日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

ロンドンパリの旅 旅に出る前に

人生ではじめて欧州に行くことになった。以前からイタリアとかイギリスとか行こうとは思っていたのだが、なんだかんだ、長い休みだと航空券が高い、それ以外にはなかなか休みが取り辛い…と躊躇してきてしまった。しかし、一昨年結婚して、ちゃんと欧州も行こうと思ったのである。

と、言いつつ、結婚して以来、7月に汕頭と広州と香港、10月に台湾、2月に北京と上海、5月に広州と汕頭と深圳、そして12月に台湾と、5度も海外に行ってしまい、何が新婚旅行だか、よくわからなくなっている。だから、もう、特に名目が無くとも、迂闊に海外に行くことにする。

去年の10月ごろにとりあえず航空券だけ購入。当初は1週間ロンドンだけと思っていたのだが、ヒースロー出発時の空港税の高さに頭にきて、帰りはパリ発にした。JALの羽田-ロンドン、パリ-羽田で直行便にしたが、往復11万円くらいで買えるので、閑散期はありがたいことである。

その後、特に準備もせずぼんやりしており、欧州航空券取得後に決まった12月の台湾行きなどに意識が行ってしまっていた。年が明けてからパリは1泊だけと決めて、レンタルWi-Fiの予約、ロンドンのホテル、ロンドンからパリのユーロスターの切符、アフタヌーンティーの予約、ロンドンで見るオペラ座の怪人の予約、パリのホテルの予約…などを断続的に済ませる。全部ネットからできるのでありがたいことである。

レンタルWi-Fiは普段は1台だけ借りて2人で使うのだが、もしもはぐれてしまったような場合のことを考えて、今回は2台借りた。1日600MBの8日間で2台合わせて9000円ほど。

ルーブルでやっているレオナルド・ダ・ビンチ展も見ようとしていたのだが、油断していたら予約がいっぱいになってしまっていた。しかし、ストを何時までも長引いており、なかなか予断を許さない状況でチケットも出し渋っていたようで、まあ仕方がない。

ロンドンの入国審査はいろいろ質問されて鬱陶しいのであらかじめ自動入国ゲートが使える登録をしておこう…と思ったら、そもそも、去年から、日本のパスポートがあれば、事前登録なしで自動化ゲートが使えるようになったと知る。これは便利

ロンドン、ヒースロー空港の自動化ゲートでの入国レビュー。英国の入国がとても簡単になりました。ガトウィック空港でも利用が可能に。

しかしパスポートに入国スタンプは押されないらしい。スタンプが無いと、ユーロスターでパリに向かうときに面倒なことになったりはしないかと少し懸念したのだが、そのような注意を発している人もみないし、ま、大丈夫でしょう。

ロンドンは地下鉄をはじめ、コンタクトレス決済が便利だぞとTwitterなどを見て学んでいたので、コンタクトレスの支払いの準備はしておいた。クレジットカードに電波マークのようなものが付いていると、所謂コンタクトレス決済が可能である。これはNFC-TypeAという規格である。

Suicaや香港の八達通などは、ソニーが開発したFelicaという規格で、オーバースペックなこともあって国際的なデファクトスタンダード競争には敗れたのである。世界的に見れば非接触決済手段NFCだと思っていればだいたい正しい。

タカキューで発行したMasterCardがたまたまコンタクトレス対応だったので、これを使うことにする。また、JALcardが発行しているJAL Global WALLETというデビットカードもコンタクトレスに対応しており、クレジットカードからのチャージ、銀行口座からのチャージ、15か国通貨への両替などがスマホから簡単にできるとのことなので、これも作っておいた。

作ってはみたが、一度はお店で使っておかないと地下鉄で使えるようにはならないらしいという情報もあったので、試しに国内でも使用しておいた。ローソンなら概ねコンタクトレス決済が可能なのだが、お店の人になんと言ったら通じやすいのか不明。カードについているマークを見せて、これで…とおずおずと言ったら通じたが。

iPhoneNFC TypeAに対応しており、MasterCardのほうはApple Payに取り込めばスマホでも利用可能なのだが…。いちいちスマホを取り出す必要があるというのは治安の観点からどうなのか、とも思い、いちおう取り込んではみたものの、使わず、だった。

