日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

函館出張日記

普段は自分の守備範囲では無いのだけれど、ちょっと函館に出張することになった。本当ならこの2日後に米沢出張が入っていて、間に年休を取って、はやぶさで移動して…みたいなことを、ワクテカ考えていたのだけれど。今になってみれば詮無い話だ。
京急羽田空港まで出ようかと思ったけれど、やはりバスの魅力には抗いがたく、横浜駅YCATから6時11分のバスに乗る。すっかり明るい街を、そして港湾部を眺め、横浜火力発電所や東扇島発電所がフル稼働しているのだろうな、と眺めながら、あっとゆーまに羽田空港。ラウンジでクロワッサン(お一人様2つまで!)とオレンジジュースとコーヒーと牛乳と新聞を摂取して、さて、7時40分発のJAL函館行き

比較的空いている便がスムーズに離陸し、進行方向右側の窓の外には関東平野、つくば山、そして東北へ

福島県浜通りから松島にかけての海岸が、遠目に見える。ここで起こったこと、今起きていることに思いを致しながら、しかし遠目では何が見えるわけでもなく、ただただ海岸線の形が見えるばかりで、それでもうとうとともせず、じっと見続けていた。眼下はしばらく雲に覆われ、晴れ間が覗くと、十和田湖

そして青森の街

さらに下北半島。雪に包まれて冬がまだまだ続いている東北から、飢餓海峡を越えれば、ああ、北に向かっているはずなのに。北海道の大地には雪はなく、柔らかい日差しの広大な農地には耕運機の姿が見えて、もう、すぐそこまで春が来ている。函館空港には定刻着、現地の営業の人と車で客先に向かったけれど、北海道も地震以来、韓国や中国からの観光客が激減しており、大変な影響を受けていると聞く。
客先は節電ムードがあるくらいでこれと言って地震の影響は無く。途中、昼飯をラーメン屋でとり、お仕事のほうは順調に、4時前には終了。近くの駅、函館本線の桔梗まで送ってもらう

地震で函館駅にもちょっと影響はあったらしく、列車の本数が若干削減されている。削減されようがされまいが、1時間に1本以下しか無いわけですが。たまたまころ合い良く列車が来まして

次は五稜郭駅。12分ほど走れば、函館駅に到着する


前回来たのは98年の8月、大学に入学した年だった。横浜から京都まで鈍行で行き、敦賀から小樽行きのフェリーに乗り、ほとんど夜行の特急や急行で夜を過ごしながら、北海道を一周。最後に函館を訪れたのだった。道内の夜行もどんどん削減される中、あんな旅行もできなくなってしまった。まあ、今しようとも思わないけれど…。まともに泊まった宿って、稚内ユースホステルくらいだったからなあ…。
で、まあ、4回目の函館ではあるのだけれど、最初に訪れた時も
記憶の曖昧さを確認しつつ、初めての北海道行きの旅を思い出す - 日毎に敵と懶惰に戦う
朝市でイマイチなイカソーメンを食べただけだったし、前々回はほぼ通過しただけ、前回は市電に乗って市営谷地頭温泉に行っただけ。まともに街を歩いた記憶が無い。というわけで、19時45分の飛行機まで、少し遊ばせて貰うことにしましょう。もちろん勤務時間には入れてないよ!(今月は深夜残業が多くて月刊協定をはみ出しそうなので、適宜調整…)
歩いて港のほうに向かう。歴史的な建物をうまく活用しようと言う意思は随所に感じられるのですが

どうもその、この倉庫街は

素材は良いし、雰囲気も悪くないはずなんだけれど、若干残念な感じが伝わってくるのは

なぜだろう。単純に観光客が少なくて閑散としているからだろう、とも思ったけれど、それも少し違うような気がして。無分別なお土産屋とか、小樽でもそうだけれどとりあえずオルゴール的な何かとか、その辺かなああ。倉敷は似たようなことをしても、こういう残念感が無いのだけれどな…。

こういうほうが好きだわ

とても空いているお土産屋で、六花亭のアレとか、おお、あるじゃないですか、じゃがポックル!最近は普通に手に入るのかな?(空港にも山積みだったよ)

