旅の2日目、日曜日。午前7時47分、ようやく夜明け。ロンドンで空が映る写真を撮ると、かなりの確率で飛行機が入る
支度をしてホテルのあさごはん。英国人は朝飯はちゃんと食べるとは聞いていたが、確かにホテルのブッフェはきちんとしている。なんとかプティングというんでしたっけ、黒いハムのような何かが美味しい(しかし、パリで朝飯を食べた結果、比べると、うん…という感じであった)
さてお出かけ、サウスケンジントンの駅から地下鉄に乗ります
黒人女性が、駅の階段のわきに座っているホームレスの白人男性に声を掛けて、近くのスタンドに珈琲を買いに行き、ご馳走していた。ここ以外でもそういう所作を自然にする人を時々見掛けた。買って持っていたパンをさっと渡す人とか。身についているのだな
地下鉄の中でiPhoneをあまり出さないように…とか警戒していたのだが、昨日からの感じだと、あまり大げさに警戒しなくてもいいのかな、という気がしてきた。不通に電車の中で居眠りしているとかもいるし。まあ、油断しない程度で普通にやってきましょう
BANKという駅でDLRという電車に乗り換え。新交通システム的なものかな?一緒に乗り換えていた中国人カップルがいて、目的地は同じなのだろうけど、向こうもリーベンレン云々…と話していたので、日中韓だとだいたいお互い見分けはつく。英国人にとってはみな同じだろう
DLRは地下から出発して地上をとことこ走る。検札が回ってきて、コンタクトレスのカードを提示してチェックしたら大丈夫だった。しかし、地下鉄とこの路線は別料金らしく、本来であればホームの改札をタッチする必要があったようだ(降りるときはそうした)。検札ではじめてタッチしたから余分に料金をとらえているのかも…とか、あとから明細を見たがいまいちよくわからなかった。
他の男性は何やら揉めていて、検札の女性と何やら言い合いをした挙句、何も見せないまま、到着した駅にそのまま降りて行った。検札氏、どこかに連絡しているようだったけれど、どうなるんでしょう。
グリニッジの降りた駅から見えるのはカティーサーク号。中国からイギリスにお茶を運んでいた船ですね。現金が使えず、カードかコンタクトレス決済しかできない窓口でお金を払いチケットを購入して中へ。
お茶を一杯に積んでいた船倉には、茶貿易の歴史についての資料ががいろいろあって学び。この船、展示していた状態で火災にあったのだが、修復されてまた展示されている。船の材料はなるべく有効活用しているという。
そしてこの船、実際に紅茶を運んだのは数回で、あとは蒸気船に代わられたので、その後はオーストラリアから羊毛とか、大西洋航路とかで使われてたのだという。船を見に来ている人、中国人も多かったな
一番茶が非常に高価に売れたために、足の速さが重要だったティークリッパー、有名な「カティーサーク」号のお仕事が、お茶を運んだ後のほうが主だったとは知らなかったです。
甲板や当時の台所などもぶらぶら見学して堪能。船の下は空間になっていて、カフェなどもあった
これは、船の先頭につけられているものですね。いろんな船から持ってきたコレクション
船から出てお土産屋をのぞく。カティーサーク(ウィスキーのほうね)の25年物限定品が£225のところ、£175で売っていて、かなり迷った末パス。あとから後悔。メダルを加工するお土産のマシンが
日本だとこれ、専用の板を入れるけど、イギリスだとちゃんと硬貨そのものを加工してもいいんだね。
さて、お昼ご飯をたべよう
カティーサークが見えるレストランへ。チキンが名物みたい。店に入ると座席に通されて、レジまで注文に行って、出来上がると持ってきてもらえる方式。知らない国の店に入ると、どうやって注文したらいいのか迷いますね…
で、運ばれてきたのがこれである。鶏肉と芋と豆。英国感
鶏肉、確かに美味しいし、豊富に揃えてあるソースもなかなか面白いのだが、食べていると、なんというか、鶏肉だなあ…という感想になってしまう。たった二日で非常に不遜な感想であることは承知の上で言うのだが、イギリス料理、別に不味くないんだけど、なんというかな、料理という概念についてどう思っているのか、いまいち、よくわからない感じがする。