治安面については、何しろ犯罪の少ない中国台湾に慣れ過ぎてしまっているので、若干ビビっていたのだが、コートの中にサコッシュを肩から掛けてそこに財布とかiPhoneとか仕舞おう、程度の対応とした。

iPhoneについてもう少し書いておくと、iPhoneはまずNFC TypeA/Bに対応した後、主要市場である日本向けに、FeliCaにも対応した。そして最近のiPhoneは、世界的にNFC TypeA/BとFeliCaの両方に対応しているようだ。だから海外で購入した端末にSuicaを取り込むことは可能なのだが、海外からの観光客が自分のiPhoneにすぐにSuicaを取り込むことができるのかはよくわからない。

観光客向けにデポジット不要なwelcome Suicaというものは作られたが、これはそもそもiPhoneには取り込み不可で、チャージも現金のみ対応、返金も不可らしい。しかも28日限定というから、八達通みたいに次に来るときまた使おう、ということも出来ないではないか。素直に500円のデポジット払って普通のSuica買った方がいいのでは。

そして海外勢が普通のSuicaiPhoneに取り込めたとして、クレジットカードからのチャージは可能なのだろうか。Viewカード以外からは不可なのだろうか。

そもそも、私が、いろいろ画策してまでコンタクトレス決済を使おうとしているのは、ロンドンの地下鉄はオイスターカードで乗ると料金が最安値最適化される仕組みになっているのだが、コンタクトレス決済でも同じインセンティブが受けられると知ったからだ。ロンドンの地下鉄はそのようなインセンティブ無しでいちいち払うと、滅茶苦茶高いのだ。1回乗るだけで£4.90、700円以上かかる

2019年 ロンドン地下鉄の料金 みゅうロンドンブログ|オプショナルツアー・現地ツアーの[みゅう]

中国の30円くらいで乗れる地下鉄に慣れた身には驚愕である。これが、コンタクトレス決済なら£2.40になる上に、都心部のゾーン1~2だけ乗っている分には、何回乗っても£7で自動的に打ち止めになってくれるだ。

オイスターカードを£5のデポジットを払って買い、いちいち券売機でチャージをしなくても、手持ちのクレジットカードなりデビットカードなりで気軽にこのメリットが享受できるなら、使わない手はない。Suicaのように、10円以下の端数がお得になります、みたいなチマチマした話ではないのだ。

……すみません、相変わらず脱線が多いので、ちっとも旅に出られない。ともかくそういうわけで、コンタクトレスの決済手段を事前に用意したわけです。結果的には地下鉄もバスも船も乗れて非常に便利だったんだけど、便利さの余勢で失敗もしまして、それは後の話。

中国に行くときもこういうことに一生懸命になってしまうが、イギリスとフランスならgoogle mapsも普通に使えるし、中国に比べれば楽なものである。 (なお、下記の記事は3年前のものだが、現時点ですでにかなり古くて役に立たない部分がある) 

zaikabou.hatenablog.com

 美術館のチケット含めてクレジットカードとコンタクトレスがあれば現金はいらんと聞いていたけれど、骨董市や郊外に行くことも考えて、念のため現金も。いつもお世話になっている秋葉原インターバンクでポンドの両替。イギリス現地よりも遥かにレートは良いようだ。パリにも1泊滞在するので、ユーロも少しだけ替えておいた。

航空券のeチケットと、ユーロスターのチケットと、オペラ座の怪人のチケットはしっかりと印刷し、そんなこんなで準備をすませ、いよいよ、ロンドンへの旅立ちとなるわけです。なお、一番の懸念点である英語は、なんとかなるやろ精神で頑張ってこようと思います。

