日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

私が訪問した、建築がすてきな美術館たち(東日本編)

最近は美術館の建築が気合入ってますね。本も沢山出ているし(カサブルタスはもういいよ、ってほど特集してるし)、blogでも素敵なまとめ、考察は沢山書かれています。例えば
http://d.hatena.ne.jp/matsukazuto/20080730/1217408265
http://d.hatena.ne.jp/matsukazuto/20080910/1221015873
など。ですので、殊更自分が書ける新規な情報もありませんので、とにかく自分が訪問したことのある美術館につき、自分の記事へのリンクをつけてまとめておこうと思います。自分の資料用でもありますね。私のblogは全部日記形式ですので、ついでの観光の参考にもなればいいな、と。私が訪れたことの無い美術館や、訪れたけれどblogをはじめる前なので記事にしていない美術館は敢えて触れていません。
私は免許を持っていないので、基本、どこに行くでも列車とバスと徒歩です。まあ飛行機とね。あと自転車か。なので、車以外で行こうとする方のために、現地まで辿り着く方法も簡単に書いておきます。それじゃ、まずは東日本編、糸魚川静岡構造線の東側。東京都内はあとでまとめようと思いますので、今回は省いておきます。

青森県立美術館[青森][県][青木淳]

青森県立美術館
青森駅からバスで20分。真っ白い建物と統一されたフォントが美しい美術館。三内丸山遺跡の隣にあり、土に埋もれている遺跡のような内部構造も面白いです。シャガールの大作『アレコ』や、青森出身の奈良美智などの作品のコレクションが豊富です。そのうち、ナンシー関もコレクションに加えてくれないものか。真っ白い雪に埋もれる冬がおすすめ。
青森県立美術館 - 日毎に敵と懶惰に戦う

十和田市現代美術館[青森][市][西沢立衛]

トップページ | 十和田市
十和田市駅から徒歩20分くらい。八戸駅から、十和田湖観光のためのバスでも停留所が目の前にあり。いくつもの箱に分かれた空間の中に、恒久設置された作品が点在しています。奈義町現代美術館あたりからはじまったやり方ですが、これほど沢山あるのは珍しいです。桜の季節がおすすめですが、奥入瀬渓流と一緒に行くなら夏のほうがいいかも。
十和田市現代美術館 - 日毎に敵と懶惰に戦う

岩手県立美術館[岩手][県][日本設計]

http://www.ima.or.jp/index.html
盛岡駅からバスかタクシー。徒歩も無理じゃないけど、20分以上、ちょっと遠い。天井のとても高いロビー空間と、奥に続くスロープが印象的。面白そうな企画展(ミッフィーとかね!)をやっていたら、観光のついでに訪れるとよいでしょう。萬鐵五郎や舟越保武のコレクションも魅力です。
岩手県立美術館で建築とミッフィーに萌え萌え! - 日毎に敵と懶惰に戦う

菅野美術館[宮城][私][阿部仁史]

公益財団法人菅野美術館 宮城県塩釜市〜塩竈の一角にある小さな美術館。建築家阿部仁史先生作の特徴的な建築です。
塩釜駅から徒歩10分の坂の上。判りにくいので、場所をよく確認してから行って下さい。菅野さんという個人の方がやってらっしゃる美術館。小さなキューブのようなのだけれど、コールテン鋼の白い壁が縦横に走っいる内部空間が面白い。常設展では、コレクションしている彫刻が10点ほど展示されています。せんだいメディアテークに行ったら、ついでに是非。
菅野美術館 - 日毎に敵と懶惰に戦う

せんだいメディアテーク[宮城][市][伊東豊雄]

せんだいメディアテーク
仙台駅から徒歩20分、またはバス(本数多し)。構造的にチャレンジングで面白い…純粋に美術館とは違うのですが、図書館やギャラリーやホールが一体になった施設。建物だけでも見に行く価値あり。上層部のガラス越しに見える定禅寺通りの緑が萌え盛るころに行きたいですね。
せんだいメディアテークへ - 日毎に敵と懶惰に戦う
駆け足で、北上岩出山仙台 - 日毎に敵と懶惰に戦う

土門拳記念館[山形][市][谷口吉生]