それはつまり、素材が組み合わさってるだけで、料理という行為によって、1+1=2以上の結果を出すつもりが無い、という。料理をしようという気が無いのではないか。出汁を取るとか、そういう発想がないのでは…。でーんと、鶏は鶏、芋は芋で出てきて、あとは自分で味付けしてやってくれ、という感じ。
自分はこれまで、現地行ったら現地の飯を食うもんだろ、なぜ和食とか短い旅行でも食べるのか、とずっと思ってきたけれど。単に私が、中華料理とかタイ料理とか韓国料理が好きだっただけなのでは?という気がしてきた。イギリスにいたら、美味しい和食が食べたいなあ、という気持ちはわかりそうだ…(それでこの旅の途中、中華料理を食べに行くのだが、そこでもまた衝撃を受けることとなる)
グリニッジに来たからには日本人的には天文台を見るべきなのかもしれないけれど、我々はカティーサーク号を見て満足したので、さて行きましょう。
テムズ川を高速で移動するテムズクリッパーに乗る
この船もコンタクトレスで乗れる。乗れるだけではく、コンタクトレスで払うとかなり安くなるので、みんな現金ではなくコンタクトレスで払うようになる。いずれにしても、専用のカードを買う必要がないし、旅人的には非常に便利。日本もNFCで決済できるようになれば旅行者は便利だが、Suica陣営的にはいろいろむつかしい決断になろう
とても足の速い船が、あちこちの船着き場に寄りつつ、ロンドンの中心部に向かう。テムズ川を行く船はとても速く、本数も多く、船着き場での挙動もキビキビしていて、瀬戸内の島航路のフェリーみたいに発着が素早い。通勤の足に結構使われているらしいが、これなら確かに使えるな、と納得。
ロンドン橋…ではない、タワーブリッジをくぐる。で、この日はテートモダンに行こうと思っていたのだけれど、それにしても非常にお天気が良い。こんなお天気が良い日は散歩に限る…と思い、予定を変更、終点まで船に乗る
ビックベンを見に行きましょう。観光客がごったがえす国会議事堂周辺をうろいろ
工事中のビックベンもよい…。普通の状態が見られなくて残念と思うか、珍しい状態が見られて満足と思うか。人それぞれとは思いますが。
ウェストミンスター寺院は、日曜日なので礼拝に来る人しか入れない
そのまま北上してお散歩。ビックベンに向かってお背中の人がチャーチル氏
ダウニング街10番地…ダウニング街の入り口から向こうは入れないのね
騎馬警察で記念撮影
そのままぶらぶら歩いてトラファルガー広場へ
ピカチュウ氏がパフォーマンスをしていた。といっても、立っているだけだが
お散歩はこれくらいにして、ナショナルギャラリーへ
いやあ…こういう、本場の「歩き疲れる系」美術館が生涯初めてだったので、うわぁ…しゅごい…と言うばかりであった…。やはりルーベンスは素晴らしいよな…。
フェルメールの「ヴァージナルの前に坐る女」にスマホのライトを至近から当てながら会話してるおっさんがおり、衝撃を受けた。写真撮影は自由だけど、さすがにそれはアカンよね…?
閉館までいたが、3時間弱では、駆け足でなんとか全体像を把握したぞ、くらいが関の山。しかし堪能しました。ナショナルギャラリーを出たあとは、またぶらぶらお散歩。
ロンドンは、繁華街がぎゅーっと凝縮されてるんですね。永田町から歩くとすぐにトーハクがあって隣から新宿が続いてる、みたいな。コヴェントガーデンでお茶屋を覗いたり、クッキー食べたり
そしてどこに行ってもなかなかトイレが無くて難儀。チャリングクロスの駅までお散歩して用を済ます
さて、ばんごはん。イギリスまで来たのに、ここで妥協してしまい、イタリアンにしようか、ということになる。だって、人から勧められる店、イタリアンばかりなんですもの…。サウスケンジントンから歩いて行った、晩飯、教えていただいた肉系イタリアンがなかなか混雑だったので、別のイタリアンへ
アンティパストの盛りが凄い。
そして自家製パスタのゴルゴンゾーラニョッキ美味い…。
ああ、ロンドンでもイタリアンは安心して食べられるのだな…ということを確認し、ホテルに戻ったのでした