ロンドンパリの旅 1日目 ポートベローマーケットと大英博物館

横浜駅YCATから、深夜バスで羽田空港国際線ターミナルへ。Wi-Fiの端末を受け取り、JALの窓口でチェックインして荷物を預け、優先窓口に案内されて荷物検査をして、自動化ゲートで出国するまで、バスが着いてからわずかに15分。空いている時間の羽田空港はほんとうに楽である。

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さくらラウンジでお約束のカレーをいただきます。この時間にいる人は欧米路線の人ばかりなのだろうか

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JALの0041便、2時45分発のロンドンヒースロー行きに搭乗。JALの787はシート配置が2-4-2なので、今回は予約したときに窓側の2列シートにしておいた。JALのスカイスイートだと、エコノミーでも長時間フライトにも十分耐えられるし、それで窓側の2人並びだと、さらに快適であります。

真夜中なので、水だけ配られてお休みなさい。北回りで窓の外は12時間ずっと夜なので、景色を眺めるわけにもいかない。時計の針を9時間遅らせた上で、深夜の0時をまわったころ、ぼんやりと起きだして、映画を見る。今話題の『パラサイト』。確かのこれは面白い。脚本の練られ具合が良い。わかりやすく戯画化しながらいろいろ読み取れるようにしてあるところなども、国際市場をよく意識した作りをしているんだな、と思った。しかし、終盤、なんであの空間の存在を警察に知られずに済むのか、とか、かなり勢いで押し切っている部分はあるよね。

到着しばらく前にご飯が配られて、いただきます。若手シェフの選抜メニュー的なものらしく

JAL、国際線機内食を刷新 若手有望シェフ新メニューや新ご当地丼

メインも良かったが、副菜がいちいちレベルが高くて、エコノミーでも美味しいものが食べられて満足…でありました。このJL41便はフライト時間の長さのわりに出発・到着時刻の関係で1食だけだけど、通常は欧米路線は2食出るんですね。

現地時間の午前6時前にヒースロー到着。海外なのに漢字がどこにもないことに戸惑いつつ(最近、漢字圏にしか出掛けてなかったからね)

厳しいらしいと噂のイギリスへの入国は、日本のパスポートなら自動化ゲートを通れるから楽なのだが、自動化ゲート対象国から来る人の割合が多すぎるので、有人ゲートはスイスイ、自動化ゲートに大行列、という不思議な事態になっていた。自動化ゲートは増設中だったので、もうしばらくしたら解消されるのだろうか…

目の前で何人も自動化ゲートに撥ねれる人がいる中(顔認証がイマイチなのだろうか)、こちらは何事もなく無事に入国し、荷物も受け取って、さて。一番早いのはヒースローエクスプレスらしいけれど、宿泊先がサウスケンジントンで、ヒースローから地下鉄1本で行けるところなので、地下鉄ピカデリー線に乗る。

改札口で、恐る恐るMasterCardをタッチしたら、おお、無事に通れた!コンタクトレスで持ってきたクレジットカードがそのまま使えるの、楽だなー。割引運賃の適用も自動的にやってくれるそうなので、ありがたい。

とても狭い地下鉄に40分ほど揺られて、そして本当にロンドンの地下鉄は、車内はもとより、ホームでも携帯が通じないんだな!と驚きつつ、サウスケンジントン着。

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出口改札もクレジットカードをタッチして無事に通れた。

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土曜の8時45分のサウスケンジントン駅前はあまり人はいないが、それなりにサンドイッチを売る店などは開いていて、街中にどこでもコンビニのある東アジアの便利さとは違うけれど、それなりに食い物に困るようなことは無いのかなー、と思う。

目の前にV&Aミュージアムがある、宿泊先の『ザ レンブラント』に荷物を預ける。このオランダの画家の名前を冠したホテル、窓口氏は巻き舌のイタリア鈍り?でちょっと英語が聞き取りずらいが、概ね親切な感じ。

