日毎に敵と懶惰に戦う

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石狩上川の旅2日目 自転車でめぐる富良野と、倉本聰と堤義明

札幌のホテルでおはようございます

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昨日は雨だったけれど、今日はお天気がもちそう。土日も雨という話が当初はあったので、だんだん良くなっているのはありがたい。北海道大学のポプラ並木は、「車窓観光」ならぬ「宿窓観光」で済ませる

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あさごはんはプランについていたので、ブッフェにしたわけですが…

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これが大失敗…また朝飯を取り過ぎる…私が悪い…。なぜホテルの朝食はこうなってしまうのか。

しかし、朝食ブッフェも結構食べてるが、種類の豊富さと質の高さでトップクラスだな、JRタワーホテル日航札幌。いくら海鮮かけ放題丼と、北海道産の美味いチーズ食べ放題と、その他、同時にやれちゃうのが素晴らしい

小鉢に分けられたいくらや鰊や塩辛や数の子粕漬けや松前漬け、ゆめぴりかごはん、スープカレー、道内産のチーズ、シャケのチャンチャン焼きが入ったオムレツ、ジャガイモのグラタン、トマトなどの野菜、ホエー豚の生姜焼き、オニオンスープ、牛乳…道内産食材を豊富に使っていて、どれも美味しかった。

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ブッフェで取るときはマスクと手袋必須、和食のおかずはあらかじめ小鉢に分けられ、蓋の無い食べ物コーナーにはプラシートが掛けられていて、スタッフの方はフェイスシールド完備、座席間隔はかなり余裕があり、とにかく感染症対策がしっかりしているな、という印象だった。

35階からの眺めも大変素晴らしい、朝食レストラン

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すっかり満腹になって部屋に戻り、支度をして出る。チェックアウト時に宿泊証明書を受け取り、出てすぐの札幌駅バスターミナルへ

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9時30分発の「高速ふらの号」に乗る。2500円2時間半で富良野まで連れて行ってくれる高速バス、出発時点で半分以上の座席は埋まっており、最終的に7割程度の乗客だった。予約不要のバスなんだけど、乗り切れないとどうなるんだろうね?ちなみに、この日でもバスは半分くらいに減便されていたので、満員になるようなことは無い予想なのだろうけれど

バスは道内の長距離便を前提としているからなのか、座席間隔が広めで快適、トイレも付いている

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これは、8月末までに道内の宿泊施設に1泊6000円以上で泊まると貰える応募ハガキ。北海道観光振興機構主催だから、北海道の肝入りかな。1万円の宿泊券2000人とか、セコマ人気商品引換券6000人とか、人数が大盤振る舞いである。北海道や道内自治体全体で、コロナ後の観光振興にどんだけ予算を注ぎ込んでいるのか

時間通りに富良野駅に着く。昼過ぎだけれど、朝ご飯を山ほど食べたので、改めて昼食はいいや。いったん宿に向かい荷物を置いて、自転車を借りて、さて、めぐりましょう。

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自転車で走りだす。気温は23℃くらいで、自転車に乗っていたも大変快適。まずは、富良野チーズ工房に向かう

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試食したチーズもなかなかだったけれど、このできたてチーズソフトクリームが美味しい。チーズ風味なんだけど、しっかり牛乳なソフトクリーム

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坂道を下り、富良野の市街へ。ふらのマルシェへ

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農産物や特産品などを多く売っていたけれど、メロンはあまり無い。早々に売り切れてしまうのだろうか?トウモロコシなどほかの野菜もみな美味しそう。ポテトチップスを買う。

ちなみに今、富良野市は観光振興で宿泊者先着1万組にメロンのプレゼントをしており、駅前で立派なメロンをいただけるんですよね、ありがとうございます

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富良野市街から、北に向かって走り出す

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富良野方面へ。富良野や美瑛周辺は自転車向けの観光振興も充実していて、サイクリングのガイドマップやルート案内も比較的あるほう。

坂道は美瑛方面に行くと多いけれど、富良野から中富良野あたりを走っているぶんにはあまり無いので楽ちん

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そして自動車がみんなマナーが良い。交差点や踏切の一時停止を必ず守っている。ネズミ捕りがよく出るのだろうか…

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突如、左手の丘陵地に花畑が広がって、ここはなかふらの北星山ラベンダー園。しかしラベンダーの季節はほぼ終わっていて

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他の花をお楽しみ下さいな状態だった

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さらに走り、ファーム富田を通り過ぎて、宿の人に教えてもらった「ふくだめろん」へ。

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立派な富良野メロンが1/2切400円で食べられて、美味しくて素晴らしい。

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直売所の人も親切でよいところだった。

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ここから来た道を戻って、ラベンダー畑駅にちょうどノロッコ号が来るところだったので、ちょっと待って撮り鉄