そんなこんなを買ったら、スーツにカメラを提げた様相も合わせて、はじめての北海道出張です!みたいな恰好になってしまう。まあいいや。坂道のほうへ

見上げる広い広い道の雰囲気、坂を上って上から港のほうを見るのも、また雰囲気が良い

なんか、観光のポテンシャルの高い街ですね。ハリストス正教会など、もう見学時間は終わっているけれど、外観だけでも


それなりに、函館観光らしいことを

しまして

坂を下ってくれば渋い街を走る市電の姿

十字路の電停から、短い間隔で走っている市民の足、湯の川温泉行きに乗り

まずは函館駅の次まで。ガイドブックにも載っている店ですが、地元の人にも利用されているような店へ

働いているアルバイトのお姉ちゃんの適度にゆるい感じが、ああ北海道だなあ、と(偏見です)なんか安心し、厨房の中でおかみさんとかお姉さんが気軽に煙草を吸っているのを見て、また、ああ北海道だなあ、と(偏見です)安心する。北海道とか沖縄は、割合、喫煙にフリーダムよね。うん、気さくな感じでとても良い。まずは生ビールを貰って、日替わりのお刺身がとても豊富なので、ヤリイカとボタンエビにしようかな。大勢だったら、端から端までどんどん刺身を頼みたくなる!

おお、山盛りのヤリイカ、なんとも素敵な。ねっとりしていて素晴らしい甘味。うまいよー。お客さんは次から次に入ってきて、思い思いに刺身を注文している。ビールが開いたらお酒に切り替えて、あ、じゃがバターも貰おうかな

北海道のじゃがバターは、ご存じの方も多いと思うけれど、イカの塩辛が添えられる。えっ?と思うけれど、これが素晴らしく美味い組み合わせ。じゃがいもはほくほくしているし、これまた美味いなー。あんまり長居もできないので、あとはおにぎりを…。筋子とタラコのおにぎり

おお、でっかい!そして海苔の香りの良さよ。ご飯もおいしい…。うふふふふ、幸せである。リーズナブルなお会計でさっと済ませて、また市電の人に

終点近い、湯の川温泉を目指します

30分ほどのんびりと走り、湯の川温泉の停留所で下車。iPhoneの地図を頼りに温泉街を抜けて、海岸にほど近い公衆浴場へ

有名な公衆浴場の日乃出湯。脱衣所に、いろんなサイン色紙が貼られている。タオルを借りて、テレビから流れてくるローカルニュース、北海道から被災地に入っている自衛隊員が1万人以上、などというニュースを聞きながら服を脱ぎ。このお風呂の特徴はその熱さで、2つの浴槽のうち、加水していないほうは48℃あるらしい。汗を流して南無三、じゃぼん、と入ったら、おおおお、湯が食いつくようだ!それを見ていた地元のおっちゃん、
『はじめてかい?』
というので
『はあ、そうです。熱いですねえ』
と答えたら
『それだけ入れればじゅうぶんだわ!』
と、ちょっとオカシイ人のように見られる。悠長に熱いと言いながら入るような類の風呂ではないようだ。地元の人は、あんまり熱いお湯には入っておりませんでした…。なに、こちとら江戸っ子ですからね!熱いお湯には馴れておりますよ。上野の銭湯とかで。ま、ともかく、常連のおっちゃんたちの会話を聞くともなしに聞いているのが楽しく、北海道ってこんなに方言きつかったっけ?と思いながら。いいお湯でした、出来る限り堪能。ちょっとフラフラ(笑)
さて、湯からあがって、何時までも流れ続ける汗をふきふき、着替えているともう19時を廻って、テレビではNHKの7時のニュース。あんまりのんびりしていると、飛行機に間に合わない。まだ汗を流しながら出て、タクシーをつかまえて空港まで。オオ近い、1000円ちょいで到着。

お土産屋に溢れかえるじゃがポックルを眺めつつ、間の悪い仕事の電話の対応をしつつ、ふと見やれば、あら、見覚えのある営業の人が。
声を掛けようかと思ったけれど、なにやら大家族と別れを惜しんでおり、ちょっと声をかけづらい。なんというかなー、その、まるで、タイやフィリピンを離れる日本人のおっちゃんが、現地妻とその子供たちと、さらにはじじばばもひっくるめて別れを惜しんでいるかのような雰囲気。だので、そっとしておいたのですが、あとから人づてに聞いたところによれば、奥さんの実家が函館に近いらしく、その人達と食事でもして別れるところだったらしい…。変な想像をして大変失礼いたしました。
帰りの飛行機の中ではぐっすり眠り、羽田空港着、バスで横浜、乗り継いで桜木町、楽しい旅行…じゃない、出張は終了したのでありました