のお宿のベッドで目覚めて2日目。本日の夜には北京駅から夜行に乗る、なかなか慌ただしい行程。朝飯を食べて、昼間の四合院のお宿を写真にパシャパシャ撮って
さて出掛けよう。東四の駅まで歩く。
胡同(路地)を歩いているとこんな看板をところどころに見掛け、一種の風致地区なんですね
その中で、内部まで入れる四合院があったので、ちょっとお邪魔してみる
入口に内部の案内図(というか、防災用の経路図ですね)が掲げられており。もともとは大きなお屋敷が2つあったんですかね?想像ですが
で、内部を勝手にぶらぶら。すみません
こういうのはみんな、昔は大きなお屋敷で、その後、内部を分けて人が大勢住むようになって、そして徐々に取り壊されつつあるんでしょうね
また胡同に出て…ところでこの、中国の街の至る所で見る赤い横断幕、横幅と呼ぶそうです
街中では爆竹は禁止
胡同から大きな通りに出まして
東四から地下鉄に乗って
天安門東へ。とにかく故宮を見ようとやってきたのだけれど、案内に従って駅から出た途端、ものすごい人波。そして安全検査的なものをあちこちでやっていて、そこに大量に人が並んでおり、どちらに進んでよいのかわからない。
天安門から通り(長安街)を挟んだ南側、つまり天安門広場側に出たのだけれど、私たちは天安門をくぐって北側、故宮に行きたいのだ。しかし、安検を抜けると天安門広場側、つまり南側の天安門広場側にしか行けないように見える。
とにかく道を渡らなければ…と、東側に向かって歩き出したのだが、どこまでも横断歩道は無く、振り返れば天安門は遠ざかるばかり。
ようやく地下道を見付けて道路の反対側に抜けて、これから地下鉄も別の出口から出ればよかったのかなあ、と思いながら進行方向を西に変えて、天安門に近づく。
警察官が天安門に向かう人を呼び止めて身分証を見せろを言っているぽいのでパスポートを見せると、なんだそれは、みたいな顔をしてから、いいから行って行って、みたいな雰囲気。天安門とか故宮とか、あまり外国人を想定してないんですかね。
しばらく歩くと安検のための大行列があり、パスポートを見せて荷物検査があって通り過ぎて、天安門前までやってきた。
ここに来て気が付いたのだけれど、最初に地下鉄を出た地点から安検を抜ければ、地下道を通って天安門前に出られたのですね。なるほど…
監視カメラなどの保安機器てんこ盛りの灯り
で、はい。中華人民共和国万歳、世界人民大団結万歳、である
天安門を通り抜けてずんずん北に向かえば
故宮博物院が見えてくるわけだけれど…。
故宮のチケットの売り場が無くなり、みんな携帯からチケットを買ってね、となったのはご存知の通り。自分も、中国の携帯電話番号を香港のeSender で取得しており、かつ、決済手段として微信支付が使えるから、勇躍、携帯からチケットを買おうと思ったのである。
だがしかし。香港のeSender 易馬通で取得した番号では、携帯電話番号によるSMS認証を通らず、弾かれてしまった。聞くところによれば番号により信頼度の格付け的なものがあり、簡単に取れる番号では通らない認証が多いらしい…
であれば、ほかの外国人と同じように、窓口で買うしかない。しかしながら、携帯電話で買う方法がわからない人向けに携帯の操作方法を教えてくれるブースはあるものの、その「窓口」がどこにあるのかわからない。英語の案内もどこにもない。一カ所、それらしき窓口があるのだが(この写真の右下)
建物に向かう途中で係員が通せんぼしており、英語が通じないその通せんぼ氏に何かを見せないと通してくれないらしい。
そのあたり歩いている係員に聞いても、携帯で買うための方法の看板を指さすばかりで、要領を得ない。なんとか、正面向かって左手前にあるサービスセンターを見つけ(ここのお姉さんは英語がわかった)、駆け込んで聞いてみたところ、やはり、さきほど通せんぼの人がいた窓口で買うしかないらしい。
なので、今一度「窓口」に向かい、通せんぼの人にパスポートを振りかざしたところ、あら不思議、通してくれた。なるほど…。
