日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

大阪徘徊日記

宿で目を覚ます。この『葆光荘』という宿、天王寺の駅から本当にすぐ近くなのだが、静かで落ち着いた日本旅館で、雰囲気があって素晴らしい。小汚いわけではなく、しっかり行き届いていて、きれいなのである。朝ごはんを500円でつけられるのだが、鳥鍋に焼き魚、目玉焼きに大根の煮たの、胡麻和えに漬物、それからご飯。大層立派で美味しかった。たたみの部屋でぐっすり寝られて、朝ごはんつけて5775円。いい旅館ですね。外国人が沢山泊まっていた。出掛けに、とても気さくで愛想の良い女将さんに『外国の方が多いですね』と聞いたら、『そうなんですよー、どこで紹介されたんですかねえ』なんて言ってた。

地下鉄の一日乗車券を買い、御堂筋線でなかもずまで。南海高野線に乗り換えて、しかし、急行の待ち合わせに8分も停車したり、のったりくったりした電車だが、とにかく大阪狭山市へ。狭山池博物館に行く。この博物館は、最古のダム池として知られる狭山池の傍らに建てられた、安藤忠雄デザインの博物館なのである。

それはそれは、安藤忠雄な、とても素敵な





博物館であるのだが、なにしろ人がいない。とにかく人がいない。これで入場無料。府立である。大丈夫か大阪府

内部も、溜池の堤の断面がそのまま移設されていたりして、極めて興味深い施設なんだけど、なにしろ本当に人がいなくて閑散としているのだった。
再び駅まで戻って、天下茶屋まで。堺筋線に乗り換えて恵比須町通天閣の前を通り過ぎて、大阪市立美術館へ。

『大阪人が築いた美の殿堂』という大規模な展覧会を行っていて、仏像や仏教絵画は重文のオンパレード、中国朝鮮の彫刻は随一のコレクションを誇るらしいがこれはあんまり面白くなくて、根付や印籠のコレクションは非常に面白かった。ほいでもって、一番良かったのが伊藤若冲の『疏(草冠がつく)菜図屏風』で、俺は伊藤若冲が好きすぎると思った。
それにしても圧倒的な物量で大満足なのであるけれど、展示室のうち古いほうは、照明設備が貧弱で、特に仏像など、後ろからだけ光が当たっていて顔が影になって良く見えないのがあったり。

たこ焼きを食べ、通天閣前を通って、日本橋でんでんタウンを歩き、黒門カレーを食べて、黒門市場を歩き、大阪ははじめての人みたいなコースで国立文楽劇場へ。一幕見が出来るんですね。直前に行ったので満員かな?と思ったが、そんなことはなく、客先の入りも7割程度。東京はチケットの発売と同時に満員になるのに、大阪はそんなことないのね。
『紅葉狩』の一幕を楽しんで1000円。客席の位置も決して悪くないし、文楽がどんなもんだか見てみたい、という人には一幕見はおススメですよ。
再び地下鉄で日本橋から北浜。中ノ島のぶらぶらと歩いて、

国立国際美術館


『エッセンシャル・ペインティング』展を。この10年間の欧米、アフリカの絵画展。具象画が多いのだが、一見普通のように見えて、どこかに闇が覘いているような、そんな絵が多い。ネオ・ラオホの題材の選び方が怪しげな絵画、マンマ・アンダーソンの室内の様子をスケッチしているようでいて、何者かが破調な絵画に惹かれて、ミッシェル・マジュリスの絵でずっこける。セーラームーンとか、そのまま画かれても困る。著作権どうなっているのか。
常設展のほうは、畠山直哉の写真が良かった。ほいで、小川信治の偏執狂な仕事に戦慄す。見たことがあるようで見たこと無い世界。
さて、もう5時過ぎだ。肥後橋から西梅田、東梅田経由で南森町天満天神繁盛亭にはじめて行ってみた。

最後まで見ていたら飛行機に間に合わないのだけれど、事前に調べたら仲入前が福団治だというので、久しぶりに見たいな、仲入で帰ればいいか、と思って来たのだけれど…。番組が変わっていて、仲入前が露の都になってた。あー…んー…、まあいいや。
天神の商店街をぶらつき、天満橋から地下鉄で東梅田。旭屋書店で本を物色。さて夕飯、ということで、まずは北浜の『阿み彦』でうなぎ。それから、心斎橋の川福でざるうどん。恥ずかしくなるぐらい名物のオンパレードだけれど、どっちもカウンター越しに厨房が丸見えの店で、待つ間、食べる間、調理の様子を眺めるのも楽し。うなぎもうどんも美味かったし。
心斎橋のキリンプラザオーサカで地場モノのスタウトを一杯やり、南海難波から南海電車関西空港。10時10分のJALの最終便で帰宅。つかれたー。