日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

男だらけの「みんなの地図3」ブロガーイベントに参加してきた

CyberBuzzの案件で、ゼンリンが4月24日に発売するPSPソフト「みんなの地図3」のブロガーイベントに参加してきた。CyberBuZZの案件は先日の『iGoogle Art Café』訪問
『iGoogle Art Café』に行ってきた - 日毎に敵と懶惰に戦う
に続いて2回目なんだけれど、正直、地図大好きな私にとっては、こっちのイベントのほうが遥かに楽しみだったわけであります…。
場所は神保町にある、ゼンリンの東京オフィス

美味しい居酒屋『武蔵』のすぐ近所。オフィスの3階会議室で、テーブル4つにブロガーが30人ほど集められてのイベント。ブロガーイベントというと、先日ブクマで話題になった「SoftBank 922SH 体験会」
http://clip.hiniku.com/?eid=597459
を思い浮かべる人もいるかもしれないけど、あれは「ドキッ!女性だらけの!」なんだけれど、こっちははじめから「男性限定」なので、そんなふうに軟弱にキャピキャピしていないのです。テーブルの上もごらんの通り

手作り感が実に好感が持てるイベント。参加している人も、パソコンを持ち込んでいる割合が高かったり。
さて、イベント本体について。参加者には事前に前作「みんなの地図2」が郵送されており、実際に「みんなの地図2」を使ってみた上で、今回イベントにおいて、「みんなの地図3」のアピールポイントを聞いて、実際に使ってみましょう、という趣旨になっている。席につくと、出来立てほやほやのソフトが準備されていた。(ちなみに、わたしはPSPを持っていなかったのだけれど、今回のイベント用にPSPも貸して貰った)

今回ご説明してくださるのは、ゼンリンの藤尾さん(男性のほう。女性はCyberBuzzの人)

イベントの進行はこんな感じ

最初に商品説明(プレゼンテーション)を受けてから


実際に「みんなの地図3」操作してみて、テーブル毎に分かれたゼンリンの社員の方に質問したり、意見交換をしたり、という流れ。途中、ゼンリンのお仕事や「Walkeye map」の紹介DVDが流されて

また意見交換、という感じ。プレゼンテーションを受けている時間とDVDを見ている時間以外は、黙々と触っている、という場面はまったく無く、社員の人にいろいろ意見を言ったり、開発状況や今後の展開を聞いたり、同じテーブルの参加者同士で「こうなっているともっといいね」という話をしたり、概ね、非常に賑やかなイベントだった。社員の方も、熱心に話を聞いてくれたし、いろんな話をしてくれたし、なにより、皆さん地図好きなんだなあ、ってのが伝わってきて、非常に好感の持てるイベントだった。
以下、新しい「みんなの地図3」の製品について書いていきます

みんなの地図」って?

みんなの地図」は、ゼンリンが出しているPSP対応の地図ソフト。2006年2月に「みんなの地図」、2007年2月に「みんなの地図2」を発売している。一作目は、とにかく地図が表示できる、というだけのソフトだったんだけれど、「2」になって、GPSPSPの「PlaceEngine」機能を利用した位置情報の取得や、歩行者ルート探索というナビゲーション機能や、最寄の駅や施設を検索する機能が搭載されて、地図ソフトとして大きく進化していた。このソフトは、グッドデザイン賞を受賞している。
しかし、事前に送ってもらった「みんなの地図2」を体験した限りでは、操作性の悪さやスクロールのレスポンスのイマイチさ、あんまり質実剛健すぎるつくりに、これだったら紙の地図を持ち歩くか、携帯で代用するからあんまり欲しくないなあ…というのが正直な感想だった。PSPに搭載されいるからこそ!みたいな面白みもあんまりなかった。で、今回の新作では、いろんな点が改善されていたのだった。

