日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

和様の書、東京都現代美術館、米田知子、パシフィックリム

病み上がりの土曜日。家で安静にしていたほうがいいのかな…とも思いつつ、まあいいや、お出かけしよう。プールはさすがに避けて、美術館などのんびりまわりましょう。
京浜東北線で上野へ。東京国立博物館で『和様の書』を見る。

すでに一度見ていたんだけれど
東京国立博物館『和様の書』が凄かった…で、選挙 - 日毎に敵と懶惰に戦う
あんまりすごかったので再訪。展示は終盤で相当数の展示替があって、前回とは違うものもたくさん見られました。正直、書がわかるか、と言われるとわからない。だけど、もうほとんど官能的と言っても良いような文字の美しさに、目で追うだけでドキドキしちゃって、うっとり、なんであります。書が難しい…とか考えずに見るだけで楽しい、昂揚感。さすがにお客さん、それなりに入っていたけれど、それにしたって、来週で終わるのに空いているよなー。
上野から山手線で神田へ。久しぶりに東京カオマンガイで昼飯。やっぱり美味いね!

セブンイレブンでコーヒー買いつつ南下し、三越前から半蔵門線で清澄白河へ。東京都現代美術館に向かう道すがらのかかしの群れが、よくわからんことになっている

東京都現代美術館では展覧会を縦覧
展覧会|東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
『手筭治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから』は、淡々と原稿などを並べました…という感じでイマイチ工夫に欠ける感じはしたかなあ、と。トキワ荘の再現ばかり力をいれてもなあ、と

後半にいろんな作家によるオマージュ漫画、作品があって、その中で水木しげるの、手塚も石ノ森も徹夜ばかりだから早死にしちゃったよね、で笑ってしまった。さすが水木御大。あと、つい先日、これ読んだばっかりだから、いろいろ面白くてですね…
http://blog.livedoor.jp/nwknews/archives/4188762.html
はい、つぎ
展覧会|東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
『おばけとパンツとお星さま』は、秀逸な夏休み企画。子供向けにたいへんよく練られた内容で感心。

Takさんのサイトに詳しいです
「オバケとパンツとお星さま」 | 弐代目・青い日記帳
はい、つぎ
展覧会|東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
フランシス・アリス』は、第二部、ということで、前回第一部は見ているわけです。メキシコシティ編では、メキシコシティでも拳銃剥き身で持ち歩いてるとパトカー飛んでくるんだなあ、と思いましたり(あたりまえです)、必死にトルネードを追いかける長尺の映像を安楽に寝そべって見ながら、この人は何をしてるんだろう…という感覚になったりしましたが。今回のジブラルタル海峡編はねー、どうなんだろう。前回ので感じたもやもやが、さらにもやもやした感じ…。ジブラルタル海峡波荒すぎるだろ…みたいな以上の感想をもてず。すみません。あと、これはなに
http://www.mot-art-museum.jp/alys/lounge.html
いちばんグッときたのはコレクション展でありまして…

http://www.mot-art-museum.jp/collection/images/201306/collection.pdf
http://www.mot-art-museum.jp/collection/images/201306/list.pdf
展示替え前は、関東大震災東京裁判にはじまり、中村宏池田龍雄石井茂雄(ぶるっ!展2部の再来かと)、会田誠戦争画大岩オスカール戦争と平和。トーマス・デマンドの制御室…ときて、ここまでが2階。3階に、指差し作業員、風間サチコの噫!怒涛の閉塞艦と、フクイチ関連が三連発で来るという、キレッキレの構成だったです。

「残像」というテーマを受け取っていただけてうれしい限り… @zaikabou: @ton0415 MOTコレクションは毎回楽しみにしてますが、今回、特に良かったです。見知ったものを媒介にして、イメージが拡がっていく感じ。キュレーションの力です!
https://twitter.com/ton0415/status/325461077821378560

今回、2階部分はそのままで、3階が夏休み向けにリニューアル。子供の目線の高さでありながら、媚びずに、問いかける、現代アートってなんだろうと迫る内容は構成も素晴らしい。最後の部屋の肖像ズラリは圧巻だったなあ。藪前さんのつぶやき、参考になります

担当しましたMOTコレクション、本日オープンしました。夏休みの美術入門編としてChim↑Pomホンマタカシなどの作品をもとに「他者との出会い」をテーマにしてます。解説、リーフレットは大人と子供別に用意しました。そして作品の展示の高さは、通常より30センチ低い子供目線。
https://twitter.com/ton0415/status/350978064777359360

承前)通常の絵画の展示の高さ、子連れ鑑賞にはつくづくネックでした。こないだ行ったある展覧会でも、ベビーカー脇において、20キロもある上の子を抱っこしながら見せていたら、ベビーカーから手を離さないでと注意されてしまった…。展覧会で、子どもは実質排除されてきたと言えるかも
https://twitter.com/ton0415/status/350978351852298241

MOTコレクション、見所はたくさんありますが、最後の部屋は一度やってみたかった、常設ならではの不思議空間を実現しました!通常は展示されないお宝作品満載です。そして一点一点に人生が濃縮されてます。ぜひ企画展にいらした時には忘れずにお立ち寄りください!
https://twitter.com/ton0415/status/350979090540535808

そんなわけでたっぷり堪能して、美術館を出て清澄白河。大手町、霞が関で乗り換えて六本木に出て、明日までの森美術館のLOVE展を再訪したら中がすごい混雑。森アーツのハリー・ポッター展の行列と合間って、人でみっちりしていて、早々に退散…にしても、エレベータで下に降りるだけで10分も待ったよ、大変ね。
地下鉄二駅、東京都写真美術館
東京都写真美術館
『米田知子 暗なきところで逢えれば』は、風景や室内が纏う気配の濃さをと、キャプションの重みと見直して感じる歴史の積層、そして見る見られる関係、そんなものの中で立ち往生してしまって、どう向かい合うかだんだん困惑する。見たあとの、疑問、と呼んでもよさそうな引っ掛かり。その困惑自体はそのまま受け止めたいのだけれど…
ただ、キャプションを張り付ける位置とか、一緒に配られるパンフレットに写真の説明とか、どういう比重でどういう順番で見ていったらいいのか、どっちを先に見るかで印象が物凄く変わってしまうので。その差異みたいなものも作家としては意図したものだとは思うんだけれど、鑑賞者としての振る舞いをもう少しコントロールしなくてもよいのか、作家の意図はちゃんと反映されているのか。映像作品(これはイマイチ…)の音が会場全体の漏れまくっている件も含めて、展示構成としてはいろいろ疑問のほうが先に立ってしまった。
美術館を出て、少し遅れ気味の沼南新宿ラインで一旦帰宅、また出て、ブルク13へ。やっぱり劇場で見なければ…と、『パシフィック・リム』3D吹替で見てまいりました。もう散々、好きものの方が語っているので自分が言うこともないですが、ほんと、ハイクオリティでお約束オンパレードの怪獣ロボットプロレス特撮映画!まったくもってじつに正しい映画で素晴らしかった。いろんなところにニヤニヤしっぱなしでした。そして吹き替えがいちいち素晴らしいね!千葉繁
なんだかんだ、大変活動的な土曜日になってしまったのでした。ベイスターズは本日もスワローズから7点差を逆転、今季は巨人阪神に続いての7点差逆転。まあ見ているぶんには面白い野球ですね…
在華坊(@zaikabou)/2013年08月31日 - Twilog