羽根林道からヤビツ峠、平塚市美術館『香月・丸木・川田』展、そして江ノ島の自転車旅
日曜日、6時過ぎに出発。今日も馬に乗りに行くから、自転車で出発…するべきところなんだけれど、今日は朝の8時40分に到着しなければならず、時間的に家から漕いでいくのがちょっとしんどい。自転車も、先日の輪行から帰ってきたままの状態
そういうわけで、自転車を担いで京急に乗り、横浜で相鉄に乗り換え、海老名で小田急に乗り換え。昨日の冷たい雨から、今日は晴れて気温が上がるので、深い霧が立ち込めている
普通列車で渋沢駅に到着。相鉄から海老名で乗り換える時点で、休日のこの時期、この時間は山に向かう人で溢れている。渋沢駅前も、丹沢登山の基点、大倉バス停に向かうバスを待つ人が大勢、行列していた
10分ほどで自転車を組みたて、輪行袋をしまう。輪行袋をしまう袋、ちょっときつく作りすぎなんだよね…。私は袋をカバンに入れるからそんなにコンパクトにしなくても良いのだけれど。なので、袋とアクセサリー類を別々に、スムーズに収納、さあ出発。
渋沢駅から3kmと走らずにこういう景色になってきて、それにしても本日はよいお天気、そして山もよい具合の色づき。少し高度を稼いでくると、まだまだ濃霧に包まれた下界が見える
さて、本日も乗馬、3回目。1回目は乗れただけで面白く、2回目でいろいろ考えて、3回目は馬とリズムがあってくる感じが面白くなってきて、もうちょっと続けてみようかな…と。完全に無料体験からはめられてる感がありますが(笑)
キャンペーンで入会金が半額になったりするとのことで、半年か1年くらい続けてみて、ライセンス4級くらいまでやってみよう、ということにいたしました。これは乗馬クラブにいた猫。
乗馬クラブを出て、さて、本日はどこへ行こうか。丹沢湖から丹沢山塊を抜けるコースも一度行ってみたいと思うのだけれど
道志みちから犬越路隧道を抜けて丹沢湖へ(2014年7月13日) - 男おひとりさまの自転車道(仮)
ひたすらの山越えなので、もう少し日が長い時期にしましょう。今日は、自転車乗りの聖地、ヤビツ峠から宮ヶ瀬湖に抜けてみようと思う。そして、藤野か相模湖あたりからまた輪行で帰るのもよいでしょう。
というわけで、ヤビツ峠の入り口!
…ではない。ここは林道の入り口だ。ヤビツ峠に向かう道を自転車NAVITIMEに尋ねたら、この林道を紹介されたのですよ、羽根林道。別に自分は峠にアタックすることが目的の自転車好きではないので、名古木の交差点から時間をはかって…みたいな気はサラサラないのだ。
この林道を登ると、途中、標高530mくらいの地点で所謂『表ヤビツ』に合流し、そこから3kmほどで峠に辿りつくことになる。そしてこの道は一般車両通行止なので
自転車に乗って登るわけにはいかないので、ひたすら自転車を押して進むわけです。徒歩なら問題ないからね。そもそも、急勾配かつぬれ落ち葉が満載で、自転車を漕いで登ろういう気にはならないけどな…。
ヒーヒーいいながら自転車を押して歩いていくと、犬笛と雄たけびが聞こえて、何事やあらん…と思うわけですが、ハンターの人だろうか。間違って撃たないでくださいよ。天気が良いので気持ちよい林間の道を汗だくになりながら40分ほど進むと、突然視界が開ける
おおお…ガードレールが無い…
そして開ける風景。登ってきた甲斐があったなあ
ここで標高500mくらい、遠くまで良く見える
ここからは、通常のヤビツ峠への道に合流し、きちんと自転車を漕いで進む。思ったほどの急勾配ではなく、ヤビツ峠ってこういう感じなのかー、くるくる濃いでればたどり着くんだな!と軽く考えたんだけど、あとから、ここよりも下のほうが勾配が急だと知るのでした。
ところどことの紅葉など見つつ、程ほどの勾配を頑張ってのぼると、ヤビツ峠に到着。ここが南関東自転車乗りの聖地か…
お約束のエビデンス写真
立派な山小屋みたいな売店もあるのですね
ヤビツ峠まではバスもあって、大山など、丹沢の山にのぼる基点にもなっているのだね。というか、一般的には、自転車乗り以外には、山に行くための基点なのだろうな
で、さて、私は峠自体が目的ではないので、ここを越えて宮ヶ瀬湖に下ろうと思ったのだけれど…