で、無事に、2人分のチケットを買えたというわけ。買えたと言ってもチケットの実体があるわけではなく、登録したパスポート番号がチケット代わりになるから、ゲートでパスポートを見せよ、と言われるのだが。
「窓口」から出てくると、さきほどの通せんぼの人の前で、地方から出てきたっぽい中国人のおじさんが困惑していて、チケットはどうしたら買えるのだ!と自分たちにも話掛けてくる。自分たちは外国人だから窓口でチケットを買えたけど、おそらく、中国人はそういうわけにはいかないのだろう。通せんぼの人と怒鳴り合いをしている中国人を何人も見かけた。
そしてこの顛末、20分間程度の間に、自分たち以外で見掛けた外国人は1組しかいなかったのである。外国人ももっとたくさん来るだろうから、分かりやすい案内のひとつもあるだろう…という予想が甘かったのだ。外国人、故宮に全然来ない。もしくは、中国人民の数が多すぎて、外国人がまったく目立たない。いやー、ほんと、中国は外国人観光客を積極的に受け入れる気は皆無ですね…。ここまで来て諦める人も多かろう。
パスポートを見せてゲートを抜けて、さて、故宮。広い。でかい。
そしてここからさらに、展示物のある空間に入るのは、別料金になっている。その窓口でもパスポートを提示してチケットを購入(こちらはすんなり買える)。
しかし…故宮の宮殿を眺めるのがメインで、常時展示してある展示品はあまり多くないのだな。
その展示品自体、人が多すぎてろくに見られず。とにかく、日曜日なので人が滅茶苦茶多いのです。
売店に入ると、乾隆帝が見たぜウェーイなスタンプセットを売っていて、ちょう欲しかったけど。店員さんにメイヨーって言われた…残念…
北側の出口から出て
目の前の景山公園(ここは有料だったけどパスポートの提示は不要)に
のぼり、裏(北側)から故宮を眺める。とにかく今日は天気が良くて、見晴らしがよくて、よかったなあ…
景山公園からさらに北側もよく見えた
景山公園から降りてきて、路線バスに乗る。
海外に来て路線バスなんてよう乗らん…と思っていたけれど、高徳地図があれば路線バスは実にラクチン。特に地下鉄でいちいち荷物検査のある中国の場合、路線バスが大変便利なのだ。
路線バスを降りる。北京の街、こう、まじまじ見ていると、かなり殺風景な感じがして、やはり上海と雰囲気が違う。北のほうだからかな
帝冠様式というべきなのか、なんというべきなのか、高層ビルの上に中国式建築物がちょこんと乗ったようなのを時々見掛ける。戦前の日本的な国威発揚なのだろうか
そのへんのお店で軽く昼飯を麺で済ませて
馬連道の茶城へ。
なんだかんだ、ずいぶん長居してしまった。茶葉市場は上海でも広州でも行ったことがあって、広州の規模がとにかく段違い、次いで大きいのは北京と聞いていたけど、そうなのかな。なんか上海のほうが、各地に点在しているとはいえ、全体としては規模が大きい感じはするが…
いくつかのビルに入ってみたけれど、並んでいるお茶は黒茶と白茶ばかりで、茶器も紫砂の茶壺が非常に多い。
烏龍茶、緑茶は少ないし、景徳鎮を扱うところも少ない感じ。広州ならば潮州が近いから単ソウが…とか、上海なら緑茶や景徳鎮が…とか、ある程度特長があるんですが、北京の場合は茶産地が近くないから、流行り廃りに左右され過ぎるのかなあ。個人的な感想ですが、茶葉市場に行くなら広州か上海か、あるいはもっと茶産地そのものが面白そうだな、と思ったのでした。個人の感想ですが。
市場を出て、スーパーを覗いて果物を買ったりして、そのあたりをぶらぶらしているうちに、だいぶよい時間になってしまった。地下鉄に乗ってホテルに向かい
荷物をピックアップし、タクシー呼んでもらおうと思ったら、夕方で混雑しているから地下鉄のほうが早いよ、と。お言葉のまま、地下鉄に乗って北京駅へ。北京の環状線の地下鉄、真ん中に故宮があって、駅名が「なんとか門」ばかりで、まさに環状線、という感じで良いな
そして到着、北京駅だ!