またサウスケンジントンに戻り、こんどは別の地下鉄に乗る。セントラル線とディストリクト線は、黄色と緑だから、銀座線と千代田線ですね。空港から来たのは青だから東西線…いや、濃い青だから三田線か。さっきの地下鉄はやたらと狭い車内だったのに、こんどは広い。てっきり、狭い方が古いのかと思ったら、開削工法で建設された初期型のほうが古くて車両が大きく、シールド工法で建設されたほうが新しくて車両が小さいそうな。どちらも軌間は1435mmの標準軌

 ノッティング・ヒル・ゲートで下車して、住宅街を歩いていくと、ポートベローマーケットに行き当たる

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土曜日に開催されるロンドンでも最大規模のアンティークマーケットで、アンティークショップが多数あるほか、道端にも屋台のアンティークの店が出ていたり、建物の中に入っていくと小規模なアンティークショップの集合体になっている場所があったり、なかなか楽しい。

しかし楽しいのだけれど、骨董が欲しい目線で見て、これ、というものがあるかというと、そうでもなく…。時々よいものがあって値段を聞いてみると、馬鹿みたいに高かったりする。掘り出し物を求めるバイヤーの人などは、バスで行く郊外のアンティークマーケットを目指すそうで、ポートべローマーケットは観光地的要素が大きいのだな。時間が経つと混雑がすごくなってきた

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薩摩焼などが豊富なショーケースを覗いていたら、店主に声を掛けられ、昔は日本人がよく買ってくれたけど、今は中国人だね…もっと日本人も来て欲しい、あっ、一番の上得意は横浜の人だよ、などと。(わかりやすい英語で話していただけるので非常に助かります)

別の露店に並んでいた、横浜焼かな?と思うような非常に薄手の蓋碗は、平安貴族のような謎の絵柄で、しかし絵自体は意味的な破綻は無くきちんと描かれており日本のものと思われ、本当に横浜焼かもしれないと思ったが…。となりにあった小さい茶杯が£400と聞いて、こっちも買えるような値段じゃなさそうだな…と思ってやめておいた。安ければ検討するけど、5万も10万も払うほどではありません

9時半くらいに行ったタイミングではそれほど混んでいなかったけれど、どんどん人が増えてくる。食べ物を扱う出店なども眺めつつ、雑貨屋を覗いたり、スーパーマーケットも覗いたり。道沿いの店でサンドイッチと珈琲を買って、早めの昼ごはん。

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具材がみっちり詰まったサンドイッチは£5ちょっと。半分に切ってくれた。2人で分けてもかなりおなかに溜まる。イートインと持ち帰りで少し値段が違う。サンドイッチとても美味しいけど、バケット系のパンだったから、これはフランス系のサンドイッチの店だったのかもしれない

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端っこまで行って戻ってくる途中で入った『ADMIRAL VERNON ANTIQUES MARKET』という、小さなアンティークショップ集合体が良かった。金彩のデミタスかどが山のように積まれたお店があり、お値段は張りそうだが見ていて楽しかったし、1階の北西奥にあるお店はアンティークタイルとかカップ&ソーサーなどが比較的お手頃な値段で売られており。

人のよさそうなおじいさん店主に、いずれも100年ほど前の、£28のカップ&ソーサー2組と、同じく£28のタイル、全部でいくらになりますかね、と聞いてみたところ。うーん、ちょっと待ってね、と値札を見つつ、ややあって、£70でどう?と。ありがとうございます!買いました。プチプチで丁寧に梱包してくれた。

 もうお昼だ。マーケットの通りを出て、少し住宅地に入り込みつつ

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駅に向かっていたら、イタリアからきている、日本にも行ったことあるよ、というおっさんに話しかけられる。で、記念撮影などしようとしていたら、突如、警察手帳を持った2人組に話掛けられる。

なんか怪しいな…制服も着てないし…とは思ったのだが、イタリア人のおっさんは妙に協力的なのでつられて、パスポートを見せたり、財布を見せたり(麻薬をやってないか紙幣のにおいを嗅ぐのだという)してしまったが、クレジットカード見せろというかたりでさすがにこれは…となり、しばらく拒んでいたら、もうよい、と解放された。あとから考えるに、あれはイタリア人のおっさんもグルの偽警官詐欺だったのだな…うーむ…。幸い、被害が無くて良かったが…。