なんと、この先で通行止めだと…。売店のおじさんに聞いたら、徒歩でも湖にも抜けられないよ、という。へんなルートで来たから看板が無かったか、あるいは見落としていたんだなあ。これではこの先には進めないので、仕方ない、引き返しましょう。
あとから調べたらなんか抜け道の唐沢林道?ってのがあるらしいけど、まあ自転車で行くべきじゃないとこなんでしょうね。
快適なくだりを楽しみつつ、途中の展望台で景色を眺めたり
山の峠道が終わって、街に出たところが、蓑毛というバス停。油断し切った猫がいました
ところで…ヤビツ峠の売店に、秦野青年会議所作成の『ヤビツ峠safetyマップ』というものがあり、カラーの見やすい地図で、勾配などの情報が詳細に書いてあり、自転車のマナーを呼びかける内容も充実していて、なかなかよい配賦物なのですが(このマップは10.4gです、と書かれているところも細かい)
その中に『自転車の法定速度は30km/h以下です』と書かれているんだな。これは明確な間違いなのでは。確かに原付の速度制限は30km/hで、自転車がそれより早く走れるのはおかしいだろうと感覚的には思うけど…自転車(軽車両)の制限速度は通常の道路の制限速度とイコールなのだよな。
ヤビツ峠に限っても、この蓑毛バス停から上は道路の制限速度自体が30km/hなんだけど、ここから名古木の交差点までは40km/hなので、自転車は法律上は、ここから下は40km/hで走って良いことになっている。
もちろん、マナーとして、30km/h以下で走ろうと呼びかけること自体は悪くないと思うんだけど、『法定速度は30km/h以下です』と書いちゃうのは明確な誤りなのでアカンのでは、と思ったのでした。
バス停から下は、街中なのに峠道よりかえって急勾配な道を下り、名古木の交差点。これ、『ながぬき』と読むことを今日初めて知った。さてここから、まっすぐ帰宅するのはさすがに面白くない。鶴巻温泉に寄って…というにも早過ぎる。
しばし考えて、県道62号線を平塚に向かい、途中のなか卯で遅めの昼飯。平塚市美術館へ
気になっていた展覧会、『香月泰男と丸木位里・俊、そして川田喜久治』は今日が最終日だったのだ。間に合って良かった。
第二次世界大戦に関連した作品を制作する3人を並べるという、あったようでなかなか無かった展覧会。香月泰男の抑留体験をもとにした『シベリアシリーズ』も、丸木位里・俊の『原爆の図』も、もはや描いたというより、画面から、拭いても拭いても、記憶と魂が浮かび上がり染み出してくるような作品。
そこに、川田喜久治の『地図』が並ぶ。原爆ドームのしみ、そして原爆のケロイド、それもまた、焼き付けられて拭い去ることができない戦争の記録。展覧会全体、忘れようの無い戦争の記憶、忘れてはならないと叫ぶ戦争の記憶をとどめていて、胸が痛くなるくらいだった。展覧会冒頭の草薙館長のメッセージはとても強い言葉で書かれていて、平塚市美術館の強い強いメッセージを感じることができる展覧会だった。
戦後70年の昨年から、戦争を振り返る展覧会をいくつも見てきたけれど、かえって今年に入り、兵庫県立美術館での展覧会など、印象に強く残る展覧会があったような気がする
さて、展示室を出て
しばらく、ぼんやりと休憩し
海岸沿いを快適に東へ。くるくる回して30km/hくらいで走ると、とても気持ちが良い。秋の日はあっというまに沈んでいく。江ノ島にたどり着いたころには、すっかり夕景になっていた
鵠沼海岸には大勢の人
富士山もよく見えている
ずっと見ていたいけれど、このまま見ていると暗くなってしまう…
ここからは、江ノ島から帰宅する勝手知ったる道。腰越から渋滞するわき道に入り、モノレールの西鎌倉駅前を通り過ぎて、大船駅前へ。鎌倉街道に合流して、日野の坂道を越えて港南区に入ると、もうすぐ家だ、という、ほっとした気持ちになる。
坂道を下って上大岡を過ぎ、弘明寺に到着。銭湯です、中島館です。
自転車でたっぷりかいた汗を流して、黒湯の風呂と水風呂をいったりきたり、ああ、極楽…。今日はいちにち、天気ももって良かった。
風呂上り、酒屋や惣菜屋で買い物して帰宅。洗濯と片づけを済ませてから、さて、ばんごはん。
今日は渋沢まで輪行し、秦野の山中で馬に乗ってから、ヤビツ峠。引き返して平塚市美術館。そこから、江ノ島に出て、大船から鎌倉街道に出て、弘明寺で銭湯に入って帰宅する86kmの自転車旅だった。とにかく暖かくて天気も良くて、よいいちにちでありました。