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このラベンダー畑駅、要するに、この近所のファーム富田に行くための駅なのである。ファーム富田は、このあたりに観光に来ると、とりあえず行っとけな施設、らしい。

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ツアーでも必ず寄る。広大な敷地にラベンダーはじめ広い花畑、そして敷地内に何軒も立ち並ぶ、ラベンダーを使ったお土産を売る店。スタッフのユニフォームも、社用車も、すべてラベンダー色の、ラベンダーコングロマリット

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終わりかけだったけれど、まだラベンダーも咲いていて、ミツバチが盛んに活動していた

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さて、もう夕方なので、そろそろ晩飯に向かおう。モーターパラグライダーが空に浮かぶのを見ながら、来た道を戻る。

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富良野で自転車を借りると、チーズ工房、マルシェ、ワイン工場、カンパーナ六花亭…あたりが、普通のレンタサイクル周遊地のようだ。ファーム富田まで行くとちょっと遠いのかも。でも、せいぜい30km程度なので、丁度いいのでは?と思いましたが。

さて、ばんごはん。北の峰にある『ビストロ ル・シュマン』で。

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カジュアルだけど落ち着いた雰囲気の良い一軒家フレンチ。予約しておいたら、ディスタンスが確保されたとても良い席に案内してもらえた

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アミューズの豚のテリーヌ、肉のうまみがギュッと。野菜の酸味が嬉しい

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前菜の鯖とズッキーニのキッシュがばかに旨い。帆立のフリットはヨーグルトのソースも良いし、自家製ハム盛り合わせにメロン、どれも大変良いぞ…素材も良くて技術も高い。また当たりの店にきてしまった。

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このスープがすごい。トウモロコシの糖度の高さにビックリするコーンポタージュ。ちょっと貰ったガスパチョも、酸味がとても良かった。

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豚肉の赤身と脂身の旨さ、ビールを使ったソースの相性、付け合わせの野菜の味わい…がっつりしたボリューム含めてごちそう。少し交換した仔羊も良かったな…。

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デザートの富良野産ブルーベリーが大粒でフレッシュであり…とにかく、どれもこれも美味しかった。

宿からは車で送ってもらい、新富良野プリンスホテルへ。400室の大きなホテルだが、それにしても、森の中にクリエイターショップのログハウスが並ぶ『ニングルテラス』の規模の大きさに感心する

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夜はライトアップもしていて雰囲気良いのだが、店が16軒も並んでいて、ホテルの規模に比して、こんなに立派で大丈夫なのだろうか。不安になってしまう…特に今はコロナで人もいないし…

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そして新富良野プリンスホテルは、倉本聰肝入りのレストラン、カフェ、バーが森の中に点在している。

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『ル・ゴロワ フラノ』は倉本聰の理想で作ったレストランであると。今回、晩飯は最初のここに電話したのだけれど、すでに満員だったのだ。

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森の中の一軒家の演出がすごい。プリンスホテルが本気でリゾートやってた時代の残り火感が濃厚にある。

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さらに、森の一番奥にある『Soh’s BAR』は、本気で森の中に迷い込んだのか、と不安になるくらいの道のりの先にあるのに、そこに至る道がしっかり整備されており。しかし照明の加減が絶妙で、安全性を確保しつつ雰囲気を盛り立てて、その森の道の先にバーが現れる安心感まで、恐れ入るほどの完璧な演出がなされている。

倉本聰堤義明は麻布中高の同級生で、昵懇の間柄であるらしい。「北の国から」のヒット、富良野のリゾート開発、そして2人の深い関係、それによって、こんなにすごいものがつくられたのだ。西武にこんなことが出来た時代、1988年。

バブルのころの富良野はどんな雰囲気だったのだろうか。そして海外資本が多く入ってきている富良野、そのインバウンドが崩れ去ろうとしている富良野で、このホテルはどうなっていくのか。いろんなことが気になりながら、ホテルに戻る。

本日のお宿はログ由縁(ゆかり)。新富良野プリンスホテルと、富良野プリンスホテルの間くらいにある。オーナーは、東京で別の仕事をしていたころに妻が知り合いで、以前から遊びに来なよ、と言われていたようだ。今回、どこかにマイルで北海道に来ることになったので、遊びにきたというわけ

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手作りのログハウスは設備がとてもよく整っていて、もっとゆっくり滞在したくなるようなところだった。そしてこのログ、今度公開になる映画「糸」でも撮影で使われたそうな。

残念ながら諸事情あって今は予約を取っていないようだけれど、よいところに泊まれました

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シャワーを浴びてビールを飲んで、おやすみなさい

在華坊(@zaikabou)/2020年08月15日 - Twilog