土門拳記念館 | Ken Domon Museum of Photography
酒田駅からバスで15分(本数少ないので注意。るんるんバスという、酒田市コミュニティバスが行っています)。豊田市美の規模を小さくしたような建物だけれど、自然の池の端に建っていて、静かな雰囲気がとても良い感じ。隣の酒田市美術館もなかなか良いので(コレクションは、まあ)、ついでにどうぞ。酒田に行ったら、やっぱり寿司を食べたいですね。お酒は上喜元で。
土門拳記念館と酒田市美術館 - 日毎に敵と懶惰に戦う

水戸芸術館[茨城][市][磯崎新]

Welcome to ART TOWER MITO
水戸駅から徒歩15分。タワーが印象的な(次回のコミケットスペシャルでも、水戸のシンボル的に描かれていましたね)美術館。ここは常に意欲的な企画展を開催しているので、ちょくちょく行く価値あり。先駆的な試みがとても多い美術館のようです。正しくは市立じゃなくて、財団法人がやってます。
水戸芸術館『人間の未来へ|ダークサイドからの逃走』 - 日毎に敵と懶惰に戦う

群馬県立館林美術館[群馬][県][高橋(青に光)一(第一工房)]

群馬県立館林美術館
多々良駅から徒歩20分、館林駅からバスもありますが、本数があまり多くないし、中でも美術館の目の前まで行ってくれるバスは日に4本だけなので注意。広々とした空間への建物の配置がすごく上手い。よく晴れた日に行きたい美術館。
群馬県立館林美術館 - 日毎に敵と懶惰に戦う

ハラミュージアムアーク[群馬][私][磯崎新]

Hara Museum Web
渋川駅からバスで15分、品川にある原美術館の別館。私が行ったころは観光牧場と共通入場券で、なんだか閑散としていたのだけれど最近、増築を行って、牧場とは別個の入場料を設定したみたい。同じ磯崎さんの、高崎の群馬県立近代美術館にまだ未訪問なので、一緒に行ってみたいなあ。とにかく環境が素晴らしいので、伊香保温泉に行く途中にあるので、温泉に行く際は是非。それにしても原美術館のサイト、Flashばりばりの使いにくさをもうちょっとなんとかしてほしい。冬は休館期間があるので注意。
ハラミュージアムアークは… - 日毎に敵と懶惰に戦う

埼玉県立近代美術館[埼玉][県][黒川紀章]

近代美術の不可思議、‘キュビズム’を分析
北浦和駅徒歩3分、公園の中にあり。外観は面白いですが、内部空間はごく普通でしょうか。まあ、ごく最近の美術館を除いては、美術館建築って、ある程度内部は規定されちゃうものだったのだろうけれど。無料スペース、ジャコモ・マンズーのいい彫刻があったり、宮島達男の作品がロッカーにあったり。あと、ここはとにかく運営費が無いらしくて、相当がんばって捻り出した感じの企画展をよくやっているので、近所の人は応援してあげてください…
お仕事で北浦和 - 日毎に敵と懶惰に戦う
今日の日記 - 日毎に敵と懶惰に戦う(低予算で頑張った企画展)
今日の日記 - 日毎に敵と懶惰に戦う(ロッカーに宮島達男)
ここの美術館は出張ついでに寄ることが多いので、日記にろくなタイトルがついてないな(笑)

川村記念美術館[千葉][私][海老原一郎]

DIC川村記念美術館
佐倉駅か、京成の佐倉駅から無料送迎バスで20分くらい。時間は事前に調べましょう。建築ってよりもコレクションで注目される、私立美術館の雄だけれど、広大な敷地と、池の端に建つ建築そして、内部空間も良い。最近リニューアルしてから行ってないので、早く行きたいです…。
川村記念美術館 ゲルハルト・リヒター展 - 日毎に敵と懶惰に戦う
なお、ここに行ったら、是非近所の国立歴史民俗博物館も面白いので寄ってください(これ書いた後、大月さんからメールを貰ったのはナイショだ)
国立歴史民俗博物館 - 日毎に敵と懶惰に戦う
(追記)このエントリを書いた直後に訪問してきましたので、追加。ポストカードになっているような『池の向こうに美術館』って構図は、大日本インキの研究所敷地内に入らないと撮れないのね…
川村記念美術館『マーク・ロスコ 瞑想する絵画』 - 日毎に敵と懶惰に戦う

横浜美術館[神奈川][市][丹下健三]