やっぱり油断しちゃいかんわ…と思いつつ、地下鉄に乗る。こんどは赤い丸ノ内線…ではなく、セントラル線で、トットナム・コート・ロードへ。大英博物館は入場の列がすこし出来ていて、荷物検査して中へ。

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ご存知の通り、イギリスの国立美術館博物館は基本的に無料なのだが、入口のところで、寄付金、ドネーションを募る人が立っており、そこに案内されるのであります。もちろん払わなくてもいいけれど、£5寄付しておいた。

中に入ってとりあえずトイレ…。日本のように地下鉄駅でもトイレがあるわけじゃないので、とりあえずトイレのあるところに入ったらトイレ。しかし、入ったトイレはいくつもある小便器がどれも溢れそうになっており、なんとか溢れてないところで用をたしたが、出る頃には男性トイレだけ使用中止になっていた。

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気を取り直して、さて、とにかく広すぎるので、何を見たものか。£2で買ったマップと、『地球の歩き方 ロンドン』に載っていた館内マップを頼りに巡る。ちなみに、『地球の歩き方 ロンドン』には、大英博物館、V&Aミュージアム、ナショナルギャラリー、テートブリテンの館内図がかなりしっかり掲載されており、これはとても役に立った。

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まずはもちろん、展示室4のロゼッタストーンを。やはり実物と対面すると感動しますね…。そしてその周囲のエジプト部門や、アッシリア王のライオン狩りのレリーフなどを観察。しかしこのあたりのバカでかいものたちをみていると、なぜこんな巨大なものを持って来てしまったのか…という疑問が湧いてしまう。

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展示室18のパルテノン神殿の彫刻を見ていると、凄すぎてだんだん笑ってしまっていた。これはギリシャから返還を求められているんだよね…

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そのほか、いわゆる推奨される展示品を徘徊。モアイ像が思ったより大きくないかな。ミイラコーナーがとにかく混雑していて、大人気。所謂、観光ルート的な「みどころ」はクリアして、あとは時間が許す限り見て回る。

日本の展示が展示室92~94まであり、これは三菱商事がお金を出しているのね。2008年から10年契約で「三菱商事日本ギャラリー」の設置がはじまり、もう10年間延長中であるそうで。応挙の屏風とか、なかなか良いものもあるのだが

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最近の工芸品とか、高倉健とか、ちょっと不思議な展示もある。

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こういう、限られた空間で包括的に日本を紹介するのは難しいよね…。展示構成は誰がやったのだろう。

貨幣コーナーでは、ジンバブエハイパーインフレのモニュメント的なものがあるのだが…

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その奥のコーナーでドイツのハイパーインフレ期の紙幣、いわゆるノートゲルトですかね、それの特集展示があって

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英国ジョーク味を感じた(偏見です)

展示室は1から95まであるのだが、順番に全部回る人はそうそういないだろう。とりあえず見える限りは見て行ったのだが、展示室1の空間がなかなか感動的だった

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巨大な書斎的な空間に『驚異の部屋』的にあらゆるものが詰め込まれており、これぞ大英博物館、イギリス人はやっぱり、こういうのが好きなんやなー、と思ったです(偏見です)

で、感動したのが、広大な中国コーナーを巡った後に入った、展示室95なのである。Sir Percival David による中国磁器コレクションなのだが、これが物凄い。

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茶杯やら茶器やら皿やら、個人コレクターが好きそうな景徳鎮をはじめとした中国磁器が、これでもかと詰め込まれている。中国本土でもこの方向性でこれだけのものは見れないのでは

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壺や大皿などの大物はあまりないので、そういう意味ではそれほどでも…なのだが、とにかく個人で茶器とか集めている人には刺さりまくる展示内容なのだ。中国茶好きのなかの茶器好きの人がいったら悶絶するよ…というか、した。よくぞこれだけ、全時代にわたって、極めて質の良いものばかり…欲しい… とにかく欲しくなるのですよ…

