日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

雪の東京で

朝、起きてみれば大雨。午後から雪になるとか、大嵐になるとか、荒れそうな模様ではあるけれど、えいや、と出かけて上野、大雨と強い風の中、東京国立博物館の『飛騨の円空』を見る。
こんな日の開館直後だけれど、わりと混雑していた。小さくて簡素なものから2mを越す大物まで様々に、いま木から掘り出されたばかりのような仏たち。みな、病気平伏、豊穣、雨乞いなど、身近で切実な祈りを託された仏ばかりが並んでいた。病気になるとお寺から借りる仏像とか、ほんとうに、生活に密着しているんだね。あまり広くない展示室に大変高密度で円空仏が並んでおり、まさに仏像に浸る、という感じでありました。総合文化展も、正月の松林図屏風、風神雷神特別公開が最終日だったので、じっくり。今日は埴輪も見たよ

博物館で見物する間も降り続いた雨、どうやら横浜ではすでに雪になっているらしい、という情報を確かめつつ博物館を出ると、おお、上野も11時あたりで雪に変わる。上野から山手線で東京駅に出て、京橋あたりの路上に出るころにはぼそぼそと大雪に。さらに銀座線で浅草、松屋の7階からは、浅草の雪景色が拡がっていた

買い物など済ませて、アサヒ・アートスクエアで、福永敦『ハリーバリーコーラス─まちなかの交響、墨田と浅草』を見る
オープン・スクエア・プロジェクト[現代アート展]ハリーバリーコーラス─まちなかの交響、墨田と浅草 | プロジェクト | アサヒ・アートスクエア
照明の落とされた、広い、天井の高い楕円の空間

その壁から、天井から、無数に設置されたスピーカーがバラバラに音を奏でている。それは、浅草近辺で拾った街の音。それをそのまま流すわけではなく、70人の人たちが口で再現している。その声・音が、無数のスピーカーから流れてくるのだ。、まるで音のジャングルのような空間を、歩き回ったり、椅子に座ったり、用意されたクッションを置いて座ったり。音だけに意識が集中されて、無数の、普段は聞き流しているそれぞれの街の音に感覚が鋭敏になる。とても心地よくて、不思議な空間。
アサヒ・アートスクエアでは、以前に開催された北川貴好さんの展覧会が非常に面白かった。
フロアランドスケープ—開き、つないで、閉じていく | プロジェクト | アサヒ・アートスクエア
ギャラリートークにも参加したのだった
在華坊(@zaikabou)/2012年01月22日 - Twilog
今回の福永敦さんによる企画は、北川さんに続く、2回目の公募展であるとのこと。豊富な音響設備などが存分に活かされていて、この箱ならではの展示になっている。暗闇、スキマから聴こえてくる音が楽しい。企画書なども置かれており、すべて見られて非常に興味深かった。オススメです。さて、外に出てみると、ここは本当に東京なのか…


どこもここも、雪景色。11時から13時までの2時間でこれだけ積もったことになる。その後、屋内にいたんだけれども、次々とJRの何線が止まった、という話が流れてきて、帰れるのかね…。という感じに。まだ明るいうちに…と、動いている浅草線と京急線を乗り継げば、無事に横浜駅まで。JRの表示は真っ赤でありました


しかしこの時刻にはすでに横浜は雨になっており。今日は17時で閉めます、という日ノ出町駅前の京急ストアで買い物をして、坂道を上り

坂道が川である…

帰宅して、風呂に入ってあたたまり、おとなしくしていたのでありました
在華坊(@zaikabou)/2013年01月14日 - Twilog