ古い宿なので、あちこちに扇風機があり、これが無いとカビ臭くなってしまうのだろう。部屋に入った時は少し気になったが、しばらくしたら気にならなくなった

さて、何はともあれお風呂。

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ポスターなどにも登場する「大丸」という大きなお風呂があるが、そちらは共用の風呂なのだけれど、今回はこれも貸し切りなのである。なんだか申し訳ないような気持ち。そこは敢えて写真は撮らず…

貸し切りにできる3つの家族風呂は、もちろん、3つとも入る。どこもそれぞれに良い

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夜に入りに行った寝湯も、ちょっと変わった風呂でこれまた良い

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なかなか風情のあるバーは営業しておらず、今はちょっと物置のようになっていた

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さて

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晩御飯は部屋食。部屋まで持ってくるのは面倒でしょうが、部屋でいただくのです。どれも手が込んでいて、品があって、大変良いのだが、2人のためにこれを作っているのか、本当に申し訳ない…

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マツタケの土瓶蒸しまで供される。他にも陶板焼きやら、てんぷらやら

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お酒は神奈川の、いずみ橋で

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すっかり満腹になり、また風呂にざぶんと入り、夜はまだ長い。持ってきた茶器と、持ってきた良い中国茶で、お茶の時間

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宿の静かな夜

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翌朝も

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日の出とともに風呂に入り

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部屋で寛ぎ

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朝からお茶。箱根に来る時は、いつも、小田原駅前のういろうで茶菓子を買うようになった。上生菓子が早めに売り切れてしまい買えないこともあるが。今回は栗蒸し羊羹。ういろうが作っているだけに、ういろうっぽさがある。ういろうの菓子はみな美味い

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いや、しかし、素晴らしいなこの宿。また必ず来よう。朝飯もよいものだった

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衒いの無いまっとうなものを出してくれる。奥まで迷宮みたいな旅館だし、木造3階建ての建物が点在したりしていて、部屋まで運ぶのも大変でしょうに…

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急ぐ理由もないのでギリギリまで部屋でのんびりし、チェックアウト

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絶対にまた来るぞ、と誓って宿を出たのだった

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貸し切りになったのはこの日たまたまのことで、通常は予約もしっかり入っている宿だけれど、もちろん、大勢泊っていても間違いなく良い宿だと思う