Percival David - Wikipedia

結局、4時間半ぐらい滞在してしまい、なんとか駆け足で一通りは見たかな…という感じに。そろそろ閉館時間なので外に出ましょう。

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また同じトットナム・コート・ロード駅まで戻り、地下鉄でメリルボーン駅へ。国鉄の駅もあるとことですね。

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ロンドンは各方面に向かう行き止まりのターミナルが街中のあちこちにあって、それらを結ぶ山手線的なものはなく、地下鉄がそれぞれを結んでいるわけですが、メリルボーンは比較的小さなターミナルなのかな。夜の街を少し歩いて、こちらのお店に

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『SEASHELl of LISSON GROVE』は、フィッシュ&チップスの有名店。いくつかある魚の選択肢の中から迷った末、タラと小ダラを選んだが、魚の大きさよりも、芋の多さに唖然となる

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さすがに全部芋は食べきれず、少し残してしまった。お客さんはひっきりなしにやってきて、みなさん、フィッシュアンドチップスを食べて出ていく。入った店はファストフード的な店舗だが、隣に同じ店のレストランもあったらしい。間違えてしまったけど、まあ、いいか。おさかな美味しゅうございました。

地下鉄以外も乗ろうと、メリルボーン駅でバスを待つ。google mapsのおかげで、目的地に行くために乗るべきバスもすぐわかるし、接近情報もわかるから実にらくちん。

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空いている赤い2階建てバスの2階最前列に座れたので、街の様子を眺めながら宿に近いハイドパークコーナーまで。すこし歩いてスーパーマーケットのウェイトローズへ。英国王室御用達とか言われる、わりと高級なほうのスーパーですよね。

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お土産もここで買うのも良さそうだけれど、この日は品ぞろえを見るに留めて、いくらか夜のお楽しみを物色。サラダとかハムとかビールとか、外食の高さに比べると比較的リーズナブルに感じる。ワインも安い。外食は贅沢、中食が良いのかもしれない。欧州に来ると外食せず、ホテルで飯にするタイプの人の気持ちも理解できてくる。

お買い物して、閉店間際のハロッズを少し覗きつつ、ホテルに戻る。巻き舌の窓口氏からカードキーを受け取り、ベルキャプテンから荷物を受け取ろうとしたら、部屋に運んでくれるというので部屋へ。

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しかし、しばらく待っても荷物は来ず、シャワーも浴びてもまだ来ない。30分くらい待ってもまだなので、さすがに何かあったかとロビーまで下りたら、ベルキャプテン氏、あれからいろいろ(いろいろをあらわすジェスチャー)あってね!すまんね!という感じで部屋まで一緒に運んでくれたので、チップを£2渡したのだった。なんかラテンのノリを感じるホテルだ

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そんなわけで、ちょっとお部屋で食事の続きを。肉製品がやっぱり美味いな、ハムサラミ類がたっぷり入って500円くらいで買えてうれしい。そしてこれ

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ウェイトローズで3本£3.60だったビール。わりと良い。1本170円くらいですね。買い物したウェイトローズには冷やしたビールは売ってなかったんだけど、外で飲まずに家で飲めよ、という意味なのかな。ほかのスーパーは普通に冷やして売っていたので、謎

そんなこんなで、英国の1日目が終わるのだった。途中、機内でいくらかは寝たけど、17日の朝から18日の夜まで、9時間の時差を越えて50時間くらい、ずっと続いていたような1日だったので、とにかく長かったです…さすがに疲れた

ちなみにこの日、地下鉄に4回とバスに1回乗って、 ヒースロー空港はゾーン6、それ以外はすべてゾーン1だった。請求は後からきていて、請求額は£8.70。どのように計算されたらこうなるのか、仕組みはよくわからぬ…

在華坊(@zaikabou)/2020年01月18日 - Twilog