日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

恩地孝四郎、サイモン・フジワラ、エンテツさん

土曜日、あさごはん

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9時半ごろに家を出て、東京国立近代美術館へ。今日もいい天気

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恩地孝四郎展を見たのだけれど、まず圧倒されるのがそのボリュームで、1階のスペースに壁を迷路のように張り巡らせて、版画、本など、400点以上がものすごい勢いで並んでいる。

恩地孝四郎は戦前から戦後にかけて版画において抽象表現で革新的な仕事をした人なのだけれど、とにかく凄いボリュームで迫ってくる展覧会を、どう理解したものか、粗略が追いつかない。しかしその質感など、とても良い、ということはわかる。並べるような話でもないのだが、牧野伊三夫さんの仕事を見た時のような、良さ、がある。

いずれにしてもうまく言語化することができない感じで、これはもう1回、落ち着いて見たほうがいいのではないかという結論に達し、今日はその咀嚼できなさを抱えておくことにしよう、と。

その後、常設の企画スペースの『ようこそ日本へ』も見る。第一次大戦後の、インバウンド誘致や朝鮮満州への旅を誘う、政府や日本郵船南満州鉄道のポスター、ガイドブック、新日本八景の鳥瞰図など、素敵資料が山盛りになっていた。1936年制作の日本3週間の旅を案内する25分の映像や、同時期の東京案内映像など、お好きな方には堪らん内容だった。

美術館を出て、毎日新聞のビルでうどん食って昼飯。九段下乗り換えで初台へ。オペラシティアートギャラリーにて、サイモン・フジワラの展覧会

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サイモン・フジワラ ホワイトデー|東京オペラシティアートギャラリー

サイモン・フジワラはグループ展などで何度か見ていて、そのアイデンティティなどをテーマに、演劇的な要素も絡めつつ、一筋縄ではいかない、しかしググッと引き込まれるようなインスタレーションをするアーティストだ、という認識はあったわけですが。

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今回の展覧会も、なかなか、一見ではよくわからない、しかしなんなんだろう?と引き込まれるようなインスタレーションがずらりと並んでいる

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それはつまり、サイモン・フジワラが扱うテーマにしろ、その表現方法にしろ、非常に開いていて、普遍性があって、強度がある。だからよくわからなくてもなんかの内輪的なものかな?と投げ出す気になれない。じっと見て意味を追いかけたいという信頼を寄せられる。これまで、別のグループ展などで感じていたサイモン・フジワラへの感触が、そんな風に実態化できた感じがあった。

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あ、これは一発ネタのような気がしないでもなかった国立競技場ですがw

美術館を出て、渋谷に移動し、打ち合わせというか、一方的にしゃべったというか…。ハチ公前で待ち合わせなんか10年以上ぶりだったな!分かれて、チェコ大使館まで行ったらちょっと当てがはずれてまた戻り、溝の口へ。

『ふみきり』で、エンテツこと遠藤哲夫さんと坂崎仁紀さんのトーク。立食いの都市下層労働者からサラリーマンへの需要変遷、北関東の粉食文化、街場の蕎麦 と一味違う大衆蕎麦、関東の味とは砂糖と醤油、大衆食における出汁の意味、面白い大衆蕎麦大衆食堂の店情報、興味深い話テンコ盛りだった!

溝ノ口『ふみきり』は居心地の良い店で、トークのあとは、エンテツさんともお会いできてお話しできてうれしかったし、野毛をはじめあちこちの飲み屋事情に詳しい方、野毛闇市についての出版関係 の方、美術館関係の方、牧野伊三夫さんのお知り合い、歓楽街の社会学に知見のある方、いろんな方ともお話できて、とても楽しい時間でありました。

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野毛の戦後すぐの闇市についての本を、その場で編集の方から購入。読むのが楽しみであります。

22時頃出て、武蔵小杉経由で帰宅いたしました。

在華坊(@zaikabou)/2016年01月16日 - Twilog