UMDの2枚組みはストレスじゃない


今回の「みんなの地図3」は、UMDが2枚組みになっている。身近に「みんなの地図2」を愛用している人がいるのだけれど、「次のは2枚組みなんだよねー、使いづらそう」と言っていたから、2枚組ということにはわりとネガティブなイメージを持っていた。「地図を見るときに、いちいち入れ替えなきゃいけないの?」的な。
しかし、実際には「DISC1」という、システムディスクのほうに、全国の広域地図と、主要な都市、県庁所在地などの詳細地図は収録されていて、その中で使うぶんには2枚目は必要ない。「DISC2」にしか収録されていないのは、地方都市の詳細地図データ。
そして、そのUMDも、交換しながら使うわけではない。メモリースティックにインストールして使うようになっている。メモリースティックにインストールすることで、地図の閲覧スピードはかなり上がる。実際にメモリースティックにインストールして使ってみた。ソフトウェアの作りこみ自体も進化しているのだろうけれど、地図のアクセス速度が上がることもあって、スクロールや縮小拡大での待ち時間がぜんぜんない。「みんなの地図2」に比べると「劇的」と言って良いほどで、ストレスがほぼ感じられない。これはすごい。
問題なのはデータ量が多いことで、全部インストールしようとすると1.7GBになる。UMDの容量いっぱいに地図データを収録している感じ。これを入れようとすると、安くなってるとはいえ、大容量のメモリースティックが必要になる。だけど、たとえば広域地図だけインストールすると189MBだし、地域を選択してインストールすることもできるので、広域地図+東京都なら260MBくらい。神奈川県+埼玉県+千葉県を加えて一都三県にしても、420MBくらいにおさまる。
インストールをまったくしないでも使ってみたけれど、「みんなの地図2」に比べれば遥かに表示速度が早くて、「DISC2」にだけ収録されている地方都市の詳細地図が必要なければ、インストール無しでも使用に耐える感じだった。
前作は全国版の発売後、地方の詳細情報を集録した地方版が3枚出ていたのだけれど、今回はそのようなことをせず、1作で全部データを収録している、ということだそうだ。ほいで、値段は1000円だけ高い5800円(税込み6090円)に抑えているとのことだった。

『歩行者ルート検索』の進化


このソフトには『歩行者ルート検索』という機能があって、カーナビみたいに、スタート地点からゴール地点への歩行ルートを検索してくれる。まずそもそも、この歩行者ルート検索という機能自体が凄い。クルマでの移動の際には、当然、一方通行とか時間による進入制限を考慮しないといけないんだけれど、歩行者の場合、これが、どこに横断歩道があるのか、階段なのかスロープなのか、地下街の入り口がどこなのか、というのが問題になってくる。
今回のイベントの途中で、ゼンリンの調査員の人の活動紹介があったけれど、これが凄い。ゼンリンと言えば住宅地図が有名。刻々と変化する住宅やビルの様子をどのように調査するかといえば歩いて実際にみるしかないわけで、年間延べ28人の人が、歩きながら時々の変化を記録して、地図に反映させている。
そして、その調査員が、歩行者ルートの検索に役に立つような、上記のような歩道橋や階段や横断歩道の情報も収集しているとのこと。精密な『歩行者ルート検索』は、住宅地図を足で作ったゼンリンだからこそ出来た凄い機能というわけで…(すみません、今回提灯記事みたいになっちゃってますが、地図好きなんで大目に見てやってくっださい…)
で、この機能は『みんなの地図2』でもあったのだけれど、実際に使ってみたところ、3kmまでしか検索できなかったり、検索スピードが遅かったり、イマイチな点もあった。『みんなの地図3』では、10kmまで検索ができるようになっており、検索スピードが劇的に向上している。「時間かかるなー」ってストレスが無い。歩道とか地下街とか、複雑なレイヤー情報から探索して、こんなに早く調べられるって、どんなアルゴリズム使ってるんだろう…。階段を上ったり下ったりする場所が綺麗に明示されるのもいい。
機能としてはもうちょっとこうして欲しい、というところもあって。実際にルート検索した後、そこまでの道程と距離が地図上に表示されるんだけれど。リアルタイムでの移動中、GPSPlaceEngineを使って、自分の居場所が刻々と更新されるんだけれど、その時点での目的地までの距離は『直線距離』で表示されるだけで、歩く距離では表示されない。GPSPlaceEngineの精度の問題もあると思うんだけど、このあたりも考慮してほしいかな。
それから、『最寄検索』という、ある地点からもっとも近い『駅』や『施設』を検索する機能もあって、これ自体は役に立つし、『みんなの地図2』全国版では『1km』までしか検索できなかったのが『5km』まで検索できるようになっていて、便利なんだけれど。『最寄検索』をするということは、そこまでの『歩行ルート検索』と当然組み合わせて利用されるはずなんだけれど、そういう使い方をするときのインターフェースが、もっと操作手順を短くしてできるようになっていたほうが便利だと思った。

