日毎に敵と懶惰に戦う

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京都国立博物館 特別展『国宝』を見る

5時起床。5時15分に家を出て、羽田空港

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いつもの6時半の伊丹行に乗り、モノレールで仕事先に向かう。午後は中之島で打ち合わせ。はい、仕事終わり。ちょっと早い夕飯に

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京阪淀屋橋駅から繋がったビル地下にある会津屋へ。箕面ビールが、あまり意識高くない感じで提供されてるのが良い。

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出汁たっぷりで良い蛸の入った、たこ焼きも、もちろん、美味しい。

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たこ焼き12個と箕面ヴァイツェンで、ぴったり1,000円でした。さてここから京阪の特急に乗り、七条で降り、目指すは京都国立博物館『国宝展』である

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日本全国の美術品800点あまりの国宝の1/4が一堂に集まる、今年ナンバーワンの大注目展覧会なわけですが、なにしろ展示替えが多くて、本日は第2期の後半。昼は行列も出来ていたみたいだけれど、夜間開館のこの日、18時過ぎのタイミングで、入場の行列は無かった。無かったけれど、会場内はなかなかの人だかり。

この第2期の目玉は龍光院曜変天目です。滅多に見る機会はありません。それが特別に誂えた部屋と照明で怪しく輝いている。この作品のためだけに並ぶのは覚悟するしかありません、が、それだけの価値はある。覚悟して並んでください。閉館間際狙いとかも無理!

がんばって見て行くわけですが、量と質と人の多さの前に感情が飽和し、何が何だかわからなくなってきます…。4期に渡って、毎回、殆どの展示作品が入れ替わる、何がどうなっているのか。こんなことを許してよいのか。しかし意識不明になる中で気がついたらずっと眺めていたのが火焔型土器。火焔型土器凄い凄過ぎる圧倒的造形。

4期で相当展示物が入れ替わるんだけれど、毎回、見所だらけ。第2期は中国絵画も凄い。2階でそろそろ絵に疲れてきたタイミングに現れるので感情のギアの入れどころが難しいんですが、というか、これ、いっぺんに全部並べようと考えた馬鹿は何処の誰なんですが?脳内の処理が追いつかないので、もうちょっと観客のこと考えて欲しい!

あと、明後日までの展示で凄いのは仏画もですよ。知恩院阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)と、山越阿弥陀図が並びあって醸し出すスピード感、グルーブ感、すごくヤバい感じ、あれはなかなか東京だと得られない感覚です。奈良とか京都とか、関西ならでは。魂を持ってかれる感じ。これは見て欲しい!ヤバいです。

見にきてるお客さんも気合い入ってますよ。海外の人も多いんですが、同行の日本人と英語フランス語日本語ちゃんぽんでえらく高度な美術談義してたり。菅原道真の遺品を小学生の子供に完璧に淀みなく解説するお父さんとか(ずっと解説聴きたくなりました)。みんなの興奮がとにかく伝わってくる!

雪舟も、国宝6点全展示は22日までだったんですが、3点は29日まで見られて。良かったなぁ。餓鬼草紙も良いし、病草紙、平安〜鎌倉期の作品なのに、フタナリの描写が、完全に江戸時代の春画のソレなのはなんなんですかね?中学生女子に、フタナリって何?と訊かれていたお父さんがいましたね…

金土は閉館時間が20時まで。閉館間際の2階が良いのです。つい前までの作品の前を取り囲む雑踏が引き、各人思い思いに、いちばん好きな作品の前に陣取り、最後までいたらこれ貰って帰れるんですよね?くらいの勢いで向き合う。その贅沢な時間よ!わたしはこれが見たいのだ!と向き合う時間、至高です。私は山越阿弥陀図が欲しい。

正直ね、一遍聖絵遊行寺でまとめて見たわぁ、とか、信貴山縁起絵巻は奈良博で見たわぁ、とか、彦根図屏風は彦根城でガラガラのところで見たわぁ、とか、トーハクの「和様の書」で書跡の良いところはいろいろ見たわぁ、とか、東洋陶磁行けば…とか、いろいろありましたが…。しかし、並べてみると、また新たな魅力に気が付いたりするわけであり。

とにかくですね、人が多いのはもう諦めてくださいですし、いくらなんでも並べすぎで何を考えているのか!という展覧会ですが、あれを見たぞ!と、のちのち、言える展覧会であることは間違いありません。みんな、行こう、京都国立博物館の国宝展へ。

あ、詳細な情報とかは、こちらを見ていただいたほうがいいです…

閉館時間が来て退出するときも、まだ、曜変天目に行列が出来ていたのでした。京都駅まで歩き、のぞみに乗り。金曜夜、最終から30分〜1時間くらい前、のぞみの曜日限定列車が多発される時間帯の、東京行きの自由席1号車は、がら空きで快適。最終とかその1本前や、逆に夕方のよい時間帯だと、途端に地獄になる可能性がありますが。

んで、社内で、京都駅で買った折詰でちょっと一杯やりまして、帰宅したのでありました。

在華坊(@zaikabou)/2017年10月27日 - Twilog