横浜美術館
みなとみらい駅から徒歩3分。エントランスの大空間が気持ちよい。大同生命のCM(本上まなみが出ていた)にここが使われてましたね。ここも殊更建築がー、ってよりも、面白い企画展をやっていたら見に行ってほしいところだけれど、実はコレクションもシュルレアリスムと写真でいいもの持ってるんですよね。横浜美術館は訪問しすぎているので、ちゃんと写真を撮ったことがないな…
横浜美術館 - 日毎に敵と懶惰に戦う
面白かった展覧会は以下のあたり
横浜美術館『長谷川潔展』 - 日毎に敵と懶惰に戦う
横浜美術館『イサム・ノグチ』展 - 日毎に敵と懶惰に戦う
横浜美術館『アイドル!』とオークション - 日毎に敵と懶惰に戦う
横浜美術館『水の情景』 - 日毎に敵と懶惰に戦う
横浜美術館『森村泰昌−美の教室、静聴せよ』 - 日毎に敵と懶惰に戦う
横浜美術館『シュルレアリスムと美術』など - 日毎に敵と懶惰に戦う
横浜美術館『ゴス展』 - 日毎に敵と懶惰に戦う
横浜美術館『セザンヌ主義』
カフェに草間彌生の大きな応接セットがあるので、そこでお茶をどうぞ。上記『ゴス展』記事に写真アリ。それから、横浜は横浜トリエンナーレをはじめとしてART分野に結構気合入ってます。日本郵船の倉庫をみかんぐみが改装設計したBankART Studio NYKや、元関東財務局などの建物を利用しているZAIMといったアートスペースにも是非。近所の芸大がよく使ったり、美術系の学校の卒業展のメッカになりつつある模様。
BankART1929 BLOG
http://za-im.jp/php/
横浜美術館の4月からの新館長である逢坂恵理子さんは、このあたりとの連携をより強化していきたいと言っているので、楽しみです。そして、かつては赤線地帯だった黄金町付近も、いろいろ活用していくみたい。
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20090213-OYT1T00050.htm
横浜のアート情報を縦覧したサイトが案外無いのだけれど、『ヨコハマ経済新聞』はわりと頼りになります。
ヨコハマ経済新聞 - 横浜都心臨海部のビジネス&カルチャーニュース
そしてこちらもどうぞ。
横浜インデックス
このへんの回遊は、レンタサイクルも使い勝手がいいですよ。
楽天が運営するポータルサイト : 【インフォシーク】Infoseek


神奈川県立近代美術館 鎌倉館[神奈川][県][坂倉準三]

神奈川県立近代美術館<鎌倉館>
鎌倉駅から徒歩15分、鶴岡八幡宮の境内。坂倉準三の作品で、コルビジェの香りが強いですね。池の端なんかは凄く良い雰囲気です。一応写真あったけど、イマイチうまく撮れていない…。周囲が森に囲まれていたりするので、全体像があんがい見渡しにくい(池の反対側から見るとよい)ってのもあるんだけど。遠景での『おおっ』てのよりも、細部の構造を楽しんでいただきたい建物ではあります。すぐ近所にある別館にも寄ってみてください。版画の良いコレクション持ってます。
神奈川県立近代美術館鎌倉の、本館と別館にも - 日毎に敵と懶惰に戦う

神奈川県立近代美術館 葉山館[神奈川][県][(株)佐藤総合計画]

神奈川県立近代美術館<葉山館>
逗子、または新逗子からバスで20分弱。本数は多いんだけれど、春夏秋の休日はとにかく道路が渋滞するので、時間に余裕を見てください。とにかく海が近くて、気持ちの良い美術館。レストランが海に突き出していて、いちばん先端にあるテラスなんか凄く良いんだけれど、混んでいるのと高いわりにあんまり美味くないのがねえ。県立近美は、鎌倉葉山とも、企画展の平均レベルが高いと思います。
突然思いついて - 日毎に敵と懶惰に戦う
神奈川県立近代美術館葉山 イリヤ・カバコフ『世界図鑑』絵本と原画 - 日毎に敵と懶惰に戦う

横須賀美術館[神奈川][市][山本理顕]

