日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

松涛美術館『廃墟の美術史』と、エリックサウスマサラダイナーの特にヤバい晩冬のモダンインディアンコース

土曜日。来週、人が遊びに来るということもあり、部屋の片づけを久しぶりにしっかりやる。途中、11時に中国鉄路の切符の予約購入。最初ぜんぜん繋がらなかったが、無事に接続できて軟臥のチケットを無事に入手

家を出たのは、なんだかんだで14時半。桜木町から渋谷へ。やってきたのはこちら

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松涛美術館『終わりのむこうへ:廃墟の美術史』を見る

終わりのむこうへ : 廃墟の美術史|松濤美術館

ピラネージからはじまり、西洋において、フォトジェニックな被写体、グランド・ツアーのお土産やネタとして廃墟が大いに画題になったあたりから、今日に至るまで、廃墟を描いた作品がたくさん。

日本に西洋画が入ってきたころの、亜欧堂田善や歌川豊春の怪しげな浮世絵が実に怪しげで良い。不染鉄の廃船も不気味でとても良い。西洋と日本の出会いにアンバランスさが、廃墟を描くことでより強調されている感じがある。

後半、シュルレアリスムにおける廃墟から、近年の日本の作家、大岩オスカール元田久治などの作品は見ていてとても楽しい。松涛美術館の雰囲気とも合ってて、とてもよい展覧会だった。

しかし、ちょっと、キャプションが詳しすぎて、なんだか読んでいて疲れてしまう。もうちょっとボリューム少なくても良かったのでは、キャプションの

その後、文化村へ。「板東俘虜収容所」の世界展という、大変興味深いものをやっていたので見ました

「板東俘虜収容所」の世界展 -100年前の収容所に花開いたドイツ文化と日独交流の歴史- | 展覧会情報 | ギャラリー | Bunkamura

第一次世界大戦後、ドイツ人捕虜が1000人以上いた収容所の記録。様々な文化活動、出版などが実に活発に行われていて、日本とドイツの文化の橋渡しにもなった収容所の記録はとても面白い。印刷物の鮮やかさ、演芸会のプログラムの謎のハイブリットさ、じっくり見てしまう。

このタイミングで展覧会を東京でやっているのは、「板東俘虜収容所」をユネスコの記憶遺産に登録しようという動きがあるようで、その活動の一環なのでしょうね

ぶらぶら渋谷の街を歩いて、本日もやってきました、エリックサウスマサラダイナー。ここでは2ヵ月に一度変わる、モダンインディアンコースというのがありまして、これまでも楽しんできたわけでありますが 

晩冬のモダンインディアンコースは、これまで比でも格段にヤバい。

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5000円でこれが楽しめるのは奇跡と言わなければいけない。日本人の南インド料理好き、という、極めて狭いストライクゾーンだけをめがけて投げ込まれた豪速球。

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和ダシと三つ葉のラッサム、鰹などの和風出汁がガッツリなのに、スパイシーさもマックス、そこに三つ葉がここまで主張するとは。

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加賀蓮根65と焼きケールのサラダ、単品で個性が強くてヤバい蓮根とケールが、合わせてフレッシュカッテージチーズを添えると、すごい絶妙なバランスで噛みあい、んほーっ!となってしまう。すごい

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ズワイガニと帆立、カラスミのトマトクリームマサラ フォッリエ・カルパッタ。旨味の濃過ぎるもの同士がっぷり四つに組みあって、ヤバ過ぎる方向に昇華されている

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梶木鮪の石窯レアステーキ マラバリ・タップナード添え。レアジューシーな鮪を食べて、あっ、すごく美味いね!となり、ブラックオリーブのディップ、あっ、すごく美味いね!とあり、それぞれでいいじゃんね、となったあとで、組み合わせるとですね…この奇跡的な邂逅!1+1が5くらいに!ゆでたまご理論はほんとにあったんだ!!

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岐阜県産山県ジビエ野生鹿をカトレットとローガンジョッシュで 紅玉リンゴのカシミリプラオ添え。こんな贅沢なカツカレーがかつてあったろうか、旨味浸み出る鹿カツレツとカレーとプラオが絡み合う。我慢出来ずにバスティマライスおかわりしましたが

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これ、ごはんだけでも相当うまいな?

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デザートは、温かいレモンカスタードハルワ 柿のシュリカンド添え。温かいケーキにアイスクリーム合わせる幸せと柿の濃厚ヨーグルト和えが優しいです…。

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マサラチャイも勿論ついてます、言い忘れましたがロティもついてて、リンゴバターがめちゃくちゃ美味いのです…。ワインはインドのロゼをボトルで貰ったけど、これもなんにでも合って、よかったなあ…。ほぼ一人でボトル開けてしまった

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とにかく、毎回素晴らしいが今回特に素晴らしい、モダンインディアンコース、2月末までなので、それまでには必ず行って欲しい…

 あのね、よく、知る人ぞ知る安くてめちゃくちゃ美味かった伝説の○○のシェフが一旦店を閉めて開いた△△は値段も結構上げて予約も全然取れないけど一度は行ってみたいよね…みたいのあるやん?いまのエリックサウスマサラダイナーのモダンインディアンコースは、この○○が気軽に日常な状態なんすよ。

2ヶ月に一度、こんなコースをまったく新しく作り出して5000円で提供してるの、あたまおかしい。もちろん、この幸せがずっと続いて欲しいし、イナダシュンスケさんの仕事をワクワクしながら楽しんでるわけだけれど、こういうものはとても危ういバランスとタイミングの上に奇跡的に成り立っている時間である可能性も、また大なのだ。だから、気になったら、気になったときに、すぐに行かねばならない

エリックサウスマサラダイナー、南粤美食、れだん…。大好きな店にはずっと続いて欲しいし、どんどん良くなると信じているけれど、やはり店には関係者の努力だけでは制御できないバランスやタイミングというのがあり、永遠に奇跡が続くとは限らないのです。だから、行きたい店には行ける時に行かなければならない

幸せな余韻に浸りながら帰宅…家の近所をあてもなく1時間ほど散歩して帰宅したのでした

在華坊(@zaikabou)/2019年01月19日 - Twilog