日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

神奈川県立近代美術館鎌倉の、本館と別館にも

逗子駅から一駅、鎌倉駅へ。鎌倉は何時来ても人が多い。特に小町通りの混雑など、なんだかうんざりするぐらいだ…にしても、人が多いな。なにかやっているのかしらん?と思ったら、鶴岡八幡宮例大祭であった。明日は流鏑馬をやるらしい。
お囃子が絶えず流れる八幡宮の境内に入り、左手にある県立近代美術館へ。この建物、坂倉準三ですね。本日の展覧会は、やはり本日が初日の『建築と暮らしの手作りモダン アントニン&ノエミ・レーモンド』

http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2007/raymond/index.html
1919年に、帝国ホテル建設のためにフランク・ロイド・ライトとともに来日して以来、日本→アメリカ→日本と滞在し、数々の建築に関わり、その事務所では前川國男吉村順三も学んだ、アントニン・レーモンドの大規模な回顧展。イタリア大使館フランス大使館、今のロシア大使館も、この人の手によるものなのですね。前に行ったことのある、フランス大使公邸もやはりこの人の作品なのか知らん
http://d.hatena.ne.jp/zaikabou/20051126/1133010598
そして、今でもあるのだな、レーモンド設計事務所ってのは。
http://www.raymondsekkei.co.jp/index.html
霊南坂の家とか、軽井沢の夏の家とか、軽井沢の新スタジオとか、とにかく写真を見ただけで、ああ、こんなところで時間を過ごしたいなあ、という快適そうで気持ち良さそうな空間で。群馬音楽センターなんかも、すごいねこれ
http://www.inoue.co.jp/culture/レーモンド1.htm
展示は写真が中心だけれど、図面、模型、家具なんかも結構ある。この日は展示会場内が、なんだか随分騒がしかった。なんだろう?と思ったら、初日ということで、展示に関わった人たちが大集合していたみたい。“日米欧の研究者による調査による回顧展”ってなわけなので、海外の人が相当数いた。その後、みなさん、中庭でビールをあけて談笑していた。TBSのカメラも入っていた。


本館を出て、ついでに別館のほうへ

こちらは、斉藤清の墨画展。斉藤清というと木版画の人だけれど、墨画も描いていた。で、この、会津の雪景色、会津の農村が、大変に良い。民家の藁葺き屋根、そこに積もる雪、そしてのしかかる夜。墨の濃淡によって、やさしいのだけれどもとても重くみっちりと表現されていて、とても引き込まれる、力強い作品。韓国の寺院などの作品もいいんだけれど、会津の雪景色の数々がやはり、一番、良かった。
その後、北鎌倉まで歩き、横浜で下りてちょっとぶらぶらしてから、帰宅した。