横須賀美術館
バスの経路はいろいろあるけど、馬堀海岸から10分のバスがいちばん便利だと思います。目の前の観音崎京急ホテルのスパ施設の無料送迎バスは、スパ施設に用の無い人が使っちゃダメだよ! 観音崎の灯台に近いこの美術館、とにかく海に面した立地環境がすばらしく、建物もすごく素敵。レストランも葉山に比べるとレベル高い。これでコレクションがもう少しよければねえ…。箱だけに期待して行っても損は無い美術館です。
横須賀美術館 開館記念展『生きる』 - 日毎に敵と懶惰に戦う
今日の日記 - 日毎に敵と懶惰に戦う
三笠との間に期間限定の航路もあるので、帰りに記念艦三笠を見に行くのも良いかも
船に乗って - 日毎に敵と懶惰に戦う
記念艦『三笠』も - 日毎に敵と懶惰に戦う

ポーラ美術館[神奈川][私][日建設計]

ポーラ美術館
強羅駅から施設巡りバスで15分。ここだけに行こうとすると大変なので、箱根観光のついでに行って下さい。周囲の景観を損なわないように地中に潜っていくんだけど、上部から降り注ぐ光の感じも素敵です。ここはコレクションも良いのを持ってるので、観光地の美術館?みたいに敬遠しないで!まあ、伊豆方面に比べりゃ、箱根の美術館はそれなりにマトモだけどね…。
箱根にて - 日毎に敵と懶惰に戦う
箱根の『四季倶楽部』で、徹底した合理化に驚嘆する - 日毎に敵と懶惰に戦う

越後妻有トリエンナーレ 大地の芸術祭関連[新潟]

大地の芸術祭の里
越後妻有アートナビ -妻有の観光と大地の芸術祭情報を地図で検索
直島とならぶ日本の地方アート先進地と言えば、そりゃもう、越後妻有ですよねえ。里山に点在するアートを巡る楽しみ。ただ、何しろ広い十日町市全域に点在している上に公共交通機関は期待できないので、車やバイク、ツアーバス以外で廻るのはいろいろ無茶です。私は主に自転車で廻ったのですが(特定期間しかレンタサイクルはありません)、確かに気持ち良いんだけど、体力によほどの自身がある方と、ちょっと頭の足りない方(わたしのような)以外にはお勧めしません。


キナーレ[原広司]十日町駅徒歩10分
農舞台[MVRDV]松代駅徒歩3分
キョロロ[手塚貴晴+手塚由比]松代から1日7本のバス15分+徒歩20分
光の館[ジェームズ・タレル]十日町から1日5本のバス25分+徒歩15分
夢の家[マリーナ・アブラモヴィッチ]松代から1日7本のバス25分+徒歩20分
最後の教室[クリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマン]松代からタクシー20分、5000円弱


越後妻有アートトリエンナーレに行ってきました - 日毎に敵と懶惰に戦う(農舞台、最後の教室、光の館など)
越後妻有アートトリエンナーレに行ってきました その2 - 日毎に敵と懶惰に戦う(脱皮する家、うぶすなの家、キナーレなど)
まつだいに行ってみる - 日毎に敵と懶惰に戦う(農舞台)
妻有の旅 - 日毎に敵と懶惰に戦う(光の館に宿泊しました!)
妻有の山里を - 日毎に敵と懶惰に戦う(光の館の朝、最後の教室、夢の家)

ヴァンジ彫刻庭園美術館[静岡][私][宗元順三+柴原利紀/ラウムアソシエイツ]

ヴァンジ彫刻庭園美術館|トップページ
三島駅から無料送迎バスで25分。1時間に1本あり。クレマチスの丘という複合施設の一部で、丘の上なので眺めが大変良いです。庭園と一体になった空間なので、ここも晴れた日のほうがいいなあ。同じ敷地内にあるビュフェ美術館は、菊竹清訓なのですね。
ヴァンジ彫刻庭園美術館 - 日毎に敵と懶惰に戦う
三島ですから、お帰りには是非、うなぎ屋や、こちらも
東京から45分で行ける日本屈指の清流地帯 - ココロ社



東日本編は以上です。西日本編では、秋野不矩美術館、資生堂アートハウス豊田市美術館MIHO MUSEUM国立民族学博物館国立国際美術館大阪府立狭山池博物館、奈義町現代美術館、大原美術館広島市現代美術館地中美術館(及び直島のミュージアム)、高松市美術館丸亀市猪熊弦一郎現代美術館坂の上の雲ミュージアム、九州国立博物館を取り上げますよー。博物館が混ざってるとか、そういう抗議は受け付けません!


…西日本編を書きました!
私が訪問した、建築がすてきな美術館たち(西日本編) - 日毎に敵と懶惰に戦う