GPS軌跡』のログが保存できる!


これはもう、本格的に仕事で使う人は専用端末を使うだろうし、趣味の世界としてはかなりマニアックになると思うけれど、『みんなの地図3』ではGPSの軌跡を自動保存する機能がついた。
私は前からハンディGPSが欲しくて、それは軌跡の情報を記録したり…という用途が魅力的だったからであり。軌跡データは標準フォーマットで記録されるので、別の用途に流用できるらしい。ゼンリンとしては、とりあえずログ記録機能を付けただけで、何かに利用できるようなサービスの提供は決まっていないそうだ。だけれど、カシミール3D
http://www.kashmir3d.com/
とかと連動していろいろ面白いことをするのには十分使えると思う。
常にGPSユニットに給電するとバッテリーの減りが早かったり、いろいろ課題はあると思うけれど。

PlaceEngine』の機能がちょっと微妙…

現在地の把握にはGPSと、PSP内蔵の『PlaceEngine』という機能が使える。前者が別途ユニットが必要なのに対して、後者は無線LANの機能を使って現在地が把握できる。
で、この日、イベントの後に、表参道から代官山某所までの経路探索をする際に、この『PlaceEngine』の機能を使ってみた。最初の現在地は結構正確に把握できたのだけれど、その後、刻々と変化する現在地の把握が、あっちの飛んだりこっちに飛んだり、実際の所在地から半径300mくらいで右往左往する。これはちょっと…
おおまかな場所の特定には役に立つけれど、機能としてはちょっと微妙。時々、凄く正確な場合もあるんだけれどね。やっぱりGPSを使わないと本当の実用には耐えないかなあ、という気がした。
それにしても、PSPGPSの軒並み品切れ状態はどうにかして欲しい。もっと増産して!今回の『みんなの地図3』の発売にあわせて、もっと増産してくれるのかなあ…

その他


・ネット上で、ソニーが提供する『PetaMap』で、スポット情報を別のユーザと共有する機能がある。スポットの地点情報だけでなく、お散歩の経路情報(線の情報)も共有できたらいいね、という話などをした。
PSPを開いているとゲームをしているようにしか見えない…。社会人として、所かまわず開けなくて…という気はする。
・地図としてはかなり完成されてきたので、あとはこれを使ってどのような展開ができるか、という話になるけれど。PSPだから『ゲームとの連携』という方向もあるけれど、ゼンリン自体がなんらかのゲームを提供するのは、地図会社として微妙だなあ、というところでもあり。なんか、地図機能を使って、なんらかのサービスを別業者や個人が提供できるようなオープンフォーマットがあると面白いなあ。難しいかなあ。
・他にもいろいろ思ったけれど、このへんで。
・会場にululunさんがいたことは、受付の名札から確認できたのだけれど。実際にどなたがululunさんだったのかは個体認識しなかった。
・julajpさんはおんなじテーブルだった。非常に熱心に意見を言っていた。


そんなこんなで、大変、堪能したイベントでありました。

みんなの地図3

みんなの地図3

julajpさんがまとめてらしたので、リンクしておく
http://b.hatena.ne.jp/julajp/?word=%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%AE%E5%9C%B0%E5%9B%B3