日毎に敵と懶惰に戦う

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東京都現代美術館『ここはだれの場所?』ほか、森美術館『ディン・Q・レ展 明日への記憶』

土曜日、東京都現代美術館での会田誠の作品が撤去要請されている、というニュースを聞きつけ、とにかく行ってみた
美術館はだれの場所?『ここはだれの場所?』展の会田家作品に撤去・改変要請 - Togetterまとめ
午前中からキビしい暑さの中、清澄白河駅から歩いて到着

展覧会|東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
東京都現代美術館『ここはだれの場所?』は、アーティスト4組による、おとなとこどもで考えるための展覧会。

ヨーガンレールが、漂着するプラスチック製品で作り上げた空間が美しい

小中学生しか入れないコーナーもある

そのほかも含めて、全体的にやや説明的かな…とも思ったけど、楽しい展覧会である。で、さて、会田誠の作品。今回は会田家名義であり、会田誠、会田裕子、会田寅次郎の合作となっている。過去作も多数、新作も多数、一部屋にてんこ盛りされた、虚実入り混じる作品になっている

一部屋全体で、社会、とくに教育について問題提起するインスタレーションでありまして

今回問題になっている檄文と演説は、その虚実入り混じる中の構成要素のひとつなのですね

文部科学省へ、という檄文、最後のほうでは冗談というか感想というか愚痴みたいになっていて、なんか笑ってしまった

演説も全体的にフザケテおる


だから別に、美術作品の皮を被って政治的主張を垂れ流しているだけ、というようなものでもない。これまでの会田誠作品に比べるとやや直接的というか、諧謔に落とし込み切れていない感じはあるが、あくまでの部屋全体のインスタレーションの一部である、という点は強調しておきたい。問題にするような種類のものではない

オスカー・ニーマイヤー展』も見る
展覧会|東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
わりと、模型どーんどーん、映像ばーん、な、大味っちゃ大味な展覧会なんですけれども

あ、オスカー・ニーマイヤーは天才で巨匠だわ…スケールが大きいわ…というのが存分に実感できる展覧会には仕上がっていると思う。なんかよくわからないSFちっくな映像から始まるところも巨匠っぽい。この巨大な模型もね


それから、MOTコレクション『戦後美術クローズアップ』

今回は、概説的でわりと地味な印象を受けたなあ…。特に3階はね。1階には中原實、石井茂雄あたりが多めに。国際反戦デー、ベトナム反戦統一行動、幻のブラックフェスティバルの記録映像があって、面白かったです。
美術館を出て、また暑い中を歩いて清澄白河駅へ。途中の商店街の中華『八仙苑』

ニンニクの芽と豚肉炒め定食720円

街中華と侮るなかれ、ここは相当腕が良い。スープも上品な味。冷奴まで、近所の豆腐屋のものか、妙に美味くてびっくり。いい中華料理屋です。夜飲むのも良さそうだね。さて、大江戸線で六本木へ。六本木ヒルズにはドラえもんが大勢

ガンダム展…ではなく、森美術館『ディン・Q・レ展 明日への記憶』を見る

ディン・Q・レ展:明日への記憶 | 森美術館
ベトナム出身の作家による、これがもう、びっくりするぐらい、真正面から、様々なアプローチでベトナム戦争に向き合い、突き付けてくる展覧会だった。ベトナム戦争と言えばヘリコプターであり…

枯葉剤であり…

地獄の黙示録や、地震ポルポト派を逃れて船でタイへ脱出した経験をもとにした大型のインスタレーションも。その後、作家はアメリカにわたり、そこにおけるベトナムとは異なるベトナム戦争への視線を感じつつ、作品を制作していくこととなる。そんな中で異色なのは、軍装マニアの日本人を映し出す新作

画面の中の彼が、ベトナム戦争と日本の戦争について語る。この展覧会もまた、戦後70年の展覧会のひとつであったのだった。


暑くてさすがに誰もいない屋上を眺めて、最近また工事中の多い六本木周辺を眺めて


バナナ共和国のセールで洋服購入、六本木をあとに、バスで新橋へ。いったん帰宅してからまた出て、横浜スタジアムに寄ってから元町公園プール。その後、野毛の焼肉大衆で晩飯にしたのでした
在華坊(@zaikabou)/2015年07月25日 - Twilog