高鉄がどんどん発達して、北京西とか北京南のほうが遠くに向かう列車の発着はあるんでしょうけれど、やはり折角だから北京駅から旅立ちたい…と。まずは窓口で切符を発券。
発売日に中国鉄路の公式アプリから予約購入したT109次の軟臥のチケット。春運も落ち着いたとは言え、T109次は発車前の段階では完売だったので、ちゃんと買っておいてよかった。
切符を買ったら、いかにも駅の食堂!という感じのスペースで晩飯。
これがふたりぶん、合計40元くらいとは有り難いですね。物乞いのおばちゃんが来たり、携帯のバッテリーを売り歩く人がいたり、年季の入った人民服を着こなすおじいちゃんがいたり、庶民的である。
で、駅の構内へ。と、簡単に書いてますが、チケット売り場でパスポートチェックと荷物検査と身体検査、駅入口でパスポートとチケットの確認と荷物検査と身体検査、そしてその後も、改札でチケット確認、列車入口でパスポートとチケット確認、どんだけ厳重なのか…。いちいち大変なんすよ。
で、入ったこの駅構内が、最近の高鉄の駅には無い雰囲気で、素敵。待合室は発車する列車ごとに指定されるようになっており、2階に上がって待合室へ。こんな広大な待合室が8つくらいある
独特に香りが充満している感じも、駅ですね!という感じ。
ややあって改札がはじまり、我先に。全車指定席なんだけど、荷物の置き場を先んじて確保するためには我先に、になるのね。
そして、ホームに降りれば…ああ、いいですね!ぬるい鉄ヲタおじさん大歓喜、昂奮。
これが本日乗車するT109次列車であります
北京駅は高鉄もたくさん停まっている
で、本日の4人コンパートメントの同室には、年配の女性と中年の女性…おそらく親子が乗っており。すみません、私は中国語がわからないので旅の慰みの会話ができず申し訳ございません…。妻はちょっとわかるので尊敬するのです…。
荷物を片付けて、足元や頭の上にしまったりするうちにすぐに発車時刻となり、ほぼ定刻で出発。
車掌さんが廻って来て、切符を寝台の券に交換してくれる。自分が下車する駅に近くなると、再度、切符に交換しに来てくれて、寝過ごしたりしないようになってるんですね
さて、発車して落ち着いたら、食堂車に行ってみましょう。
この時間の食堂車は何をサービスしているというわけでもなく、静かなもの
なんにしても、寝台車乗ってるな!と思うだけでワクワクしちゃう。
広大な北京南駅で運転停車していたら、向かいに満州里行きの列車が入ってきた。少し遅れ気味だけれど、無事に出発し、さらば北京よ。
北京南を出ると本気を出し始めて、17両編成の客車寝台車は、140km/h超で安定して走行している。こんな速度で走って時刻は概やね正確で、2人個室から開放寝台から座席まで満員の長大編成で、食堂車もあって、そんな寝台列車が全土を毎晩縦横無尽に走っている、さらに高速鉄道は表定速度300kmに届き、毎年何千キロも新規開業…中国、鉄道の夢の国だな…
そんなことを思いつつ、寝台に入って、おやすみなさい…